- Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344026209
作品紹介・あらすじ
『百年法』を超えるスリルと興奮! ! 未知との出会いが読む者の本性を炙り出す、胸打つ大巨編ミステリー
25年前、アメリカ合衆国のミネアポリスに住む13歳の少年の体内に〈未知の臓器〉が見つかった。以後、同様の臓器をもつ子供たちの存在が、世界各地で確認される。
いつしか彼らは、羨望と畏れを込めて「ギフテッド」と呼ばれるようになった。
それから時が経ち、ギフテッドは新たな局面を迎えることとなる。
ギフテットとは何なのか? そして、彼らを待ち受けていたのは……。
理解できないものに対峙する恐怖、信念が根底から揺らぐ恐怖
恐怖は伝染し、拡大し、やがて、暴走し始める――。
進化なのか、異物なのか?
全人類の存在意義を揺るがす、禁断と衝撃と感動のスペクタクル大長編
感想・レビュー・書評
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未知の臓器を持った人間が発見されギフテッドと名付けられる。覚醒するとサイキネスやテレポーションの能力を持つようになる。異能を持つ人間たちの苦悩やそれを排除しようとする社会の動きが詳細に描かれる。ギフテッドの達川颯斗と非ギフテッドの颯斗の同級生佐藤あずさの2人の目を通して語られるのだが、臨場感と緊迫感に溢れている。新しい人類の進化系なのか。比喩として、いろいろなことを考えさせられる小説だ。最後は希望を残して終わるのだが、いやまだ終わってはいないと思わざるを得ない。
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100年法以来の山田宗樹の作品を読みました
ギフテッドと認知されてしまった人々とそれ以外の人々
分かり合える時が来るのか?
最後はファンタジーでした -
百年法では 不老技術の一般化した社会に 政治の愚かさを投影した山田氏。
ギフテッドで登場するのは、新しい臓器と能力を備えた進化系人間。
突然変異型が主役の X-MEN とテーマが似ているものの、進化であるがゆえに徐々に進化系人間が増えていき一般化していくところに、民族問題が浮き彫りになる。
ヘイトスピーチが増殖し、あろうことか政権トップまでもその流れに嬉々とする2014年。国民不在にして政治ゲームでしかない総選挙を目前にした時期でもあって、差別と対立の不毛な結末を想像できない人間のおぞましさをなまなましく感じさせられる。
ただ、どこかファンタジックな文体と、破壊に徹しない筋立ては山田氏の持ち味か。
優しいお話でした。 -
『百年法』を超えるスリルと興奮! ! 未知との出会いが読む者の本性を炙り出す、胸打つ大巨編ミステリー
25年前、アメリカ合衆国のミネアポリスに住む13歳の少年の体内に〈未知の臓器〉が見つかった。以後、同様の臓器をもつ子供たちの存在が、世界各地で確認される。
いつしか彼らは、羨望と畏れを込めて「ギフテッド」と呼ばれるようになった。
それから時が経ち、ギフテッドは新たな局面を迎えることとなる。
ギフテットとは何なのか? そして、彼らを待ち受けていたのは……。
理解できないものに対峙する恐怖、信念が根底から揺らぐ恐怖
恐怖は伝染し、拡大し、やがて、暴走し始める――。
進化なのか、異物なのか?
全人類の存在意義を揺るがす、禁断と衝撃と感動のスペクタクル大長編
・レビュー
幻冬舎plus×ブクログ共同キャンペーンによるバウンドプルーフプレゼントに当選して読み始めた今作。献本企画は前にも貫井徳郎の『北天の馬たち』が当たったことが会ったから二回目。
なかなか面白いSFだった。簡単に説明するとギフテッドと呼ばれる、通常の人体には存在しない未知の臓器を生まれながらにして保有している子どもたちの物語。
新人類とも呼べるギフテッドは年々増えていき、社会も段々とそれに対して変化していく。良い方にも悪い方にも世論は簡単に傾いていき、段々と未知の力を持つ者とそうでない者に軋轢が生じていく。
古いテーマだけれど、この作品は改めてそういう点をとらえた物語だ。当然未知の臓器が何をもたらすものなのかは誰もが想像する通り超常的なものだが、それに対する恐怖や理解は世界を巻き込み、ついにある日、引き返せない大事件を引き起こす。それがトリガーとなり、世界を揺るがす事件と謎がハイテンポに続く。
終わり方は非常に苦慮したところだろうと想像できる。少々無理があったと思わずにいられないが、ああするほかなかったろうと思う。少なくともシンプルな対立構造に頼らずにできるだけリアルに実際の社会問題を取り込み複雑な「もしも」の世界を作り上げたことは素晴らしいところだと思う。
一気読みをテーマにしたようで非常に読みやすい。面白いので最後まで減速せず読めるだろう。それだけにラストの難しさは急ブレーキの感があるが、ストンと落とされてもそれはそれで納得行かないだろうと思うのであれでいいのかもしれない。
強いて望むならば後日談をもう少し未来を匂わせる内容にしても良かったのではないだろうか。
感覚的には、貴志祐介の『新世界より』の1000年前を読んでいるようで面白かった。 -
2016年1月14日読了。スラスラ読めておもしろかったですが、あまり心に残らなかった。ただ、本当にこんなことが現実に起きたら怖いけど絶対に起きないとは言いきれないリアリティがあった。ラストは…ちょっと消化不良に思えました。
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未知の臓器を持つ子供たちの出現がやがて世界を危機に陥れる。超能力や進化といったテーマは目新しくはないけれど、文章は読みやすく、一気に読ませる面白さも持っている。異質な者に対する嫌悪や排除、そして排除される側の葛藤(融和か対立か)がよく描かれている。が、最後はやや尻すぼみか。人類の進化には相応の理由があると思うのだけれど、ギフテッドが誕生した理由も、なぜあのような能力を獲得したのかもよく分からないままだった。
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「百年法」が好きなのに山田宗樹さんの他の作品を読んでいなかったなと今更ながらに気づき、読み始めた1作目。
山田ワールドにのめり込み、難なく読了。
ただ読後感がイマイチ物足りない。トントン拍子にまとまり過ぎているように思えるからか?
次回は何を読もうかな。 -
フィクションがリアルだったら
を突き詰めて作った物語。
ここまでリアル感に書き込める
または突き詰める事ができるか
が小説家になれるかなれないか
の分岐点なんだと思いました。
ロマンとリアルのバランス感
魅了されて読み終わりました。 -
X-MENを思わせるようなギフテッドだった。何か違うもの、どこか違うものは徹底的に排除、人間ってこうゆう傾向強いですよね。仲間外れもその一種。だからみんな同じであること、それが普通であることって思ってしまう。ちょっと前に読んだ、ジェノサイドもこんな感じだった。非現実的な話のように思えるけど、実はもう人類の進化がすすんでて、宇宙人とも接触しててその研究もあってて・・・X-Fileとかのドラマを見すぎかも(^-^;でもあっててもおかしくはないよね。
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きっと私は持たざる者の立場なんだろうけど、こういうのを見ると迫害される側を応援してしまうのです。
その点ではこのラストはなかなかもやりとするものがあるのですが、それでもこれで良かったと思いました。
越えてはいけない一線を越えなくて良かった。
ドキドキして一気読みしました。
地球へ…みたいなイメージ。 -
面白かった、けど、なんだろうなぁ、締めが物足りない。だって、一人を隔離するだけで何とかなる問題なのか?それに結局全人類のギフテッド化を目指すとか、ちょっと安易。殺人事件が増えることだろうなぁ・・・。落としどころをもう少しひねってほしかった。
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中二ネタを、はるか高みまで昇華させたとでも言いましょうか。
ラスト近くなると、急ぎすぎってか端折ったカンジになって、説明不足なのがちっと残念だった。
でも面白かったです。一気に読んじゃった。
オチに夢があっていいね! -
人間社会に異分子が存在したらどうなる?異分子とは宇宙人でもなければ、新種の生物でもない。それは人間の中に存在していた。しかも市井の人々と同じように普通の生活を営む罪もない人々。その人々がある種の超能力を有しているために、一般人から異分子として迫害されてしまう。異分子と一般人は共存できるのか。それともお互いを排除しあうしかないのか。テーマはありがち。でもその異分子の超能力といったら・・・。ネタバレになるので控えるが、誰もが驚くに違いない。そしてラストは・・・、それも驚くに違いない。
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緻密な伏線も、大どんでん返しもないけれど、最後までスピード感を持って読み切れた。うん、面白かった!結末は、過不足ない落としどころになんとか運んだ感じかな。気になってた百年法も読んでみたくなりました(*´ω`*)
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山田宗樹はいつもすごい。
「機能性腫瘍」と呼ばれる新たな臓器を持って生まれたギフテッド。小学校6年生になると、ギフテッドのスクリーニング検査を受けることに決まった。
ギフテッドが社会で優遇された時代から、力を恐れられ迫害、社会から排除されていく。
能力のまさっているマイノリティ。
この社会は、異質なものを受け入れていくことができないのかな。
絶望を感じた。
参考文献に驚く。
森達也さんの本が2冊。
ああ、やはりここだったのかと思う。
異質なものを、異質なまま受け入れられない、硬直した社会。
今、それが加速しているように感じる。 -
決してつまらない訳ではないが、ドハマリするほど面白くはなかった。新人類、超能力、青春群像、政治、初恋、テロ、国家の未来……様々な要素を詰め込んで書き上げられた大作ではあるだろう。だが突き抜けて秀でたものがなく中途半端。どのジャンルの作品としてみても満足な出来映えとは言い難い。世界観設定とキャラクター設定が先行している印象で、全体的に台本をなぞるだけの”浅さ”を拭い去ることができなかった。特に最後は悪い意味で「ここで終わるのぉ!?」と衝撃を受けてしまった。作者がもう筆を投げたのではないかと疑ってしまうレベル。酷評して申し訳ないが期待外れだった。
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最初、面白いと思って読んでたけど、後半にきて、?がたくさん。
ちょっとわたしには難しかったなー。
ファンタジーだね。
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面白い。
面白いんだけれども、なんだか展開がトントン拍子というか…。学生時代の仲間たちの絆が描かれているわりに、序盤の学生時代の話があっさりなような気もするし。もっと深く書き込めたのではないかなぁ、と。
アッサリすぎて、同級生少ないのに誰が誰やら…。村上くん以外印象薄いのよ。
ラストも無理やり風呂敷を畳んだ感。アレックスたちはその後どうなったの? あれだけのテロを起こして、平和になりましたチャンチャン、は拍子抜け。評価としては★3.7です(´・ω・`)
超能力を得た新人類と、能力を持たない人類との対立という話であれば、貴志祐介の『新世界より』があるので比べてしまう。貴志祐介の方がすごい。もう、本当にすごい。
『百年法』は好きだったので、少し残念です。