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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784344024731
感想・レビュー・書評
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この小説は、まさきとしかさんの初期の頃のミステリーだと思うが、母親の子に対する凄まじいほどの狂気に近い歪んだ愛を知らされた気がした。
兄が死んだあとに生まれた自分が、母からはどのように見えるのか。
自分じゃなくいつまでも兄を見ている。
自分の中に兄がいると思って見ている。
愛情は、亡くなっている兄しかないのか。
いったい自分の存在とは…。
第一章では完璧に子育てをする母親しか書かれてないのだが、兄の代わりのようなこの妹の存在が気になってしかたなかった。
第ニ章では、母親から嫌われる息子で、どうして姉とは違ってこんなにも弟は嫌われるのか…
そして、その弟が成長したあとが、第ニ章から始まり第三章へと繋がっていくのだが、最後にこういう結末がくるとは想像していなかった。
どのようなかたちの親子であっても歪な愛情は、子どもに悪影響を与えるのだと。
難しい、完璧な母親だと思っていても子どもにとっては、どうなのか。
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まさきとしか先生は、天才ミステリ作家だと思う。
その先生が初めて発表したミステリ作品が、こちら。
まさき先生のテーマは、母と娘、母性、だよね。
小学一年生の息子を亡くした後の母親の狂気の描写は、「あの日君は何をした」に引き継がれていると思った。「あの日君は何をした」のほうが、平凡な母の話だから余計に恐ろしかったけど、先生がレベルアップしてるからなのでしょう。
確実に真相の種まきはされているのに、読者が真相に気づかないようにリードしつづけるのが、まさき先生の天才ぶりだなと思う。最初の作品からこれなんだもん、ミステリたくさん読んでるつもりですが、波琉の死の真相については、全然気づけなかった。
波琉子がさらりと回想していた、マンションの隣に住んでいた涼太の末路については、つらかった。あんなふうに育てられた子が、さらにそんな最期をむかえるなんて、神も仏もないものか、と。
人の死について、網戸についた虫を追い払い叩いて虫が死ぬようなものだと15歳で考えていた涼太。そんな人生観にしたのは,彼自身というよりも、彼に人生を諦めさせた環境だよね。
でもさ、そんな死に方したらDNAとかで本人特定されそうだし、それで「これ誰だ?(戸籍上の人間とは別人)」と発覚しそうだし、本当は涼太は生きてるんじゃないのかな?と、わずかに期待したりしてしまった。 -
前半は面白かったが、後半はちょっと煩雑な印象。こういう物語だったのかーという感じ。前半のほうが好きです。
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子どもをちゃんと育てることに必死になり過ぎて盲目になっている母親の物語は、どうしても、怖いとか気持ち悪いとかいう言葉で括れない。
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こわかった
子育てこわい
母親ってすごいよね
今更思う、夢中で通り過ぎてしまうけど
≪ 母として 愛と狂気を 抱えつつ ≫ -
何とも言えない読後感。苦しいような、そうでないような。親の気持ちもわかるけど、娘たちの気持ちはもっとわかる。親はだんだん癒されていくけど、子どもたちはだんだん苦しさが増していく。子育てってホント難しい。
次回作、サスペンスとか抜きにして、母と娘のドロドロ希望(笑) -
一気読み。
最後の方は時間なくて急いで読んだので、本当はもう少ししっかり読みたかったな。
「あり得ない、理解できない」と、思えなかった。
むしろ、「分かる…分からなくもない。」
という気持ちでした。
こういう、子供を思うあまりの行き過ぎた母親の話は、嫌いじゃない。もしかしたら、他の人にとっては「恐怖」なのかもしれないけど、私にとっては、同じ世界の話、に感じました。
だって、私だって思うもん
毎朝子供を登校させる時
無事に帰ってきますように…
子供が遠足で、バスで高速になる時
まさか、事故ったりはないよね、大丈夫だよね…
子どもが電車に乗って出かけた時
地震がきたらどうしよう
口には出さない
だって、夫にも「そんなのいちいち心配してたら…」って呆れられるから
でも、世の中のみんな「まさか自分の身にこんなことが起こるなんて」って思って、不幸なことが起きてしまうんだよ
だからさ、分からなくもない
この話に出てくる母親の気持ち。
分からなくもない。
この先ネタバレになるかもだけど
こんな強烈な母に育てられたら、もう少しどうにか子供もなってしまいそうな気がしたのに、案外普通
とにかく、子供ができると、良くも悪くも人間って変わると思う
私は、子供を産んで育ててることで、自分のいろんな面に気付けたし、大変なことも沢山あるけど、ものすごく深くて弱くて優しくて強くて、味のある人間になれてると思う -
好きな作家の初期の作品ということで読んでみたが、やや話の構造を把握しづらく、イマイチの印象。この作品が最初だったら、この作者にはハマっていないかなと思う。
過去と現在を柱とする二重構造の展開なのだが、その構造にハマれるかどうかがポイントなのだろうと思う。読みやすさはあるので、決して悪くはないが、人に薦めるほどではないかな。 -
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やっと授かった一人息子が亡くなり、母親はさらに子供を産むことを決意する。息子の代わりでしかない娘。父親は「息子」と「娘」を別個の人間として接してくれるが、始終一緒にいる母親の影響は大きい。娘の心も壊れていく。最初はドキドキしながら読んだ。母親の壊れた精神が怖かった。後半はちょっと失速したかな。
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出だしはとても好きでワクワクしましたが、後半様々な人たちが絡みだしてから、読みにくくなりました。
何がいいたかったのだろう、、と思いました、
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自分の子供がいちばん可愛いのは当たり前。
大きくなれば許せることもある。
あの時の母の気持ちに寄り添う。 -
死んだ兄の生まれ変わりとして育てられた。母も子も辛い人生。
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話としては面白かったけど、うーむ、前半のまま、波琉子と母の話でよかったのかな?
亡くなった兄の身代わりとして育てられる苦しさ、父の苦悩あたりまではよかった。
中盤の蔓井母子との出会いで母の目が覚め?後半は波琉子自身が再生するのかと思いきや、さらに別の親子登場で、母性というより狂気を感じた。 -
「あの日、きみは何をした」が面白かっただけに、少々物足りなかった…
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子を持つ母として考えさせられる内容でした。
子供を産んでから母性という自分でもコントロールしがたいものに支配されている気がするんだよね。もちろん大半は良い方に作用するんだけど、一歩間違えれば・・・という気がする。
幸せで平凡な生活を送る母でも、何かあれば愛情は凶器にもなるんだね。
怖いと思いつつ、わからなくはないのです。最愛の子を不慮の事故で亡くして、もう一度産みなおそうと思う母。自分の子を助たいあまりによその子を見捨ててしまった母。もしも自分が同じ立場に立ったらと思うとその行動も理解できてしまうのです。けれど、子は母のものではない。そのことを忘れてはいけないね。母に翻弄されて人生を狂わされた子供たち。最後にそうつながるのかぁと思いました。一気に読んでしまったけど、読み終わってなんかため息が出てしまいました。面白かったんだけど、面白かったの一言では片づけられないです。 -
波琉を失ったお母さんの狂気が凄かった。子供を失う悲しみや、私が産み育てているという自信。そういったものはまだ何一つわからないけど、愛情も度が過ぎれば毒になるんだなと思った。
17/3/13
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