僕がコントや演劇のために考えていること

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 946
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026247

作品紹介・あらすじ

「自分が作ったもので、目の前の観客を楽しませたい」新しい笑い、見た事のないエンタテインメントを作り続ける小林賢太郎の、「面白くて、美しくて、不思議であるための」99の思考。

コントグループ「ラーメンズ」、K.K.P.(小林賢太郎プロデュース公演)、ソロパフォーマンス「Potsunen」などで常に新しい笑いの世界を構築し続ける小林賢太郎が初めて明かす、創作の源。アイデアは思いつくというよりたどりつくもの/1行でも自分のためになると思ったら、その本は買いだ/我慢ではなく努力、後悔ではなく反省/経験と環境にお金を使う/芸術だって経済的な成功は大事/身なりを整える/人を傷つけない笑いであること/出来ない理由を並べずに、出来る方法を考える/代案のない否定は意味がない/人のせいにしない/勉強に発想が負けてはいけない……など99の至言。

感想・レビュー・書評

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  • ラーメンズ小林さんによる、表現者・芸術家としての極意や心構え、自分はどんな風に考えて表現者として取り組んでいるかということについて書かれた、随筆のような本。

    本屋さんでさらっと見てすぐにレジに向かったのだけど、読んでみたら付箋を貼りたいページが多すぎて途中で諦めました(笑)
    私は表現を生業としてるわけではないけれど、普通に生きてる中でも参考になる言葉がたくさんあった。
    例を挙げるとすれば“何かを人にわかりやすく説明すること”だってある種の表現力を要するわけで、実際そういうことが上手く出来てる人ってそんなに多くないように思う。

    ラーメンズのライブを生で観たのは一度きりだけど、映像ではけっこう観てて、「個性的だけど奇を衒ってるわけではなくて、基本がしっかりしていて、緻密に構築されたコント」という印象が私は強かったけれど、この本を読んで腑に落ちた心地。
    きちんとした理念や基盤の上に面白いアイディアや装飾があるんだな、と。
    人と少し違ったことをする人って変人扱いされがちだけど、そういう人のことをよく見るとすごく真面目に基本的なことに取り組んでることが多い気がするし、他人とは違う部分を自覚して自分の武器として昇華出来るように努力してる人が多いと思う。

    舞台はテレビよりも劣っていて、テレビは映画よりも劣っている、みたいな訳のわからないイメージが蔓延してるけれど、表現する場に優劣なんて存在しないっていうの、確かにそうだと思わされたのでした。

  • ラーメンズがすごく面白くて
    そして小林賢太郎がめちゃくちゃ好きになって
    その反動で一時期少し苦手になって
    そして一周して、本当にすごい人だと思って
    ようやく手に取れた本。

    これも、自分に相応しい時期に読めた本だと思う。
    小林賢太郎はまさに、
    名前のない職業を持っている人だ。
    小林賢太郎にしかつくれないものを、つくっている。
    一番強いよ。

  • 必然を持って、「テクニカルかつ面白い」瞬間をつくる。

  • ラーメンズさんのコントは何本かyoutubeで見たことがありましたが、小林賢太郎さんのお人柄やお考えがよく理解できました。

    さて、本書はそんな小林賢太郎さんの作品づくりへの想いや表現者論が書かれた一冊です。私は芸術とは遠い仕事をしていますが、どこか共通するところもあると感じており、色々と学びの多い一冊となりました。

    【メモ】
    ・アイデアは思いつくというよりたどりつくもの。日常のすべてにたどりつくためのヒントが隠されている
    ・自分は何が好きなのかを知り、なぜ好きなのかまで考える
    ・経験と環境にお金を使う。取材や芸術鑑賞には出費を惜しまない。自分のアトリエは自分で設計
    ・朝6時から1時間30分に集中力を要する頭脳労働をする
    ・何かに興味を持ったら、できるだけ経験を伴うようにする。経験すれば、なにかしら自分の感情が動く
    ・30歳までは貯金せず、自己投資。30歳を過ぎてから効いてきた。
    ・40歳までは下積み
    ・自分は「芸で食ってる」と言うためにアルバイトを辞めた。これによって「憧れ」は「覚悟」に変わった
    ・エンターテインメントの役割は幸せになろうとする人の手助けをすること
    ・つくることは生きること

  • 職業: 小林賢太郎。お笑いへの思い、つくることへの情熱、あの素晴らしいコントや舞台がどのように生み出されたのかを「考えていること」を通して見せてくれるエッセイ。磨かれて選び抜かれたことばは作品と同じくらいシンプルなのに深い。読んでますます好きになった。

  • バイブル
    時折読み返したくなる

  • 面白くて、美しくて、不思議であること。

    小林賢太郎さんが大切にしていること。

  • 小林賢太郎さんの舞台は中々チケットが取れないので、自分も一回しか観れてない。
    彼の舞台を観ても、そして本書を読んで改めて感じるのは、物事の本質を見ようとしている、そして見ている。
    そして多面的に捉えようとしているんだなと思う。
    だから彼の作品にはインテリジェンスを感じるのかな。

    それにこれだけ自分の事を客観的に表現できるのは凄い。
    それに比べて自分はダークサイドが多すぎるなんて事を思ってしまったり。

  • 若くて、アーティスト志望、という人がこの頃安易に使いがちなのが「やりたいことをやる」という言い回しであることがずっと引っかかっていた。そういう人達の言う「やりたいこと」は悪い意味でのワガママとか甘えとか幼稚な部分を含んでいることが圧倒的に多いから。
    だから、「やりたいことをやる」とは具体的にどういうことか?を、言葉で説明できることを以ってきちんと使っている小林賢太郎の作品作り論仕事論として説得力がある内容だった。

  • 小林賢太郎氏の覚悟を理解するための一冊。
    「つくることは生きること」これ良いですね。まさにWork as Life。

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著者プロフィール

1973年4月17日生まれ。神奈川県横浜市出身。多摩美術大学卒。舞台、映像など、エンターテインメント作品の企画、脚本、演出をてがける。また、小説、絵本、漫画などの執筆もおこなう。絵本作品には、『うるうのもり』(講談社)、翻訳を担当した「オレ、カエルやめるや」シリーズ(マイクロマガジン社)がある。

「2023年 『カキワリの劇場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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