旅者の歌 始まりの地

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 210
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024977

作品紹介・あらすじ

-この世界では人と野獣の二つを神が創ったとされている。そして稀に誤って野獣の魂を込められた人が在る。それは人の形で生まれ育つが、7歳か14歳か21歳の誕生日に、野獣に換身してしまい、二度と人に戻ることはない-シィフルの地では、その歳の誕生日は、野獣に換身するかどうかの「試しの日」とされていた。ニィマールとその兄と姉、婚約者の四人は、同じ日に試しの日を迎えた。その長い夜が明けた時、きょうだいと婚約者はみな野獣の姿に換身していた。なぜか、人間の心を残したまま-。かつて誰も足を踏み入れたことのない果ての地に行けば、彼らを人間に戻すことができると聞いた少年は、一筋の望みを胸に、試練の旅に出た。

感想・レビュー・書評

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  • せめて語り手がもう少し魅力的な話し方をしてくれたら…
    とにかくすごく面倒に感じた。

    ☆1は続編で面白くなるのかも、という期待を込めて。

  • 久しぶりの小路幸也作品、本人もドラクエが好きみたいで面白く書かれるてるだろうと結構期待して読んだファンタジー小説だったのですが・・・うーんずーっと
    序章な感じで良くも悪くも平らな感じで山場もなく進んでいく感じ
    語り部もいらないかな・・2巻もあるみたいだけど読むのが迷う。

  • 7才14才21才の誕生日に野獣に変わってしまう人間がでる村で暮らす主人公14才。
    婚約者と兄姉が野獣になってしまい、彼らと共に人に戻すための旅にでる。

    もしかして中途半端な終わり方をするのかと読み進めていたけれど、なんと続きがあるらしい。続きを読むかは迷うところ。
    ナレーション的なおじいさんの話し方が邪魔くさく感じられた。
    苦しい場面がさらりと省かれてるから楽しく快適に旅してるイメージになってしまう。

  • この世界ではないどこかの話。
    星が落ちてできた、大きな窪みの中の「住人」たちの話。
    大きな宿命を背負った者たちの。
    この窪みの中の世界、それしか世界はないと思っていたのに、「離者」となってしまった兄姉と婚約者を助けるため、魂の秘密を得るため、「旅者」となった子の、旅立ちの話。

    旅のなかで起こること、会う人々。少し都合がよくも感じるけども、宮部さんのファンタジーのようなご都合主義には陥ってなく感じるから、読み口は悪くない。恐らく、語り部が話している物語だから。困難なところ、長くなにもないところは、飛ばして話している風だからだと。

  • ―この世界では人と野獣の二つを神が創ったとされている。そして稀に誤って野獣の魂を込められた人が在る。それは人の形で生まれ育つが、7歳か14歳か21歳の誕生日に、野獣に換身してしまい、二度と人に戻ることはない―シィフルの地では、その歳の誕生日は、野獣に換身するかどうかの「試しの日」とされていた。ニィマールとその兄と姉、婚約者の四人は、同じ日に試しの日を迎えた。その長い夜が明けた時、きょうだいと婚約者はみな野獣の姿に換身していた。なぜか、人間の心を残したまま―。かつて誰も足を踏み入れたことのない果ての地に行けば、彼らを人間に戻すことができると聞いた少年は、一筋の望みを胸に、試練の旅に出た。

  • また新たなシリーズが始まるのだろうか。小路幸也はシリーズものを何本も抱えながらよくパンクしないものだ。まだまだ序章。この先に何があるのか。

  • ★2015年3月21日読了『旅者の歌 始まりの地』小路幸也 著 評価B+
    東京バンドワゴンシリーズの著者、小路氏の新シリーズ。
    舞台設定は不詳、何となく上橋菜穂子さんの守り人シリーズや恒川光太郎氏のスタープレイヤーの雰囲気に非常に近いSFチックな異次元惑星的な世界の話。そうSFファンタジーという呼び方がほぼ正しいでしょうね。最初の舞台設定の説明となる導入部はちょっとリズムが悪かったけれど、主人公が旅に出るあたりからは、物語のリズムが良くなり、断然面白くなってきました。私は結構、この手のファンタジーが好きなので、小路くんの新しい挑戦は高く評価したいと思ったし、ある程度成功していると感じました。

    シイフルとは0の事。平和で豊かな土地柄で、高い山々に囲まれた隔絶の地。そこでは全ての知惠を知る話者が尊敬され大切にされていた。その土地で、小さい頃から頭脳明晰で勇気もある13歳の男の子ニィマールとその許嫁ジェイラ、そして20歳のニィマールの兄姉で双子のトウ-ル、ティアラは幸せに生活していた。

    しかし、この世界では、6,13,20歳の最後の夜、零時になる前に試しの檻と言われる中に入り、試しの日を過ごさなければならない。なぜなら、人によっては、その3回の7年ごとの夜に、人から野獣に換身してしまうことが起こりえるからだ。
    そうすると、その野獣は家族の元に帰ることはできず、山へ戻り野獣として生活しなければならないという掟が村の約束であった。

    そして、その運命の夜、何とニィマールを除く許嫁ジェイラ、ニィマールの兄姉で双子のトウ-ル、ティアラの3人が、野獣に換身してしまったのだ。それも、3人とも滅多に起こりえない身体は野獣、魂は、人という離者の状態となった。

    シイフルの話者の長、グルムは、村の言い伝えに従い、話者の素養を持つニィマールに問う 許嫁、兄姉とともに旅者として神、魂と身体の謎と真理を求めて離者の地へ旅立ち、離者となった3人に人間の身体を取り戻すか?と。
    そうして、ニィマールは旅者リョシャと名前を変え、猫となってしまった許嫁のジェイラ、馬となった兄のトウ-ル、鷹となった姉のティアラの4者で、何処にあるかも分からない離者の地を求めて、苦難の旅へ出発する。

    高い山々を越え、外地へ出るとスループ国の王、王妃だった魂を持った獅子、スイ-ルとルーラが加わり、様々な苦難、外敵を乗り越えていく。

  • 面白い世界設定。人と獣。魂と肉体。外の世界へと旅立つリョシャ、離者となった兄と姉と婚約者。何もかもお膳立てしてくれる人たちがいたり、天候にも恵まれたりで、なんだか強くてニューゲーム!ていう感じもしたが。変わってしまったことを嘆くだけではなく、楽しんでもいる。また他の種族からの思いや、シフィルの地を変えてしまうかもしれないという重荷も背負っている。まだ始まったばかり。これからどうなるのか、どう結末を迎えるのか、楽しみ。にしても話者の記憶力羨ましい。ほんと最初からレベル最強じゃないか。

  • 馬・鷹・猫になってしまった兄・姉・幼馴染の婚約者とともに人間に戻れる技のある地を求めて旅立つ主人公のリョシャ。それぞれ動物に変身しても冷静で前向きだし、今はまだ困難はあるものの危機的状況には陥っていないので、事の深刻さはそれ程感じない、丸ごと序章的な一冊でした。登場人物全員の感情の起伏があまり感じられないので、旅の途中でそこがどう書かれるか、壮大な世界観が破綻や尻つぼみにならないか、今後がきになります。

  • 小路さんが、こんな風な児童小説を書かれてるとは知らなかった。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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