アイネクライネナハトムジーク

著者 :
  • 幻冬舎
3.91
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  • (55)
  • (8)
本棚登録 : 5613
レビュー : 768
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026292

作品紹介・あらすじ

ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。
奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、
他力本願で恋をしようとする青年、
元いじめっこへの復讐を企てるOL……。
情けないけど、愛おしい。
そんな登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ! !
伊坂作品ならではの、伏線と驚きに満ちたエンタテイメント小説!

感想・レビュー・書評

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  • つい最近、斉藤さんとのコラボについて知ったばかりで、読みたい~!と思っていたので単行本化はとても嬉しかったです!
    伊坂さんの恋愛の話はどこかかわいらしくてくすぐったいですね。

    「アイネクライネ」
    「ライトヘビー」
    「ドクメンタ」
    「ルックスライク」
    「メイクアップ」
    「ナハトムジーク」

    どれもおもしろかったし、あるボクサーの試合を軸に、時系列をずらしながら、少しずつ繋っていく感じ、とてもよかったです。
    ウインストン小野の試合、ラウンドボーイの行動に胸が熱くなりました。
    そして最後の司会者がまさかの…!

    「アイネクライネ」を読んで、斉藤さんは本当に素敵な人だと思いました。しっかり作品を読まれてあの曲を作られたんだなぁとわかる言葉選びでした…!

    織田の「自分が好きになったのが、この女の子で良かった」のくだり、けっこういいこと言ってるよなぁと思います(笑)

    「ライトヘビー」「ドクメンタ」が特に好きです

    やさしいキャラクターが多くて安心して読めました。
    人と人との繋がりに、日常の小さなサプライズに、人生何が転機になるかわからないというおかしみに、読後は心があたたかくなりました。
    なんだかちょっとした勇気をもらえた気分です。

    斉藤さん一回100円やってほしいなぁ。

  • 伊坂さんらしい軽妙さが光る連作短編集。
    伊坂さんのもう一つの特徴である犯罪などのダークなものはほとんど登場しない~安全な?作品です。

    「アイネクライネ」
    データがふっとんだミスの後始末に、罰ゲームのような街頭アンケートをする青年。
    仕事を探している女性に出会い、何気ない会話が生まれる。
    日常的なシーンの親しみやすさ、大体はぱっとしなくて情けないけど、ちょっとだけ一生懸命な部分もあったり。

    「ライトヘビー」
    美容師の美奈子は客といつしか友達になり、弟と付き合うよう薦められる。電話で喋るようになったが‥?
    ボクシングの試合を見ていると‥
    大人のおとぎ話のような楽しさ。

    「ドクメンタ」
    妻に出て行かれた藤間。
    自動車運転免許の更新のために出かけた場所で、ふと話した相手。
    通帳の記帳でしか繋がっていない元妻に思いを伝える方法とは。
    5年後にもまた会うことになるか‥?

    「ルックスライク」
    学校の先生・深堀朱美。
    生徒の一人は、織田一真の娘の美緒。
    登場人物がちょっとこんがらかってきますが~え、これって‥という驚きが面白いところ。

    「メイクアップ」
    昔いじめられた相手と職場で再会した女子。
    相手は覚えているのか、性格は変わったのか? 復讐する機会はあるのか‥さて?

    「ナハトムジーク」
    ちょっとした不思議な縁が繋がっていきます。
    日常に起きてもおかしくないような小さな奇跡。

    100円でそのときに一番合うフレーズを流してくれる斎藤さんという人物が所々に出てきます。
    斉藤和義に作詞を頼まれ、小説なら書けると書いたのが始まりだったそう。
    曲を聴きながら読むとまたいいのかな。

    絡まれたときに「この方が誰の娘か知っているんですか?」と言ってはったりをかます織田一真のやり方が受け継がれていったり。
    どうということのない男なのに美人と結婚した幸運な男・織田は、口が達者で、時にはそれなりの存在価値を発揮する。このゆるさがいかにも、ですね~。

    笑える日常のささやかな出来事の奥底には、ごく普通のまともさが流れている気がします。
    余裕のある洒脱な雰囲気がよかったです☆

  • 結局、3回読んでしまった~!
    まず、1回目。
    登場人物のリンクと時系列が、頭の中で整理できなくて、混乱。
    相関図と年表をせっせと書きながら2回目。(この作業が意外に楽しかった)
    3回目で、やっと大満足。
    伊坂さんの、誰も死なない物語。存分に楽しませてもらいました♪
    実は、この直前に伊坂さんの本で、途中で断念してしまったものがあって…。
    だから、よけいに嬉しいです。

    登場人物が、皆どこかとぼけていて楽しい。
    特に課長がいい味です。
    「藤間、離婚したのか。どうやって」(笑)
    夫婦の関係を”外交”とか、ミッキーのお手ふりの教訓とか~

    あと印象的なセリフがいっぱい!
    「こちらの方が、どなたの娘さんかご存知で?」
    「斎藤さん一回百円」
    「あの変な旦那も、今となっては、スイカにつける塩みたいに思えるようになったよ」
    ラウンドボーイの「大丈夫」も良かったし、書きだしたらキリがないです。

    人生ほんとに、どこでどう転がるかわからない。
    一人一人は気づかなくても、どこかで繋がっていて、
    きっと誰かの力になっている。

    ただね、ひとつだけ気になることがあります。
    いじめっ子の女子の恋とプレゼンの結果。
    ご想像におまかせします。ってとこでしょうか。

  • さわやかに、楽しめました。
    まだまだ伊坂ファンと公言するには、
    読んだ作品が少なすぎるのですが…。

    私の読んだ今までの作品は、さらりと書かれているのに、
    背景がかなり重たいものが多く、
    少し笑っても、救われない気持ちもありフクザツだなぁって
    感じがしていたんです。

    こんなにさわやかに楽しめる作品もあるんですね。

    サプライズ職人の伊坂さん。
    この物語も楽しませてもらいましたが、
    私がもっと好きなのは、伊坂作品でちょいちょい出てくる
    気の利いたユーモアたっぷりの会話。

    こんな返しが出来るようになりたいんですよね~私も。
    変な人に絡まれている時に、このアイデア。もう最高です。

    そして、『斉藤さん 1回百円』。
    見つけたら2週間連続で通ってみたいと思う一冊です。

    これって、音楽ではなく、本でもいいですよね。
    『幸太郎さん 1回百円』
    その人の今の心境に合うフレーズを
    選んで朗読してもらう。

    伊坂さんって、心に残るフレーズ多いんですよね。
    きっと行列できる人気ぶりと思うんですけど。

    あ、これも法律に触れるのか…。

    なんだかいい気分で、鼻歌が出てくるような本でした。
    読後のプチハッピー、このまま続くといいなぁ。

    • なにぬねのんさん
      円軌道の外さん、コメント返信ありがとうございます!

      伊坂さんのおススメ情報、嬉しかったです。
      『ラッシュライフ』『アヒルと鴨のコイン...
      円軌道の外さん、コメント返信ありがとうございます!

      伊坂さんのおススメ情報、嬉しかったです。
      『ラッシュライフ』『アヒルと鴨のコインロッカー』は忘れないうちに本棚に登録しました。
      教えていただき、感謝感謝です。

      私の好きな作家さんは、石田千さんです。
      『きなりの雲』を読んで、なんて綺麗な表現の文章なんだろうと一目ぼれして、追いかけて少しずつ読んでます。

      それと今一番気になっている作家さんは
      彩瀬まるさんですね。
      『骨を彩る』の文章が、私にはストライクで
      この方は洞察力がすごいと、これも一目ぼれで…。これからどんどん読みたいと思ってます。

      角田光代さんや原田マハさんも大好きで
      よく読んでます。

      これは文句無しに面白かった!っていう作品は…。色々考えてみましたが小説ではありすぎて絞りきれませんでした。

      少し違った意味で、『カラスの教科書』(松原始著)はとっても面白かったです。

      ゴミ置き場を荒らす大きな怖い生き物と嫌ってましたが、今や近くにいるとガン見してます。

      著者のカラス愛が本から溢れていて、
      こちらまでカラスがちょっと好きかも…となってしまいますよ。

      愛が溢れてるって、それだけで良書ですよね。
      2015/06/08
    • 円軌道の外さん

      なにぬねのんさん、こんばんは!
      お気に入りポチありがとうございました。
      あと、返事めちゃくちゃ詳しく書いてくれて
      感謝感激です!(...

      なにぬねのんさん、こんばんは!
      お気に入りポチありがとうございました。
      あと、返事めちゃくちゃ詳しく書いてくれて
      感謝感激です!(^^)

      おおーっ!石田千さん、僕も好きです!
      小説はまだ読んだことないんですが、情景描写が巧みでリズミカルな文体の彼女の書くエッセイが好きなんです。
      あと食いしん坊体質なので(笑)
      食べ物が沢山出てくるところもツボです(笑)

      なにぬねのんさんの言う
      綺麗な表現の文章もスゴく分かります。
      なんか普通に読んでて
      うっとりしてしまいますよね。

      彩瀬まるさんも僕はまだ未知の作家なんですが、
      ブクログユーザーさんのレビューでもちょこちょこ出てくるので
      実はずっと気になってたのです(笑)
      しかし、洞察力がスゴいとは
      めちゃくちゃ気になる表現ですね(笑)
      その一言で俄然僕の「読みたいリスト」の
      赤マル急上昇株にランクアップしましたよ~(笑)

      あと、「 愛が溢れてるって、それだけで良書ですよね 」は
      僕の心の泉の「使える名言集」にすかさずメモさせてもらいました!(笑)
      石田さんもすごい感性だけど
      なにぬねのんさんの言葉のチョイスと文章表現も素晴らしい感性ですね。

      カラスは百年くらい生きるのもいるって
      柴崎友香さんの小説に書いてあったけど、あれってホンマなんですかね?(笑)
      僕は毎朝近所の公園までランニングに行って
      野良猫軍団や子猫たちに餌を持っていってるんですが、
      一瞬の隙を見て
      カラスが子猫をさらっていってしまうんです( >_<)
      (餌やなくて、子猫自体を連れていくのです)
      だからよく親猫がカラスに飛びかかってるのを見ました。

      それと昔カラスが人間を襲う映画を観て以来、
      僕にとっても恐怖の対象になってます((((((゜ロ゜;

      あっ、『カラスの教科書』と
      石田さんの『きなりの雲』と
      彩瀬まるさんの『骨を彩る』は
      読みたいリストにメモさせてもらいました!
      本当にありがとうございました!

      まったくの余談ですが(笑)
      来週の『アメトーク』は読書芸人特集なので、
      本好きなら多分楽しめると思いますよ~(笑)(^^)
      (僕は張り切って、いまから録画予約してます!)

      ではでは~



      2015/06/12
    • なにぬねのんさん
      円軌道の外さん、こんばんは~。

      アメトークの情報、有難うございましたっ。
      面白かった~。さっき録画したものを見ました。

      早速『...
      円軌道の外さん、こんばんは~。

      アメトークの情報、有難うございましたっ。
      面白かった~。さっき録画したものを見ました。

      早速『教団X』を本棚に。
      中村文則さん、初読みなので今から楽しみです。

      ご本人も言ってましたが、若林さんの帯も読んでみたいですよね。ひねってくるのかなぁ~。




      2015/06/21
  • 私もサプライズが嫌いだ。
    「も」と書いたのは、「ルックスライク」で織田美緒や笹塚朱美がそう言ってるから。
    たまたま昨夜見たテレビでも、「サプライズっていうのは実は自己満足的な行動なのである」と言っていて、我が意を得たりと思ったところである。
    現実の生活の中でのサプライズは嫌いだが、小説のサプライズは大好き。
    伊坂さんの作品にはいつもサプライズがある。
    「あ、これがそうだったのか」とか「あ、この人があれだったのか」という驚きがたくさん隠されているから。
    巧妙に名前が伏せてあって、最初は何気なく読んでいくんだけど、途中で「あれ、これってもしかしてあのときの?」と思い当たった時の嬉しさ。ニヤニヤ笑いが止まらなくなる。
    伊坂さんが「恋愛モノは苦手」というのは、おそらくドロドロとした温度と湿度の高い描写が苦手だからなんじゃないかと思う。でもそんな描写がなくても、ちゃんと人の思いや関係性はきちんと現れてて、私はむしろそういうほうが好ましい。
    今回は犯罪方面に突出して異形な人が出てこなかったので、安心して楽しめた。でも織田一真は伊坂的にぶっ飛んでる。
    ラストの「ナハトムジーク」で、ラウンドボーイが取った行動で思わず涙ぐんでしまった。こんな感動は珍しい。そして最後の数行。まさかあの司会者がね、とこれまた心が温かくなった。ちゃんとつながってる。
    ハードな作品もいいんだけど、こういう、ささやかな人生を描いた作品がすごく好き。
    「斉藤さん」の存在は、斉藤和義さんへの愛を感じたなあ。

  • 個人的に連作短編集が大好きでよく読むのだけれど、本作は連作の面白さが存分に表現された、読み応えのある一冊でした。細かいところまで伏線が張り巡らされていて、頭の整理がこまめに必要ですが(笑)小さな奇跡の積み重ねが、人との「出会い」の大切さを輝かせてくれる。恋愛にまつわる話が多いので、スケールの大きい作品が多い伊坂氏の著作にしては地味かもしれないけど、これは褒め言葉です!微妙な心の動きを丁寧に掬い取って、ユーモアを交えながら物語を紡いでいく。話がうまくいき過ぎじゃないか?と思うところもあるのだが、そんな展開が陳腐に感じないほどの緻密な構成。さすがです。どの短編も好きだけど、一番印象に残ったのは「メイクアップ」。憚っちゃう憎まれっ子の描写がうますぎる!女性のめんどくささをよく理解してるなと唸りました。
    この本を語る上で欠かせないのが、神出鬼没の「斉藤さん」。一回百円で、そのときの心情に合わせた斉藤和義の曲の一部を流してくれるという、占い師チックな謎の男性の登場が毎度効果的で、無性に斉藤和義が聴きたくなります。実際に、路上で会ってみたいわ!
    そして、仙台在住の人間としては、表紙イラストにもニンマリでした。仙台駅前をシュールに描いたこの装丁、大好きです!

  • 目次を見ただけで、おお♪伊坂幸太郎ぽい、って感じがしました。
    場所や時間が行ったり来たりしながらも、少しずつオーバーラップしている人間関係が浮かび上がってくる短編集です。
    テーマはずばり「出会い」。

    言われてみれば、殺人も強盗もないけど、こんなラブ&ピースな感じ、すごくいい。
    「どなたの娘さんかご存じで?」というのは、一見使えそうで、絶対無理だからってところがすごくいい。

    とりあえず、通帳の記帳はまめにしよう。

  • 時空を超え、あらゆるところで繋がりすれ違っていく人生の面白さと不思議な興を感じさせられた。モーツァルトの小夜曲のような軽快さをもってテンポよく物語は展開していく。交差し重なり合う人間関係が少しずる明らかになり、新たな発見がまた別の発見の伏線となっている。小さなおかしみと大きな驚きが思いもかけないところに埋め込まれており絶妙なアクセントとなっている。宝探しのような興奮を楽しんだ。

  • 伊坂幸太郎さんには珍しく恋愛要素が強めに感じました。全6話からなる短編集なのですが、それぞれ繋がっている部分があり結局全部で1つの物語とも言えなくも無い小説。
    最後の6話目でパズルのピースが一気に嵌っていく様な感じはいかにも伊坂さんらしくて爽快でした。

  • 6話からなる短編集。
    各話の登場人物が年を超えて、繋がってくる話の展開が面白い、
    1人のライトヘビー級日本チャンピオンを通して繋がる世界とボクシングの描写には飲み込まれるものがあった。

    Amazonより引用
    ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ

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プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業後、SEとして働くきながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。
2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。
上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されてきている。

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