旅者の歌 始まりの地

  • 幻冬舎 (2013年12月12日発売)
3.36
  • (9)
  • (22)
  • (35)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 216
感想 : 30
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 / ISBN・EAN: 9784344024977

作品紹介・あらすじ

-この世界では人と野獣の二つを神が創ったとされている。そして稀に誤って野獣の魂を込められた人が在る。それは人の形で生まれ育つが、7歳か14歳か21歳の誕生日に、野獣に換身してしまい、二度と人に戻ることはない-シィフルの地では、その歳の誕生日は、野獣に換身するかどうかの「試しの日」とされていた。ニィマールとその兄と姉、婚約者の四人は、同じ日に試しの日を迎えた。その長い夜が明けた時、きょうだいと婚約者はみな野獣の姿に換身していた。なぜか、人間の心を残したまま-。かつて誰も足を踏み入れたことのない果ての地に行けば、彼らを人間に戻すことができると聞いた少年は、一筋の望みを胸に、試練の旅に出た。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • せめて語り手がもう少し魅力的な話し方をしてくれたら…
    とにかくすごく面倒に感じた。

    ☆1は続編で面白くなるのかも、という期待を込めて。

  • 久しぶりの小路幸也作品、本人もドラクエが好きみたいで面白く書かれるてるだろうと結構期待して読んだファンタジー小説だったのですが・・・うーんずーっと
    序章な感じで良くも悪くも平らな感じで山場もなく進んでいく感じ
    語り部もいらないかな・・2巻もあるみたいだけど読むのが迷う。

  • 1冊をかけて、壮大な舞台設定をひたすら説明された感じ。淡々とこの世界の文化だの暮らしぶりを説明するんだけど、あまりにも我々の暮らしではこうだけど、この世界ではこうだ、みたいに対比をしつこく言うので、そこまで説明しなきゃいけないなら、変に新しい用語とか作らなきゃいいじゃん…と思ってしまった。
    登場人物達も、単なるいいこばかりで、まったく個性もなく、面白みがない。
    残念だけど、ハマれなかった。

  • 読みはじめた途端に予感がしたんだけど、案の定すっごい道半ばで終わってしまった。
    とりあえず最初の旅の決着くらいつけてくれないと。
    ハイファンタジーはあいだが空くと世界観取り戻すの結構大変なんだから。

    それでも、先が楽しみないい感じのお話です。
    なんだかRPGぽい感じはあるけど、特殊能力とかではない異世界ものなので仲間と旅をして敵と戦い死を乗り越えみたいな成長譚が続いていくのでしょう。

    「東京バンドワゴン」もおばあちゃんが俯瞰して語る体裁だったけど、今回も第三者の俯瞰語りになっております。
    こういうの好きなのかな。

    次作に備えてかるくあらすじを書いておく。

    7の歳に迎える「試しの日」。
    シィフルの地の「住者」は「野獣」になってしまうかもしれないという運命を持っている。
    14歳のニィマール、許婚のジェイラ、双子の兄姉トゥールとティアラは「試しの檻」に入り一夜を過ごすが、ジェイラは猫、トゥールは馬、ティアラは鷹に換身してしまう。
    しかも野獣の体に人間の心が宿る「離者」になってしまった。
    賢者として特別な知識を持つ「話者」であるニィマールは、3人を人間に戻すため「離者の地」を目指して険しい山を越え外の世界へ出ていく。
    「離者」とともに旅をする人「旅者」として。
    閉じられた世界にいた彼らは、多くの偽りを知り新たな事実を得て、外の世界への好奇心と希望をもって旅を進めていく。
    シィフルの地の長であるグルム
    野獣と「離者」の間に生まれた半獣半人のような「狩者」ヌイ
    ヌイと敵対する「狩者」のシャライ
    山岳に洞窟を掘って暮らし外と中の世界をつなぐアルワンの民
    彼らの知恵や知識を借り、思いを受け、野獣の本能を活かして、山を越えシィフルの外へ出て、水に満ちた「リューラー国」を経て「オル・サール」の吊り橋を目指して旅を続ける。
    その道中にアルワンの言葉を話すライオン夫婦に出会い旅の仲間が増えたところで次巻へ続く。

  • 図書館にて借りる、第261弾。
    (神戸市図書館にて借りる、第70弾。)

    面白い。
    これぞ冒険だと言っても良いだろう。
    上橋菜穂子の旅人シリーズを彷彿とさせる冒険シリーズ。

    30過ぎても冒険譚にはワクワクするのだ。
    続きが早く読みたい。

  • 7才14才21才の誕生日に野獣に変わってしまう人間がでる村で暮らす主人公14才。
    婚約者と兄姉が野獣になってしまい、彼らと共に人に戻すための旅にでる。

    もしかして中途半端な終わり方をするのかと読み進めていたけれど、なんと続きがあるらしい。続きを読むかは迷うところ。
    ナレーション的なおじいさんの話し方が邪魔くさく感じられた。
    苦しい場面がさらりと省かれてるから楽しく快適に旅してるイメージになってしまう。

  • この世界ではないどこかの話。
    星が落ちてできた、大きな窪みの中の「住人」たちの話。
    大きな宿命を背負った者たちの。
    この窪みの中の世界、それしか世界はないと思っていたのに、「離者」となってしまった兄姉と婚約者を助けるため、魂の秘密を得るため、「旅者」となった子の、旅立ちの話。

    旅のなかで起こること、会う人々。少し都合がよくも感じるけども、宮部さんのファンタジーのようなご都合主義には陥ってなく感じるから、読み口は悪くない。恐らく、語り部が話している物語だから。困難なところ、長くなにもないところは、飛ばして話している風だからだと。

  • ―この世界では人と野獣の二つを神が創ったとされている。そして稀に誤って野獣の魂を込められた人が在る。それは人の形で生まれ育つが、7歳か14歳か21歳の誕生日に、野獣に換身してしまい、二度と人に戻ることはない―シィフルの地では、その歳の誕生日は、野獣に換身するかどうかの「試しの日」とされていた。ニィマールとその兄と姉、婚約者の四人は、同じ日に試しの日を迎えた。その長い夜が明けた時、きょうだいと婚約者はみな野獣の姿に換身していた。なぜか、人間の心を残したまま―。かつて誰も足を踏み入れたことのない果ての地に行けば、彼らを人間に戻すことができると聞いた少年は、一筋の望みを胸に、試練の旅に出た。

  • また新たなシリーズが始まるのだろうか。小路幸也はシリーズものを何本も抱えながらよくパンクしないものだ。まだまだ序章。この先に何があるのか。

  • ★2015年3月21日読了『旅者の歌 始まりの地』小路幸也 著 評価B+
    東京バンドワゴンシリーズの著者、小路氏の新シリーズ。
    舞台設定は不詳、何となく上橋菜穂子さんの守り人シリーズや恒川光太郎氏のスタープレイヤーの雰囲気に非常に近いSFチックな異次元惑星的な世界の話。そうSFファンタジーという呼び方がほぼ正しいでしょうね。最初の舞台設定の説明となる導入部はちょっとリズムが悪かったけれど、主人公が旅に出るあたりからは、物語のリズムが良くなり、断然面白くなってきました。私は結構、この手のファンタジーが好きなので、小路くんの新しい挑戦は高く評価したいと思ったし、ある程度成功していると感じました。

    シイフルとは0の事。平和で豊かな土地柄で、高い山々に囲まれた隔絶の地。そこでは全ての知惠を知る話者が尊敬され大切にされていた。その土地で、小さい頃から頭脳明晰で勇気もある13歳の男の子ニィマールとその許嫁ジェイラ、そして20歳のニィマールの兄姉で双子のトウ-ル、ティアラは幸せに生活していた。

    しかし、この世界では、6,13,20歳の最後の夜、零時になる前に試しの檻と言われる中に入り、試しの日を過ごさなければならない。なぜなら、人によっては、その3回の7年ごとの夜に、人から野獣に換身してしまうことが起こりえるからだ。
    そうすると、その野獣は家族の元に帰ることはできず、山へ戻り野獣として生活しなければならないという掟が村の約束であった。

    そして、その運命の夜、何とニィマールを除く許嫁ジェイラ、ニィマールの兄姉で双子のトウ-ル、ティアラの3人が、野獣に換身してしまったのだ。それも、3人とも滅多に起こりえない身体は野獣、魂は、人という離者の状態となった。

    シイフルの話者の長、グルムは、村の言い伝えに従い、話者の素養を持つニィマールに問う 許嫁、兄姉とともに旅者として神、魂と身体の謎と真理を求めて離者の地へ旅立ち、離者となった3人に人間の身体を取り戻すか?と。
    そうして、ニィマールは旅者リョシャと名前を変え、猫となってしまった許嫁のジェイラ、馬となった兄のトウ-ル、鷹となった姉のティアラの4者で、何処にあるかも分からない離者の地を求めて、苦難の旅へ出発する。

    高い山々を越え、外地へ出るとスループ国の王、王妃だった魂を持った獅子、スイ-ルとルーラが加わり、様々な苦難、外敵を乗り越えていく。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九六一年旭川市生まれ。札幌の広告制作会社に14年勤務。退社後執筆活動へ。
二〇〇三年『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』(講談社)でデビュー。著書に『HEARTBEAT』(東京創元社)、『東京公園』(新潮社)、『東京バンドワゴン』シリーズ(集英社)など。ほかに『うたうひと』(祥伝社)、『空へ向かう花』(講談社)、『brother sun 早坂家のこと』(徳間書店)などがある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小路幸也の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×