アイネクライネナハトムジーク

著者 :
  • 幻冬舎
3.91
  • (484)
  • (956)
  • (526)
  • (59)
  • (11)
本棚登録 : 5963
レビュー : 813
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026292

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 時空を超え、あらゆるところで繋がりすれ違っていく人生の面白さと不思議な興を感じさせられた。モーツァルトの小夜曲のような軽快さをもってテンポよく物語は展開していく。交差し重なり合う人間関係が少しずる明らかになり、新たな発見がまた別の発見の伏線となっている。小さなおかしみと大きな驚きが思いもかけないところに埋め込まれており絶妙なアクセントとなっている。宝探しのような興奮を楽しんだ。

  • 6話からなる短編集。
    各話の登場人物が年を超えて、繋がってくる話の展開が面白い、
    1人のライトヘビー級日本チャンピオンを通して繋がる世界とボクシングの描写には飲み込まれるものがあった。

    Amazonより引用
    ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ

  • 全く無関係のようで実はどこかで繋がっていた。ああ、この人がそうだったのねと納得しながらページを進めました。こういう構成の物語は大好き。

  • 伊坂幸太郎の「らしさ」と「らしくなさ」のどちらも感じ取ることのできる1冊。

    人も死ななければ特殊能力も出てこず、へビーなミステリも存在しない「らしからぬ」日常を切り取った小説ですが、時系列と登場人物を絡めた演出は十分に「らしさ」が溢れた作品です。
    せっかくこの本を読んだし、日常の1ページを「ふーん、こんなもんか」で済まさず、人の地続き感、というか小さな幸福感みたいなものを感じれるようになりたいと思った次第。

    斉藤和義さんと強く関わりのある作品ですので、ファンの方は是非。笑
    個人的には、最近SFとミステリばっかり手を付けていたので、読後感にちょっと物足りなさを感じました。

  • 優しい気持ちになれる、連作短編集。「アイネクライネ」という短編から始まり、次々とつづられる短編作品。微妙に、作品がリンクしながら最終章の「ナハトムジーク」に着地する。いろんな人物関係を詰め込んだ「ナハトムジーク」。楽しい話ばかりでは無いのに、心がなごむ。本編を読んだ後に「あとがき」を読んで作中の人物“斉藤さん”の正体を知る。そうか!彼のことだったのか!凶悪犯も殺人犯も出てこない伊坂作品。疲れた心に染みてくる。

  • アイネクライネとライトヘビーは斉藤和義のCDとともに手に入れて昔読んでいたので、店頭でこのタイトルを見かけたときは「おっ」と思ったものだが、すぐ読む気になれず今になった。

    結論としては、私はCDについていた小説だけでもよかったかな、と。気になっていた藤間さんのその後なども知れて、それなりに満足はしたけれど、作者にそのつもりはなかったとしても無理に膨らませているのではないかと穿ってしまい、素直にわくわくできなかった。でもやっぱりこれ読んでると、斉藤和義の歌がエンドレスで流れてしまう。できれば「ベリーベリーストロング~アイネクライネ」をお供に読んでほしい。

  • 「斉藤さん」で頭に浮かんだのが斉藤和義で。
    伊坂さんの映画、斉藤和義の曲がよく使われてるし、もしかしたら...って思ってたら、この物語にはそんな経緯が!(あとがきを読んで知る)

    短編かと思いきや、ところどころで話が繋がってて嬉しくなる。(短編より長編の方が好き。)

    でも変に勘づいちゃって先をよんでしまう。
    なんとなく出てきたボクシングの中継が話の軸になるとは思わなかったな。
    美奈子の電話の相手、板橋香澄の弟があの選手とわかった時にはテンションが上がった。

    いろんな人の視点から話が進んで繋がって楽しかった。

  • 久しぶりに伊坂幸太郎さんの作品を読みました。

    短編で、ひとつひとつが優しい話で好きです。
    読み進めていくと、登場人物が次々と繋がりはじめて
    それもワクワクして楽しかったです。

  • どんな出会いも必ず自分に影響しているんだと思った。
    あの時の出会いに助けられている、というエピソードが隠れていて和む。自分にも「あの時そこにあの人がいてよかった」がたくさんあることに気づかされる。
    伊坂さんはちょっとズレた人を書くのがうまい。特に(ゴールデンスランバーで言えば)ロックな織田一真が好き。このデタラメっぽい人が言う言葉が純粋にまっすぐ真をついてるようなところがミソ。

  • よかった編
    「アイネクライネ」…滑り出しの織田夫妻との掛合いが軽妙。風のような出会いって羨ましいなあと思う。
    「ライトヘビー」…変なお姉さんと謎の斎藤さんが自由で素敵。気分に合わせた歌だけって変な占いよりうんと気軽で素直に聞けそうでいいなと思う。
    「メイクアップ」…ラストが明示されない所が「残り全部バケーション」みたいだなと思った。「アトモスフィア」の所があー分かる分かるって笑えた。

    それなりの編
    「ドクメンタ」…末っ子っぽい先輩がどうも好きになれず。甘やかされて周りから大目にみられて生きてきたんだなあと。どんなメッセージがあったにせよ元鞘にもどらなかったのはやっぱりなあと思ったり。
    「ルックスライク」…過去と現在とが入れ子構造。入れ子の一部がよその編の一部で、彼女が彼の娘で友達がこうつながってて…というのが面倒くさくなってくる。把握しなくても読めるんだけど余計な事を頭に引っかけながら読まないといけないのが、凝り過ぎというか輪が近過ぎるのか。
    「ナハトムジーク」
    クライマックスの看板を折るモデルの所で乗れなかった。うーん。何でかな。やっぱり登場人物の数が増えてごちゃごちゃした分インパクトが薄くなっちゃったからかな。リベンジに成功したようなしてないようなというラストは確かに「どっちでもいいかな」ていう感じで後味はよかったんだけど。

    総評
    中身は甘くて読みやすい。でもすっきりしないので3.5評価くらい。短編6編っていうのが多かったかも。4編くらいで出てくる人数も減らしてくれたらもうちょいついていけてた。頭が悪くなったのかなあ。あと時系列じゃなく時間が前後に動くのも「えーっと??」って感じだった。

著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

アイネクライネナハトムジークのその他の作品

伊坂幸太郎の作品

ツイートする