猫が背筋を伸ばすとき

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著者 : 杉作
  • 幻冬舎 (2014年1月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (147ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344025110

猫が背筋を伸ばすときの感想・レビュー・書評

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  • ほのか はこの春、小学一年生になる女の子。
    お母さんのおじさん「権じい」の営む居酒屋さんの側の古いアパートに、お母さんと二人で引っ越してきた。
    知る人のいない町、お母さんと二人だけの暮らし、働きに出るお母さん、カオの怖い権じい。
    馴染めない新しい生活に淋しくて泣いてばかりの ほのか が、一番最初に気を引かれたのがその町のボス猫。珍しい三毛のオス猫で、その雰囲気とチョビ髭から「ノブナガ」と呼ばれている。

    とまで聞くと、
    「ああ、その後は少女と猫が仲良くなって、少女の淋しい心が癒されていくのね」
    って思うでしょう?
    半分アタリで半分ハズレなんです。

    ノブナガはそう気安く近寄らせてはくれません。
    威厳とプライドが大事なボス猫ですからね。
    野良猫仲間、特にみそっかすのちび三毛には優しいけれど、人間には媚びません。

    でもそのノブナガの、まさに猫そのものの距離感がすごくいいんです。
    ノブナガの物言わぬ優しさ(もちろん猫は人語は話さないけれど)が、すごくいいんです。
    初めて ほのか にノブナガが触れたところでは、思わず「くぅっ」と声が。

    癒される、というのも少し違うように思うのです。
    ノブナガは毎日、町のそこここにいて、ほのか の毎日は「心細くて寂しかった毎日」から、「いつもの毎日」になり、ノブナガと腰掛けるベンチが一番好きな場所になっていく。
    そこにあるのは「癒し」ではなく「日常」なのです。

    町に現れた冬の日と同じような雪の中、旅立ったノブナガ。
    ほのか が落ち着くのを見計らったように……いえ、きっと猫らしく、気の向くまま本能の赴くまま、旅に出たのでしょう。
    だから気が向いたら、またこの町に帰ってきてくれるかもしれません。

    季節は一巡り。
    春の日差しの下、ほのか とちび三毛は、いつもの毎日の中ノブナガを待ち続ける。きっと、明日もあさっても。
    わたしも同じベンチに腰掛けて、ノブナガの帰りを待ちたいと思います。


    やわらかい色使いも優しく、素敵な本でした。
    ほんわか空気に包まれたまま書いたので、いつになく「です・ます」調になってしまいました。
    レビューとしては慣れない口調で、文字なのに舌をかみそうです(笑)

  •  献本でいただいた一冊、ほんわかした絵柄がなんとも魅力的な“猫”の漫画となります。一匹の猫と一人の少女の、一年間の交流の軌跡なんてい言うと大げさですが、共にあらわされる四季の移り変わりも美しく、日本っていいなぁ、とも。

     ちなみに、小学2年の息子も「これ、僕にも読めるかな?」と手に取っていました。普段はドラえもんやポケモンに夢中な息子ですが、なんとも熱心に読んでいて「絵が可愛いね」と気に入ったようです。

     主人公は「ノブナガ」とよばれる三毛猫のオス、そのノブナガがボスをつとめる町内に、もう一人の主人公「ほのか」が訪れるところから物語が始まります。

     この「ほのか」、両親が離婚し、母親とともに居酒屋を営むこわもてな大伯父さんの近くに身を寄せることになったのですが、シングルマザーとなった母親は仕事に忙しくすれ違いの日々。そんな寂しさの隙間を埋めてくれたのが、大伯父さん「権じい」と「ノブナガ」でした。

     といってもノブナガは、ほのかを見守ってはいますが、決して媚びるわけでも慣れ合うわけでもなく、そうそう簡単には触らせても、近寄らせてもくれません。権じいも生来の不器用さからか、いまいち馴染めずにいます。

     そんな中、ノブナガの凛とした立ち振る舞い勇気づけられるかのように、小学校に入学し、次第に人見知りもなおり、友人もでき、、そんな風に一歩一歩、自分の世界を広げていく、ほのか。季節の移ろいと共に少しづつ距離を縮めていく一匹と一人と、一人。そんな様子が微笑ましく、ただ愛おしいと感じます。

     1話は大体2Pほど、そんな何気ない日常の積み重ねが優しく描かれていて、息子が小学校に入ったころを思い出しながら、ほっこりと読めました。うちも共働きですので、普通の小学生よりは淋しい思いをさせてしまっているなぁ、、との感謝と共に。

     やはり、猫飼いたいなぁと思いながら、優しい気持ちでページをめくった、そんな一冊です。

  • フィクションなので、
    作者の思い入れは
    弱いように感じた。
    女の子が可愛かった。

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