- Amazon.co.jp ・本 (114ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344024755
作品紹介・あらすじ
どん底で希望をつかめる24のばななマジック。震災、放射能、両親の死-つらい日々の中で見えてきた、幸せになるヒント。
感想・レビュー・書評
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よしもとばななさん初読みです。
地元の図書館の「お持ち帰りください」
コーナーで出会いました。
1964年生まれのよしもとばななさんが
2012年に執筆したエッセイが約半分
書き下ろしが約半分、2013年発行。
両親を見送る、ということについて
心構えができた気がします。
とてもさびしいことだけれど人がいなくなることに
対して時間をかけて心構えができるのは幸せなこと
だとも思うのです。
偶然、今の私の年齢と同じ時期に書かれた
エッセイを手に取ることができた不思議。
ばななさん初読みがこの本で良かったな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
家族や友人との日々を綴ったエッセイ。
悲しい出来事の中で感じたことがそのまま言葉にされていて、考えさせられた。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
逃げた人は逃げたことを受け止め、
逃げなかった人は逃げなかった悲しみと強さを受け止め、
ただそれぞれの人生が過ぎていくんだな、そう思う。
どっちがいいということもない。
どっちも受け止めるものがある、なにを選ぶかだ。 -
些細なことに感謝しなければならない。
人を大切にしなければならない。
しかし、自分を労ることも忘れてはならない。
と、当たり前のことを改めて気づかせてもらえるような良いお話がたくさん詰まっていました。
日々は本当に小さな事に対する感謝と思いやりの積み重ねで出来上がっているのだろうと思いました。 -
両親を見送り、親のいない大人になることがなんとなく以前より現実的なこととして想像できるようになってきました。この本を読んで、両親がいなくなるということは、子どもに戻れる瞬間がなくなる、絶対的な味方がいなくなってしまうということで、その時がいつか必ず訪れるんだな、と考えるきっかけになりました。
今の私は、両親も健在で、遠くの友人と行動すればいつでも会える元気があり、身軽に動ける環境で、味方が近くにいてくれる。いまあるすばらしい日々を大事にして、環境が変わってもライフステージが変わっても、すばらしい日々と思えるように生きていきたいです。(この意気込みいつまで日常で覚えていられるかな・・・)
相手に期待せず、ただただすこやかでいてほしいと思えるようになりたい。(p54)
P18言い訳したり、期限を切ったり、こうしてくれるなら守るっていう約束ばっかりしているのが人と人だ。
p47つらいことなら、いなくてすんでよかった。そのあとの悲しみも短いといいなあ、素直にそう思うのだ。 -
『すばらしい日々』
よしもとばななさんのエッセイ。読み進むたび、この方の死生観に対する考えが深かった。
表紙の写真が何を表しているのか分からなかったけど。お父さまの生きた記録だったことを知って、なんだか素敵だなぁと思った。
歳をとるとこんな風に考え方にシフトするのかなって思った。
音信不通だったお祖父さんを亡くしたのもあって、これが本当の家族の姿なんだろうな…と思ってしまった。
けど、いろんな姿・形があっても人を思う気持ちは変わらないんだろうな〜と思う。
読み終わる頃には、ずっと好きな人たちと楽しく過ごせますようにって願いを込めていたわ。
2020.9.7 (1回目) -
父と母、子どもやペット。様々なものの生きることや死ぬことについて書かれた、とても、とても素晴らしいエッセイです。
帯に「どん底で希望をつかめる24のばななマジック」と書いてありますが、とても悲しい出来事を綴った話でも必ず、少しでも前向きになれる言葉が埋まっています。
どんな場面でも必ずすばらしいと思える瞬間があると、一瞬一瞬の大切さや素晴らしさに気づかされる、それでいて決して押し付けがましくない心にストンと落ちてくる言葉です。
とくに名言といったものが書かれているわけではありませんが、心を優しく包んでくれる時間でした。 -
読んでいて、心の中にストンと言葉が自然と落ちて実になるような、素晴らしいエッセイでした。
祖父が危篤の状態になった今だからこそ、ばななさんの言葉がここまで沁み入るのだろうか。
うちの祖父は、きのう、危篤状態から復活した。
話しかければ、はっきりとは聞き取れないけれど、何らかの返事をし、
手を握れば、握り返してくれる。
私は、こんな奇跡が起こるのか!と驚き、家族も親戚も、祖父のまわりに集まり、喜び合った。
血の繋がりって、家族の繋がりって、
こんなにキラキラと眩しいほどのオーラのようなものがあるのか、と、
今も思い出すだけで、胸が苦しい。
ばななさんの言葉が、時間が経てば経つほど、沁み入るので、
涙が出てくる。
できるだけ、「〜しとけばよかった」と後悔することのないよう、
毎日毎日を過ごすことの大切さを知った。
家族に対しての感謝の気持ちを伝えることの対しての大切さ。
気持ちを言葉で、行動で伝える大切さ。
教えてくれた、祖父と、吉本ばななさん、ありがとうございました。 -
最近のよしもとさんの言葉は、いつも真っすぐで温かい。何気ない日々の大切さやすばらしさが、丁寧な言葉で綴られていく。
そういうものって普段は意識せずに過ごしてしまうということを読み手自身が自覚しているからか、読み終わった後で、何故だか「ありがとうございます」と呟きたくなるような、そんなエッセイ。 -
ものすごい泣いた
今を大事に、家族や友人と過ごしたり、繋がりを大切にしていなければならない、なぜならあとで必ず後悔するから
そんなのわかってても自分勝手になってしまう自分がどうしてもいるから、そんなときにこれを読んで改めて心に留めることができて良かったと思う
自分の人生を、自分とその周りの大切な人たちのために生きないとなあ
今という時は今しかないし、成長と終わりに向かっていく道のりは長いようですぐ終わってしまうのだろう -
さくっと大事なことが沢山書かれている。そして、写真が素敵。読み終えてから表紙を改めてみて、泣けた。
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この本の佇いがすばらしい。
書いてある内容は別の著書で知っていたことが
多かったけど、この本では静かに語られている。
ところどころにある写真と合間って、世界を形成
している感じ。かなしみを静かに受けとめるという
境地が必要なとき、開くととてもいいと思う。 -
いろいろな世代の方に読んでもらいたいです。
誰もが避けては通れない道。
悲しい、辛い、でもそれだけではない。
潮千穂さんの写真も、やさしくて素晴らしくて泣けてきます。 -
BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“あの人が買う本”で登場。
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/21.html
いま、読みたい本として城戸さんが選んだ本です。
「ご両親を看取ったばななさんのエッセイらしいんですけど、人はどんなつらい時でも人は輝くし力を持つというようなそういう驚きも綴られているようで、今私も母を看ているので、同じような気持ちを重ねられるのかな、新しい発見があるのかなと思い、読んでみようと思いました。」(城戸真亜子さん)
原宿ブックカフェ公式サイト
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php -
『キッチン』からずっとつかず離れず(というか"ついたり離れたり"しながら)リアルタイムで小説とエッセイのほぼ全作を読んできた著者を、この作品ほど近く感じたことはなかったように思う。偉大な思想家であるところの父・吉本隆明を語っているところも、(著者自身の)子供について語っているところも、等しく今の自分の心にきちんと入って来た。
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私が同じ経験してもこんなに人生をこのような目で見れないだろうな
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エゴとエゴをぶつけあって、お互いのニーズをなんとか通そうとするとは生き物として仕方ないことなのだと思う。きれいごとの入る余地はない。余裕があるときだけ、相手のことを考えてあげられる、それがせいぜいなのかもしれない。
よしもとばななさんのエッセイには今の自分でいいのだと思えるような言葉が散りばめられていて、そして読んだ後に空気が綺麗になったような気持ちになる。 -
言葉と写真が沁みていく
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読みやすく写真付きのエッセイをと図書館でたまたま手に取り借りた。想像以上に深く素晴らしいエッセイだった。
死生観がエッセイの中に散りばめられている。家族はいつまでもいるものではない、当たり前が当たり前でなくなることを押しつけられるのではなく、肩をポンとたたかれるように伝わってきた。
わたしも祖父が亡くなる前、緑とピンクに出てくる「全てをたくされる握手」を交わしたことがある。このエッセイで忘れていたその握手を思い出した。
わたしもめそめそしている場合ではない、力強く生きようと思った。
人間や家族の死や生について考えたいときに開きたいエッセイだと思った。 -
読み終えてから時間が経ってしまって正直あまり覚えていない…
ものすごく心に残ったという訳ではないけれど、日常の幸せの欠片を拾い集めるような、そんな感覚で読んだいたのは覚えている。