つらいことから書いてみようか名コラムニストが小学校5年生に語った文章の心得

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344025967

作品紹介・あらすじ

「魔法の授業」と呼ばれた90分を完全収録。

感想・レビュー・書評

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  • 自分を見失ってしまったとき、開きたい本。

    どんな風につらかったのか。
    その“場面”を描写することで、自分はどんなことにつらいと感じるのかわかる、伝わる。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    コラムニスト・近藤勝重さんが、小学生に行った「文章教室」の授業をもとに書かれた1冊。
    実際の授業で子どもたちに語られた内容だけでなく、著者がどんなことを意図して、伝えたくて行ったのかもわかるため、「なぜつらいことから書いてみようか」と声をかけているのかがよくわかります。

    この本を“文章を書く技術を教えてくれる本”として読むと、物足りないと思います。
    むしろこの本は、人生に悩んだとき、自分の存在がよくわからなくなった時に開いて読んでほしい本です。

    「どんなテレビのドラマや映画を見ても、どんな風景を見ても、A君とB君の思うことや感じ方は違います。(中略)

    そうすると、自分のしたことを書けば、たとて友だちと一緒でも自分にしか書けないことが書けるわけです。つまり、体験に基づけば誰にも書けないことが書けるってことになる。」(38ベージ)

    「つらかった」「しんどかった」で終わるのではなく、「自分のしたこと」を書くことはとても大事です。
    なぜなら、つらかったその場面を具体的に書くことで、「自分がどんなことをつらいと感じたのか」が自覚できるからです。

    それは、自分の心がどんなことにどう反応するのかを知ることでもあり、“自分”を自分で知ることになるからです。
    そして、他人と自分のつらいと思うできごとやポイントが違うことをも知り、自分と他人は違う人間だということにも気づけるのです。

    話した言葉は泡になってすぐ消えてしまっても、書いた言葉は残ります。
    思い出して文字に書き起こすことで、自分の思いも客観的に見ることができます。
    書いた文章を読むと「わたしってこんなこと考えてたんだ…」と自分で自分にびっくりするでしょう。

    わたしもブクログの感想やInstagram、日記で文章を書くようになってから、「あ、わたしってこんなこと考えてたんだ」「このときわたし、嬉しかったんだ(悲しかった又は寂しかったんだ)」などを自覚できるようになりました。
    それは自分の中にいた今までみえなかった自分がスルッと出てきたみたいで、とても新鮮な経験でした。

    しかしながら、なんということでしょう…
    こんなにもしんどかった時に支えになってくれる「つらかったことから書いてみようか」なのに、絶版になってしまいました…(2020/12/12現在)
    図書館で見かけた方は、本当にラッキーです。もはや運命です。
    新刊書店、古本屋さんで見つけてしまった方は、更にラッキー!
    手にとってレジに向かうしかありません。

    つらいとき、しんどいとき、そんなあなたに寄りそってくれる1冊、開いてみませんか。

  • 人は何か書こうとする時、考えたことや思ったことの内容を確認するものです。
    ペンで手紙を書く時、直前でペンが止まってしまうのもそのせいでしょう。
    書く覚悟のようなものが、その瞬間につかくられるんですね。
    書くという作業には、手と一緒に頭と心が動き、考え考え進んでいく同時作業の実感が伴います。その際、頭は物事を筋道立てて理解することに、
    一方、心は頭での理解をそのまま受け入れられるかどうか判断することに働いています。
    人は書くことでやさしさをはぐくみ、ネガティブな感情を抑制していると言えるのかもしれません。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/63403

  • 書くことで自分と向き合う。

    小学生向けの特別授業を書籍化したものです。単純な文章術ではなく、書くことの大切さを説いています。

    五感を通じて自身が感じたことはどんなことでも他人とは違う唯一のものであり、そこに自分というものが存在します。偽らず飾らずに正直に書くことが大事です。

    つらいことも、悲しいことも、書くことで自然と冷静になることができ、自分と向き合うことができます。文章がすべてを受入れてくれます。励ましてくれます。

    まだ素直で純粋な小学生のお子様にすすめてみるのもよいかもしれません。



  • 2017.4.26

  • 推薦される作家がすべてすべて男性作家ばかりなんですけど?
    これ2014年6月発行だよ?笑
    すげえよ。この時代にこの感覚。ほんとすげえ!

  • 五感に関係させて感想を聞き出すというのは、ぜひ実践したい。

  • 五感で感じたことを書く、◯◯はえらい、村上春樹の意味不明な比喩などなど、子供向きの講義ベースでとてもわかりやすかった
    上の子には一応読ませたが自分で学んで教えていったほうがよかったかも
    子供たちが作文で困っていたらまた読もう

  • 子供たちの作文集が、面白かった。

    書き方も抗議形式なので、読みやすい。
    読書から離れてたので、リハビリになります。

    あと、文を書く側からしても、書いた文を見る親としても参考になった。

    容易すぎるのが難点。

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著者プロフィール

近藤勝重(こんどうかつしげ)毎日新聞客員編集委員。早稲田大学政治経済学部卒業後の一九六九年、毎日新聞社に入社。論説委員、『サンデー毎日』編集長、夕刊編集長、専門編集委員などを歴任。『毎日新聞』(大阪)の人気企画「近藤流健康川柳」や『サンデー毎日』の「ラブYOU川柳」の選者を務め、選評コラムを書いている。一〇万部突破のベストセラー『書くことが思いつかない人のための文章教室』、『必ず書ける「3つが基本」の文章術』(ともに幻冬舎新書)など著書多数。直木賞作家・桜木紫乃氏に「日本語の師匠」と呼ばれている。長年MBS、TBSラジオの情報番組に出演する一方、早稲田大学大学院政治学研究科のジャーナリズムコースで「文章表現」を担当し、故・高倉健氏も聴講した。MBSラジオ「しあわせの五・七・五」にレギュラー出演中。

「2023年 『60歳からの文章入門 書くことで人生は変えられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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