明日の子供たち

著者 :
  • 幻冬舎
4.09
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本棚登録 : 5192
レビュー : 692
  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026148

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに本を読んで泣いちゃったな。
    「昨日を悔やむ」で、まさかの自衛隊での再会シーンは猪股先生に感情移入。本当に良かった。
    施設の先生方も凄く個性的で皆さん素敵な方たち。
    施設を退所しても、「日だまり」のような場所が彼らには必要なんだという事も知る事が出来たし、
    本当にためになる本でした。

    施設長の言葉にも感謝だわ。
    本を読み続ける意味を見つけ出せました。

  • 児童養護施設を舞台にした物語。
    考えさせられること、新しく知ることが多かった。
    自分たちの状況を見極め、一歩踏み出そうとする子どもたち。
    それに答えようとする、職員たち。
    胸が熱くなり、何度も涙。
    読後感もさわやか。
    「かわいそう」を安易に使うべきでないのは、同感。

  • 三田村慎平・やる気は人一倍の新任職員。和泉和恵・愛想はないが涙もろい3年目。猪俣吉行・理論派の熱血ベテラン。谷村奏子・聞き分けのよい“問題のない子供”16歳。平田久志・大人より大人びている17歳。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!児童養護施設を舞台に繰り広げられるドラマティック長篇。
    「BOOKデータベース」より

    「かわいそうだと思われたくない」というのは、そうだろうな、と思う.三田村先生のようだけど、自分だったら、やっぱりそう思ってほしくないと思うだろうな.
    この話を読んで思い出したこと.
    海外で支援活動をしていたことがあるけれど、同じような話がある.海外の子どもたちは3食満足に食べられなくてかわいそう、学校にも行けなくてかわいそう.まぁ、できないことが多くて、足りないものが多いので、そうなんだけど…なんでもかわいそう、とくくるのも違う気がするなぁと思っている.実際に関わってみると、足りないからかわいそうかと言われると、そうじゃないことが多い.
    なんでも思い込みで何かを決めつけるのは、自分がその立場だったらイヤだから、世の中はいろんな立場の人がいる、いろんな境遇の人がいる、と登場人物たちが悟っていくのは、すごく共感がもてる.
    子どもたちは、明日の大人たち.日本でも海外でも同じだな.

  • 有川浩さんの作品で、児童施設という題材にも興味があり、前々から読んでみたいと思っていた本。しかし、題材的にヘビーかなと思い、なかなか手をつけられずにいたのを、ついに読んだというところです。
    子供たちもそれぞれの考えがあり、向き合う指導員もそれぞれの経験則やポリシーで向き合っていく。
    現実にある問題を取り上げていると思うが、そこにうまく結果を入れていることで、ホッとしながら読みことができる。文中の「楽しく読んだものは、全部自分の糧になる」「どの本も誰かを救う可能性がある」という言葉に本の力も感じたし、この本でもそれぞれの人の気持ちに感情移入し、「心が耕された」感じがした。
    そして、最後の協力の欄を見て、ちょっと泣きそうになった。

  • 4.5
    有川浩さんの作品を殆ど読んでいますが、手に取ったのは最後の方でした。
    子供達が主役の話に興味が持てなかったからですが、いざ読んでみると、相変わらずの有川節で読みやすく引き込まれていきました。
    心理的な機微や描写が好きな人ならきっと楽しく読めると思います。

  • 私は「親」という存在を絶対視したり祀り上げたりする気持ちがないので、親と離れて施設で暮らしている子どもをひとくくりで「かわいそう」とは思わない。「親」をやる能力のない人に従属させられるよりは施設で暮らせる方が安全という場合だってある。
    でも、世間的には、親の存在は絶対で、「親と暮らせない」というだけで「かわいそう」と同情されてしまう。
    「かわいそう」ってすごく傲慢な感情だ。
    テレビドラマでセンセーショナルに扱われたこともあって、最近ようやく少し関心を持つ人も増えてきたようだが、まだまだ知られていないことの多い児童養護施設を舞台にした物語。
    主人公は有川作品らしい一直線な男の子で、彼がぶつかるさまざまな出来事がそのまま、世間に対する啓蒙になっている。
    副施設長の梨田さんの考え方は世間を代表している。だから時に苛立たしく思えるし、腹も立つ。携帯電話の一件や、多目的施設との交流に関しても、「ああ、こうやって都合よく管理したいんだな」と思わされる。こんなふうに考える人はたくさんいるのだ。

    それにしてもやりきれない話である。15才や18才で自力で人生を生き抜け、と放り出されてしまう子どもたち。それが行政の限界だとしても、あまりにも無力だ。
    「そんな底辺はほっておけ」と思われているのだろうが、彼らだってそのうち大人になる。大人になるということは社会を構成する一員になるのだ。そんな大切な存在なのに、親がいないとか、法律がそうなっているから、というだけで放り出されてしまう。
    「こどもフェスティバル」の場面では、有川さんの静かな怒りを感じた。このままでいいのか。こんなふうで本当にいいのか。そう訴えかけてくる。
    かわいそうがって、そのくせ差別して、見ないふりをし続けていて本当にいいのか。
    児童養護施設だけの問題ではないのかもしれない。
    すべての子どもは、明日の大人だ。
    大切にするということを「甘やかすこと」と混同してはいけないと思う。

  • 待望の有川浩新刊!図書館で予約してやっと借りることができました。
    児童養護施設のドキュメンタリーを見て、会社を辞め、職員になることを決めた三田村慎平。彼を指導する立場にある3年目の和泉和恵。陰気な感じで冷静で理論的だけど、実は熱いところもあるベテランの猪俣吉行。問題のないと言われる奏子と久志。
    それぞれの視点で描かれた作品。

    和泉と渡会のお話、アッコと猪俣のお話、感動しました。アッコが無事で本当に良かったです。

    児童養護施設が舞台と聞いて、あぁ重そうだな…と思いましたが、読み始めてみると、有川浩さんらしい文章でスラスラと読むことができました。
    大切に描かれているのは、児童養護施設に入る前ではなく、児童養護施設「あしたの家」に入っている子供たちが、どう生きるか、どう成長していくのか…を描かれていました。過去の入るきっかけとかは、過去のエピソードとして取り入れられていましたが、つらい描写は少なかったです。
    私の周りには、施設育ちの子がいないので、あまりよく知りませんでしたが、よくドラマなどの映像化の舞台として取り上げられやすいですよね。施設育ちっていうと、三田村先生のように、やっぱり「かわいそう」というイメージが強くなってしまう自分がいたので、三田村先生と一緒に進んでいく感じがしました。施設に入る理由は、一人一人様々で、必ずしも親が亡くなったからとかではない。親が育てられないからという理由もあるということを改めて再認識させられました。
    奏子のように、施設に入ったことで普通の生活を送れるようになった子供も沢山いる。
    施設育ちだから、かわいそうな訳じゃない。ただ、不便なことはもちろんあり、独り立ちした時に頼れる大人がいない。普通の家庭なら、親に聞けることでも、聞くことができない環境にある。
    私も三田村先生のように思っていたので、とても勉強になりました。
    また、施設長の言葉、いいです。
    ご本を読むのは素敵なことよ。みんな自分の人生は一回だけなのに、本を読んだら、本の中にいる人の人生もたくさん見せてもらえるでしょ。先生たちだけじゃなくて、本の中の人もヒサちゃんにいろんなことを教えてくれるのよ。
    踏み外しそうなときに、本で読んだ言葉が助けてくれたりとか…
    私も本はとても大切なものだと思っています。小学生時代、つらいことがあっても本を読んだらすごく明るい気持ちになれました。今でも本をたくさん読む習慣はなくならず、本が大好きです。

    どこまでが実話なのか、わからないし、有川浩さんのあとがきもなかったのが少し残念でした。でも、有川浩さんが、すごく取材をして、心から言いたいことを綴った物語だということはよくわかりました。
    とても心に響いた物語でした。もっといろんな人達に読んでもらいたいです。

  • 久しぶりの有川浩さん。
    やっぱり好きだな。
    本屋で文庫化されているのを 見つけて
    そういえば単行本買ってあったんだ と思い出して
    三日間くらいで 一気読み。
    一年以上 放置してあった気がした(-_-;)

    児童養護施設への偏見とか
    物事の考え方、取り組み方の違いとか
    それをぶつけて話し合って...。
    やっぱり人って そんなふうにして 分かり合ってくのかな?

    私は、そんなことが 最も苦手なのだが...(-_-;)

  • 子どものことを書いた本は、必ず、子どもに困難が訪れるので
    実は、ちょっと避けていたのだけれど、
    せっかく長く待って、図書館から届いたので
    手にとってみた。

    有川さんの話の中には【いい大人】が必ず登場するけれど
    今回は、それぞれの立場できちんと子供たちのことを考える
    【いい大人】がいっぱいだった。
    ちょっと【いい大人】だらけだったような気もするけれど、
    親がダメダメだから、それでバランスとれてるのかな。

    児童養護施設について書いてほしいという
    高校生の願いを叶えた有川さんが一番いい人か・・・・

    有川さんは広報の才能がとってもあると思うから
    手紙をかいた高校生は見る目があるねぇ。

    子ども達は大切に社会で育てないとね。
    彼らはみんな「明日の大人たち」

  • 感動した
    やぁ~
    出来すぎた話しだけど
    こうきたかって
    (ノ_・、)グスン
    としてしまった。

    ドラマとか観たことなかったけど
    この本から児童養護施設って
    どんな物なのかを知る事ができたよ。

    この本を読んで改めて本を読むという事が
    素敵な事だなと感じました。

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著者プロフィール

有川浩(ありかわ・ひろ)
高知県生まれ。二〇〇四年『塩の街』で電撃小説大賞大賞を受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊三部作」、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』など著書多数。

「2017年 『ニャンニャンにゃんそろじー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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