アイネクライネナハトムジーク

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 5933
レビュー : 809
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026292

感想・レビュー・書評

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  • 6話からなる短編集。
    各話の登場人物が年を超えて、繋がってくる話の展開が面白い、
    1人のライトヘビー級日本チャンピオンを通して繋がる世界とボクシングの描写には飲み込まれるものがあった。

    Amazonより引用
    ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ

  • 伊坂さんの作品らしくていい、繋がりというか連作っぽく見えるし登場人物とか時間とかを越えて生きているんだなって思えるから『チルドレン』『フィッシュストーリー』『死神の精度』『終末のフール』辺りが好きな人にはオススメ。
    人生にはユーモアとほんの少しの勇気が必要だ。

  • 期待通りの面白さ。

    時系列の行ったり来たり、登場人物の多さ。
    何回も読み直したりいして、それがイライラじゃなくて
    めっちゃ楽しかった。

    人との出会いの喜びと楽しさを凝縮したような話だった。

    「あなたが心配で!この方が誰の娘さんか知らないのですか?」っていう
    絡まれている人を助ける変な方法がお気に入り。
    受け継がれてて嬉しい。

    映画になったら観たいなぁ。


    斉藤和義もいいなぁ。
    あー、私、とっても好みです。
    女を幸せにはしないタイプに見える。
    ちゃんと働いているのに働いてないみたいに見える。
    きっとそんなことないのに脱力してるみたいに見える。
    魅力的です。

  • 人物が相関し合う短編集。伊坂さんには珍しく、犯罪者もいない暴力もない、泥棒も(ほとんど)いない、ちょっとこそばゆい「出会い」を主題にした作品。

    時も出来事もシャッフルさせていて読み進めないと全体が見えないのがもどかしいけれど、繋がったときの「ニヤリ」感はやはり伊坂作品というべき痛快さ。

    最後の小さなオチも大したキーではないのだけれど、あれがなくちゃ締まらない。読後感も爽やかで気分よく読める一冊。

  • いつもの伊坂作品とは設定がちょっと違って、恋愛を核に、日常生活の中の出来事を描いている。その分身近で、肩の力が抜けている感じが読みやすかった。
    読後、知らず知らずのうち笑みが浮かび、「こんなこともあるかもしれないから、生きてるって面白いんだよね。」と思える前向きな小説だった。

    登場人物や起こる出来事がみな、どこかでつながっているのは、伊坂作品ではお馴染みのパターン。「あれが、こうなって、こっちはそうなっていたのか」と、最後には、全部パズルが解けたような爽快感がある。これがあるから伊坂さんは止められない。
    斉藤和義さんとのコラボ企画のようだが、彼の音楽をあまり知らなくても、十分楽しめた。

  • 久しぶりの伊坂さんの作品。
    テーマは「出会い」なのかな?本の帯にあるとおり、ごく普通の人たちが巻き起こす、小さな奇跡の物語、

    六編からなる短編集だが、様々な人物が登場し、時間軸も現在から過去、過去から現在へ・・・。
    登場人物たちが、それぞれの短編で繋がりをもっているため、頭の中で人物相関図を描いて読みすすめた。
    このあたりの人物配置、というか終章での伏線?のまとめ方は、伊坂さんの得意とするところなんだろうなぁ。スマートにまとめられていて、読み終わったあとも気分がホンワカしてる。

    奥さんに逃げられたサラリーマン、ボクシングの元ヘビー級チャンピオン、化粧品会社のOLなどなど、どの人物も魅力的だ。特にお気に入りになったのが、織田一真。
    いいなぁ、こういう男になりたいなぁ、
    って切実に思ったな。なれないけど(笑)
    伊坂さんの作品は、どれも会話がお洒落なんだけど、特に織田の発言は、お洒落&風刺が効いてて、ニヤリとさせられるものが多かった。

    「いいか、後になって、『あの時、あそこにいたのが彼女で本当に良かった』って幸運に感謝できるようなのが、一番幸せなんだよ」

    あ~、自分もこんなセリフ、言ってみたい!

    超能力も殺し屋も出てこない、ごく普通の人たちが織り成す伊坂ワールド。満足しました!

    ☆4個

    「BOOK」データベース~

    ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ。

    ズシン!と来るようなサプライズは無いけど、心地よい小さなサプライズ・・・気持ちよく読了しました!

  • 伊坂さんの本を読むと、元気がでるなあ。なんてことない日常なのに、エネルギーが詰まっている。なんとかまだ、生きていこうかなって思えるような。織田夫妻が素敵だった。適当な旦那さんが良いキャラクターで。あと、仲裁の技(作戦?)がいろんな人に受け継がれていて微笑ましかった。

  • 伊坂節満載の、伊坂幸太郎流恋愛小説短編集だ。
    この人独特の世界観、やっぱり楽しいなぁ。
    「出会いってなんだ」というグサリとくるような一家言から、斉藤和義の歌詞が効果的に使われる一篇まで、なんかいい。
    もちろん単純な恋愛小説ではなくてこの著者らしく、「あ、ここでこの人が関係してくるのか!」と相関図を思わず書き出したくなるようなサプライズもあるのが面白い。
    情熱的とか官能的な恋愛とは対極にある、穏やかに惹かれあって、でもいつの間にかそれがかけがえのないものだと気づくような恋、いいな。

  • いつかどこかで接点のあった人々の、それぞれ独立しているような、微妙に関わり合っているような人生の一コマを切り出した短編集。
    ある短編の登場人物が、その前の短編に出てきた人物とどんな関係があるのかが最後の最後になるまで上手に隠されていて、それが明らかになった時には思わず「うわあー!」と声を上げてしまった。巧いなあと思う。アオリに『エンターテインメント小説』と書かれていたがまさにその通り。大いに楽しませていただきました。

  • 多くの人が一度は見たり、聞いたり、経験したりしたこと。それはまさにモーツァルトの「小夜曲」と同じで、なんとなく、いつのまにか知っている、存在していた、存在しているもの。
    人との繋がりやそれに伴う影響があるのは当たり前なのに、小説という形になるとより心に響く。
    文字に起こすとちょっと恥ずかしくなるような詩も歌にのせれば人の心を大きく揺さぶるように、この本も紙の上で文字が踊りだし、登場人物たちが鮮やかに動き出し、僕の想像力をかきたて、心を動かす。

    自分にはそんなつもりもなく、力もないと思っていても誰かを励ましているかもしれないし、傷つけているかもしれない。筆者はこの本でそれに善悪をつけているわけではないが、弱者に側に立って書き連ねる。時間が立ってみないとわからないことが多い中で、何がきっかけで変わるかわからないし、変わることができるんだということを教えてくれる。

    それぞれ違う話の登場人物たちが繋がっていく様は、もちろん面白いのだけれど、それはこの本の魅力のほんの一部に過ぎず、本当の面白さは、やっぱり人の心を動かすストーリーなのだと思う。この本が、また誰かを勇気づけることになれば良いのにな、と素直に思う。
    超能力は出てこないけれども「砂漠」に似ているような良作。音楽も小説もも人を突き動かす力という意味では超能力だと思う。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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