伊藤くん A to E

著者 :
  • 幻冬舎
3.24
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本棚登録 : 1682
レビュー : 284
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024588

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤くんは、鏡だ。
    彼と関わる女性たちの、理想、嫉妬、嫌悪、優越感、そういった内側の、ネガティブな磁場を映し出してしまう。他者からどう見られているか、見えているかを、伊藤くんを通して自分の姿を、自分を見る他人の姿を否が応でも見てしまう。伊藤くんは、ブラックホールのような、皇居前広場のような空虚な存在でありながらも生々しい感情を湧き上がらせる存在として立ち上がる。
    あるいは、伊藤くんは人間関係のほころびであり、裂け目のような存在。「東京」という都市空間で生きることの息苦しさと相まって、関係性の網の中でもがいている登場人物たちの姿には、身につまされる人もいるかもしれない。それでも、p。230の伊藤くんの独白の破壊力といったら。ぜひ最終章までじっくり読んでほしい。

  • 伊藤くんのクズっぷりを楽しむお話かと思ったら、意外と重い話に展開していって面白かった。
    伊藤くんサイドの話も読んでみたい。Dで小綺麗なスーツ着て新宿で何やってたんだろ。
    伊藤くんは、女に生まれたら良かったんじゃないだろうか。
    お金持ちの美人はお嬢様なら、そこまで社会と戦う必要無いだろうし、異性からも傷つけられることなく、一生ちやほやされて生きて行くことも容易いかもしれない。お金持ちのイケメンより。
    クズケンがいい奴だから、この先報われてほしいな。
    実写化も楽しみ。

  • 柚木麻子は面白いです。
    伊藤君、真性クズ。他の人たちのその後が知りたい。

  • 2018/12/11
    圧倒された。毒気が強い。
    ひたすら不快な伊藤君が痛い目にあってスッキリしたいと思いながら読んでたけどそんな次元じゃなかった。
    ポカーンとしてしまった。
    伊藤君がこんなに自覚して伊藤君だったとは。
    それでも何か決定的にわかってない感じもある。すごく気持ち悪い。
    登場人物全員私な気もするし、全員私とは違う気もする。
    すごく気持ち悪いし、すごくしっくりくる。
    伊藤君の傷つきたくないという主張はとてもわかるんだけど、だからと言ってその選択はしない。惨めだもの。
    いや、違うかも。選択をしないんじゃなくこんなこと意識してできない。気付いてても気づかないふりする。
    一生懸命やってこれなんですと自分にも周りにも思われないと。
    この演説をすることにすごく傷つくんじゃないのかな。
    だから暴れたのかな。
    伊藤君、興味深いけど絶対に近寄りたくない。
    でも私も伊藤君寄りなんだよなぁ…
    クズケンはもうちょっと報われていいよ。

  • もーこれ絶対映画見に行く!!!

  • 面白かった。ブクログで人気がある作家さんだったので図書館で予約して頼んでみた。この作家の本のタイトルはみずみずしいから好き。小説として引き込まれたのは久しぶりかも。

  • 伊藤くんに関係する女性5人の物語。
    引き込まれ一気に読んだ。
    見栄やプライドの心理描写が面白く、身につまされる思い。

  • すごくいい。タイトルも表紙にも惹かれなかったけれど好きな作家さんだったので読んだ。結果は大正解。もーなにこれ!
    伊藤くんCが特に好き。恋愛小説かと思っていたけれど歪んだ友情とお互いの劣等感が最高。チェリータルトもおいしそう。
    Dに出てくるクズケンはクズなのかと思っていたのに魅力的で、伊藤なんてやめてよっぽどこっちにしとけばいいのになあ。

    この人の書く壊れちゃうところまでいく友情が大好きです。

  • 伊藤くん、、
    こんな男子がなぜモテるのか。

    差し出さないビッグマウス男子が。

  • 傷つけられることを怖がっている自分には、怖い。

著者プロフィール

柚木麻子(ゆづき あさこ)
1981年、東京都生まれの小説家。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010念二同作を含む初の単行本『終点のあの子』を刊行。2014年に『本屋さんのダイアナ』で第3回静岡書店大賞小説部門受賞。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞、直木賞候補に。2017年『BUTTER』で直木賞候補。2019年、『マジカルグランマ』が第161回直木賞候補となる。

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