アズミ・ハルコは行方不明

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 574
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344025103

作品紹介・あらすじ

地元で再会した3人組が、遊びではじめた人探し。彼女はどうして消えちゃった?大丈夫、わたしが見つけるから。『ここは退屈迎えに来て』で注目の新鋭が書き下ろす、ポップでミステリアスな無敵のガールズ小説!

感想・レビュー・書評

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  • いろいろあれなところはあるけど、こういうのをわたしも書きたいです。

  • 今時も若者はこんなに静かに暮らしてるのだろうか。
    あまりお金のない若者でのレス・ザン・ゼロだったらこうなるのだろうか。
    (レス・ザン・ゼロ観たこと無いけど)

    とても寂しく、物悲しさすら漂うくらしの若者たち。
    でもよく考えたら自分もそうだった気がする。
    四半世紀前の若者は、もっと景気良くお金をつかってはいたが
    心中はこの小説で描かれるより貧しかった気がする。
    貧しかった自分に気づけないほど貧しかった。

    この小説に登場する若者は、今の息苦しさにうすうす気付いてなおもがく。
    もがいてるつもりはなくても、居心地が良くなりはしないかと目配せくらいする。
    ただ、状況が悪く、お金もあまりない。

    昔の若者のとても馬鹿だけど金がそこそこあって、物欲に長けてるのと
    どっちが不幸だろう。

    失いかけている「何か」を感じてどうにかしようとする若者は
    辛いだろうけれど、よく見えているし、幸せに近いところにいる。

    女の子が元気で救われる。
    女の子があまりに救われないと、見てられない。

    とはいっても劇中の男連中のダメさ加減も大概だ。

    しかしこのダメさも生き抜くための最低限の強かさの発露だろう。
    もっとダメな人だと酷く引きこもるだろう。
    やりがいを求めたり、昔の恋を引きずるなんて
    まだ生の力が残っている。
    残っている力であの通りというのが切ないのだけれど、まあしかたない。

    恋愛体質の男の子は一人くらいしか居なかったようだけど
    男の恋愛体質は多くないのだろうか。
    昔は男女両方、だいたい恋愛体質だったように思っている。
    そうでなかったとしても性欲か世間体で、ほぼ同じ動きをしていた印象だ。

    今の子は、自分も他人も今もそれなりに見えてしまってるんだろうね。

    そこはかとない諦観の物語。

    このままでは終わりたくない。
    終わりたくない物語。

    昔とは様変わりした茫漠とした未来が
    昔よりも、夜は冷たく昼は灼熱の、茫漠たる日々が押し寄せる。

    終わらないロストジェネレーション。
    踵を返すきっかけはまだ見つからない。

  • 山内マリコさんの田舎の描写表現がすごくリアル。おばさんだらけのアフタヌーンティー ティールームなんてほんとにあるあるで。
    映画を観た後に読んだから、役者たちが頭にポンポン浮かんで、映画だけでは理解しきれなかった部分が繋がってすっきりした。面白い!

  • ★突き抜ける女性の解放感★題名に惹かれて読み進めて既視感があるなと思ったら「ここは退屈迎えに来て」の著者だったのか。地方都市の鬱屈を書かせたらピカイチだけど、主人公が入れ替わる章立てといい、クスリと笑わせる小ネタといい、あまり変わらないかなと思っていた。
     ただ、最後が素晴らしい。元トップキャバ嬢も冴えないOLも自分のないショップ店員も、男からも地域からも解き放たれて美しい。さらに匿名の女子高生ギャングの集団の強さがいい。面白く爽快に終わった。
     調べたら蒼井優主演で映画にもなっていたんだ。なかなかの人選だが、映画であまりヒットしそうな気がしない。どうだったんだろう。むしろテレビドラマ向きでは。女子高生は顔が見えない集団として描いてほしい。

  • 女性の赤裸々な感情が滲み出ている作品。

  • 文学

  • 地元という小さな場所に閉じ込められたような閉鎖感、大切にされていないとわかっているのにすがってしまうクズ男。
    とても共感できて苦しいはずなのになんだか可愛いと思ってしまう一冊。
    女子高生の疾走感溢れる描写が好き。

  • 初読

    煙となって消えたアズミ・ハルコ、
    OLとして働く安曇春子。

    学とユキオと愛菜、
    蘇我氏と春子。
    男の子達の嫌になっちゃうようなあの感じ。

    そこに少女ギャング団。
    風穴を開けられる気がするファンタジー。

  • 田舎の膿んだ若者にスポットライトを当てた作品。映画化された作品。
    作者の山内さんは、主演女優が蒼井優さんと分かった時点で「完璧!」と言われたとのことです。
    どんな物語なのか興味を持ち手に取りましたが、終始蒼井さんの顔が脳裏にちらつく。(顔をステンシルで街中にペイントして回るというストーリー上、余計に!)

    わたしは世代的にもしっくり来すぎ、無敵の女子高生達にも共感。
    自意識過剰でむやみに攻撃的だったり、依存したり男が全てだったり、存在意義を見失ったり…
    いちいち共感してしまう部分が多かった。ハイテンションなラストは少々呆気に取られましたが男達を蹴散らしていく彼女等の姿が爽快!
    女性へのエールを感じる一冊でした。

  • 僕らの七日間戦争みたいなオブラートで、
    内容は主人公の視点が変わっていく感じの円で終わる感じ

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著者プロフィール

山内 マリコ(やまうち まりこ)
1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業後、京都でのライター生活を経て上京。
2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年8月連作短編集『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。同作は2016年映画化された。ほか映画化された作品に『アズミ・ハルコは行方不明』。ほか、著作に『メガネと放蕩娘』『選んだ孤独はよい孤独』など。

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