アイネクライネナハトムジーク

著者 :
  • 幻冬舎
3.91
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本棚登録 : 5964
レビュー : 812
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026292

感想・レビュー・書評

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  • 個人的に連作短編集が大好きでよく読むのだけれど、本作は連作の面白さが存分に表現された、読み応えのある一冊でした。細かいところまで伏線が張り巡らされていて、頭の整理がこまめに必要ですが(笑)小さな奇跡の積み重ねが、人との「出会い」の大切さを輝かせてくれる。恋愛にまつわる話が多いので、スケールの大きい作品が多い伊坂氏の著作にしては地味かもしれないけど、これは褒め言葉です!微妙な心の動きを丁寧に掬い取って、ユーモアを交えながら物語を紡いでいく。話がうまくいき過ぎじゃないか?と思うところもあるのだが、そんな展開が陳腐に感じないほどの緻密な構成。さすがです。どの短編も好きだけど、一番印象に残ったのは「メイクアップ」。憚っちゃう憎まれっ子の描写がうますぎる!女性のめんどくささをよく理解してるなと唸りました。
    この本を語る上で欠かせないのが、神出鬼没の「斉藤さん」。一回百円で、そのときの心情に合わせた斉藤和義の曲の一部を流してくれるという、占い師チックな謎の男性の登場が毎度効果的で、無性に斉藤和義が聴きたくなります。実際に、路上で会ってみたいわ!
    そして、仙台在住の人間としては、表紙イラストにもニンマリでした。仙台駅前をシュールに描いたこの装丁、大好きです!

  • 目次を見ただけで、おお♪伊坂幸太郎ぽい、って感じがしました。
    場所や時間が行ったり来たりしながらも、少しずつオーバーラップしている人間関係が浮かび上がってくる短編集です。
    テーマはずばり「出会い」。

    言われてみれば、殺人も強盗もないけど、こんなラブ&ピースな感じ、すごくいい。
    「どなたの娘さんかご存じで?」というのは、一見使えそうで、絶対無理だからってところがすごくいい。

    とりあえず、通帳の記帳はまめにしよう。

  • 斉藤和義を久々に聴いた〜

  • 伊坂幸太郎さんには珍しく恋愛要素が強めに感じました。全6話からなる短編集なのですが、それぞれ繋がっている部分があり結局全部で1つの物語とも言えなくも無い小説。
    最後の6話目でパズルのピースが一気に嵌っていく様な感じはいかにも伊坂さんらしくて爽快でした。

  • 伊坂さんの作品らしくていい、繋がりというか連作っぽく見えるし登場人物とか時間とかを越えて生きているんだなって思えるから『チルドレン』『フィッシュストーリー』『死神の精度』『終末のフール』辺りが好きな人にはオススメ。
    人生にはユーモアとほんの少しの勇気が必要だ。

  • いつもの伊坂作品とは設定がちょっと違って、恋愛を核に、日常生活の中の出来事を描いている。その分身近で、肩の力が抜けている感じが読みやすかった。
    読後、知らず知らずのうち笑みが浮かび、「こんなこともあるかもしれないから、生きてるって面白いんだよね。」と思える前向きな小説だった。

    登場人物や起こる出来事がみな、どこかでつながっているのは、伊坂作品ではお馴染みのパターン。「あれが、こうなって、こっちはそうなっていたのか」と、最後には、全部パズルが解けたような爽快感がある。これがあるから伊坂さんは止められない。
    斉藤和義さんとのコラボ企画のようだが、彼の音楽をあまり知らなくても、十分楽しめた。

  • 久しぶりの伊坂さんの作品。
    テーマは「出会い」なのかな?本の帯にあるとおり、ごく普通の人たちが巻き起こす、小さな奇跡の物語、

    六編からなる短編集だが、様々な人物が登場し、時間軸も現在から過去、過去から現在へ・・・。
    登場人物たちが、それぞれの短編で繋がりをもっているため、頭の中で人物相関図を描いて読みすすめた。
    このあたりの人物配置、というか終章での伏線?のまとめ方は、伊坂さんの得意とするところなんだろうなぁ。スマートにまとめられていて、読み終わったあとも気分がホンワカしてる。

    奥さんに逃げられたサラリーマン、ボクシングの元ヘビー級チャンピオン、化粧品会社のOLなどなど、どの人物も魅力的だ。特にお気に入りになったのが、織田一真。
    いいなぁ、こういう男になりたいなぁ、
    って切実に思ったな。なれないけど(笑)
    伊坂さんの作品は、どれも会話がお洒落なんだけど、特に織田の発言は、お洒落&風刺が効いてて、ニヤリとさせられるものが多かった。

    「いいか、後になって、『あの時、あそこにいたのが彼女で本当に良かった』って幸運に感謝できるようなのが、一番幸せなんだよ」

    あ~、自分もこんなセリフ、言ってみたい!

    超能力も殺し屋も出てこない、ごく普通の人たちが織り成す伊坂ワールド。満足しました!

    ☆4個

    「BOOK」データベース~

    ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ。

    ズシン!と来るようなサプライズは無いけど、心地よい小さなサプライズ・・・気持ちよく読了しました!

  • 伊坂さんの本を読むと、元気がでるなあ。なんてことない日常なのに、エネルギーが詰まっている。なんとかまだ、生きていこうかなって思えるような。織田夫妻が素敵だった。適当な旦那さんが良いキャラクターで。あと、仲裁の技(作戦?)がいろんな人に受け継がれていて微笑ましかった。

  • 伊坂節満載の、伊坂幸太郎流恋愛小説短編集だ。
    この人独特の世界観、やっぱり楽しいなぁ。
    「出会いってなんだ」というグサリとくるような一家言から、斉藤和義の歌詞が効果的に使われる一篇まで、なんかいい。
    もちろん単純な恋愛小説ではなくてこの著者らしく、「あ、ここでこの人が関係してくるのか!」と相関図を思わず書き出したくなるようなサプライズもあるのが面白い。
    情熱的とか官能的な恋愛とは対極にある、穏やかに惹かれあって、でもいつの間にかそれがかけがえのないものだと気づくような恋、いいな。

  • 伊坂作品らしい、それぞれの登場人物がそこここで繋がり、そして誰かに影響している(<<ココが 伊坂)、
    そして伊坂作品らしからぬ、すべて男女間の感情を中心に描かれた短編集。
    モーツァルトは全然関係ありません。
    優しい感じのお話でした。
    地方都市なら、こんなふうに友達や親子が繋がっていることもあるだろうな.... と。
    結婚すると名前が変わるって面白い事も多いですね。
    ルックスライク、が好きでした。

    以下備忘
    結婚を決めたきっかけはなにか? ーアイネクライネ
    電話ブラインドデートの相手は短期集中労働者 ーライトヘビー
    5年に一度 ードクメンタ
    昔の恋人の子供が○○だった ールックスライク
    一番会いたくない人に再会 ーメイクアップ
    10年前19年前 ーナハトムジーク

    あとがきに、伊坂らしからぬこの作品ができた斉藤和義との縁が書かれています。素敵、

著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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