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本 ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784344025707
感想・レビュー・書評
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京都で、祖父母から譲り受けた和食器屋を営む三十路の紫。恋からも遠のいているこのところ、とあるパーティーで草木染め職人の湊光山と出会う。50代、マイペースな芸術家は、相当な人たらし。いつの間にか彼のペースにはまってしまい、どんどん惹かれていく。
同じく京都と恋を描いた「左京区七夕通東入ル」は、ちょっと入り込めなかったので、今回も読み始めはページがどうも進まなかった。でも、自意識こじらせ気味の紫の不器用さに何となく共感できたのと、京都の街並み、紫のアンティーク風な和食器屋やなじみの飲み屋さん(お料理おいしそう!)、草木染めの仕事などディティールがしっかり描かれており、色彩豊かでイメージがしやすかった。特に草木染めの奥深さ!読んでいてワクワクしました。
グイグイ系…かと思うと放置したり…な、つかみどころのない光山に惹かれる気持ちを素直に認められず戸惑う紫、気持ちは行きつ戻りつじれったい。そんな彼女に片思いしている、日本びいきなアメリカ人のブライアン。光山の工房を手伝う、いわくありげな美女の藤代。いつの間にかなりゆきでこの4人でお出かけする機会が増えて、それなりに楽しそうではあるけれど…テレビドラマみたいな相関図で表したなら、複雑でめんどくさい関係になりそうな(笑)いびつな四角形のこの関係がちょっと面白い。
この光山、けっこうなクセモノで…複数のガールフレンドがいるというのだ。う~ん、悪気なく好きなものを好きというまっすぐさ、たち悪いわ。好青年のブライアンにしとけよ紫!と思ってしまうけど…わかっていてもどうしようもないのでしょうね。そして、徐々に語られる光山と藤代の過去。ここだけに焦点を当てたのなら、全く違う恋物語になってしまいそう。かつての二人について、読み終えてあれこれと思いを巡らせてしまった。
映像化してもらいたいな、と思いました。ミニシアター系で観てみたい。光山のキャラはどうにも好きにはなれなかったかけど、色気のある俳優さんに演じてもらったら、ちょっと印象変わるかも…?
連載時のタイトルの「浮雲ピクニック」の方がかわいらしくていいんじゃないかと初めは思ったけど、読了後、「いろは匂へど」というタイトルの意味を深く深くかみしめております。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30代中頃の女性のキャリアとして描かれる京都の食器の深さ、そして出会う染色家の男性を巡る物語。京都の地名が出てきて歴史というか湿気を感じる。語られる会話のえせ京都弁。それが読みやすい。作者の得意のジャンルの気がする。しかし、登場人物が大学生だった頃(左京区七夕通東入ル)のハッピーさが影を潜め、少し訳のある人物が描かれている。日本人と同化している外国人のキャラが少し分からなかった。そんなに軽い外人なんかいなあ。
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京都の食器屋さんと、染色家の関わり。
綺麗な映像が浮かぶけど、染色家の光山のどっちともつかない感じは苦手で、最後までそれは変わらなかった。ブライアンみたいなわかりやすい人が私はいいなと思った。 -
読み終わって、結局何だったの!?って感じだった
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ふわふわもやもや。芯がないのに漂うのは心地悪い。
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紫が営むお店のことも、紫の恋についても、すべて中途半端な感じがして楽しめなかった。光山さんは何でこんなにモテるの・・・?
著者プロフィール
瀧羽麻子の作品





