雨の狩人

  • 幻冬舎 (2014年7月24日発売)
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本 ・本 (604ページ) / ISBN・EAN: 9784344026131

感想・レビュー・書評

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  • 暴対法の締め付けでどんどん地下に潜伏して根を張り、地上ではカタギとして暮らす。マトモな(と思っている)生活を送る私も、知らぬ間に彼らから恩恵を受けているかもしれないし、闇バイトなどに巻き込まれるかもしれない。
    リアルな世相を舞台に、アジア圏の存在感は健在のままで、今作は国内パートに戻ってきた感がありました。天秤がふらふらと揺れ続ける地面師のような緊張感もシビれました。
    ハードボイルドに欠かせない男女の要素も、今回はとても複雑でドラマ性を感じられました。

    主人公刑事のような鋼のメンタルとバランス感覚を、もういい歳の私は一生得られないんだろうなと卑屈に思う今日この頃。

    ここまでシリーズを進めてきて、もしや狩人とはこの佐江さんのことでは??なんてようやく気づきました。

  • ミツとモモコのシーンが好きだった。前作前前作とつながっているのかな?と想像しながらよんだ。佐江さんにあってみたい。死にかけすぎ。

  • 一個人(仏像特集)で紹介のあった本。
    初めての大沢作品。途中から話に引き込まれた。

  • 極道が地下に潜り、それが増殖しいつか何かのきっかけで表に現れ我々に被害をもたらすことがあるのだろうか?そんな事が考えられるなら谷神のように考え実行する事は全否定されるものなのか?国家、国民を本気で守ろうと考えて任務を全うしようとすればするほど警察というのは大変な仕事だとつくづく思う。
    事件が終わりプラムには明るい兆しが見えて良かった。ヒットマンにも親としての感情があった。血の繋がりは何ものにも屈しない。

  • *「刑事を辞めるか、人間を辞めるか」
    新宿署の一匹狼刑事・佐江は法を捨て、日本最大の暴力団最高幹部・延井は、面子を捨てた。
    やがて数奇な運命の少女と刑事の孤独な魂は、重なりながら、濁流の渦へと飲み込まれてゆく――。
    誰も体感したことのない緊張と感傷、そして狂熱。日本現代ミステリの極致! *
    シリーズとは知らず読みましたが、佐江の人物像がしっかりしていたので、他の作品が未読でも十分楽しめました。が、前振りが少々長く、登場人物の多さと関係性には途中めげそうでした・・・今ひとつプラムに共感できなかったせいもあり、怒涛の後半も乗りきれず。とは言え、構成も展開もさすがでした。他作品も読んでみたいです。

  • 狩人シリーズもさすがにこれでおしまいかな、と思わせつつまだ続く気もする。暴排条例により数値上は減ったと思われた暴力団は地下に潜り極道とは分かりづらく変質。そんな現状に危機感を覚えた警官のとった行動とは。警察への緻密な取材を重ねてきた筆者ならではの洞察には説得力がある。最後になって延井が自らの人生を賭けた「Kプロジェクト」を意外とあっさり捨ててしまったな、という印象。そんなラストは少々まくり過ぎた感。警察が事件を隠蔽したにせよ、すでにカタギになった人間まで犠牲が出たのだからもっと混乱が生じたのでは!?それを差し引いても、パワー溢れる大沢文学には違いない。また佐江に会えることを期待しつつ。

  • 大沢先生のハードボイルドでした

  •  さて、この “狩人シリーズ” の第4作目、ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、中心となっているエピソードは月並みでしたし、ストーリー展開のスピード感も今ひとつ。登場人物たちの “社会観” の対比がモチーフのようで、いままでの作品とはちょっと違ったテイストでしたね。

  • 登場人物が、敵も味方もまあーようしゃべる! 相手を殺す直前もベラベラベラベラしゃべりまくり、意味がわからない。そして主人公は撃たれても革靴のカカトだけ、女殺し屋は服の肩パットが吹き飛ぶだけで、レスリー・ニールセンの映画かと思ったわ。まあ最後にはゴニョゴニョ……

  • 佐江刑事、イイネ
    大沢氏の作品の新宿鮫に匹敵するキャラだ
    近年の暴対法の下、暴力団も巧妙に姿を隠す
    権力と結びつき存続を図ろうとする
    法の執行者として信念を持ち刑事に徹する主人公は
    読者をひきつけてやまない
    もっと読みたい作品だ

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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