殉愛

  • 幻冬舎 (2014年11月7日発売)
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本 ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784344026582

感想・レビュー・書評

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  • やしきたかじんさんが、2012年1月に、食道癌と診断され、天国に旅立つ、2014年1月3日までの、壮絶な、闘病生活と、それを支える「さくら」さんの涙ぐましい看病の、実話を、百田尚樹氏が、書いた本。

    当時、マスコミが、有りもしない事を、面白おかしく、騒ぎ立てた事は、何となく、覚えているが、
    何故、百田尚樹氏が、本にしたのか、理解できない。

    たかじんさんの浮気に泣きながら、こんなにも、献身的に、看病した。
    実の父親の癌の手術にも、立ち会わず、左耳の聴覚も失い、財産目当てと、揶揄されたけど、治療の為の機械導入の為、伯父さんに、一億円の融資をしてもらった。そのお金は、結局、使わなかったので、返済したら、伯父さんが、五千万円を渡して、何にでも使えと、言ってくれた。

    それが?

    って、冷めている自分は、冷たいのだろうか。
    マスコミに、叩かれたりしたので、事実を知って欲しいと、思うのは、わからないではないが・・。

    「心から、愛していた。
    看病に明け暮れた2年間だったが、不幸だと思ったことは、一度もない。」
    と言うのなら、大切な、二人だけの秘密として、黙っている選択もあったのでは、無いだろうか。

    ファンの前に、弱っている自分を見せたくないと言う美学を持っていた、やしきたかじんさんの事なら、尚の事、最後の姿は、公にはしない方が、ベストだったのでは?

  • たかじんのことはこれまであまり知らなかったが、一面を見れた気がする。

    これだけ気性が荒く、我を貫くことが出来ないとビックにはなれないのかとも思った。

    内容については賛否両論あ流ようだが、ドキュメンタリーとしては面白いと思った

  • 百田尚樹がたかじんの本を書いたという話は知っていたが、まさかこんな話だったとは。
    ただの涙なしには読めない壮大すぎるラブストーリーではないか。

    これが現実で、そして実在していたやしきたかじんの話だとは思えないくらいだ。


    個人的にはさくらが何度もたかじんの浮気を詰るシーンが私は大好きだ。

    本当の愛とはなんなのか
    人生とは、生きるとは。
    金で買えないものがあるということ。
    知っていたけど、こんなにリアルに書かれたらいたたまれない。

    もう一度読み返すには胸が痛い。
    それくらい熱く、重く、濃厚。
    ありきたりな恋愛小説なんてもう読めない。

  • ネットなどで炎上を繰り返し、未だに燻り続けている問題作。炎上すれば、するほど手を出し難くなり、躊躇していたが、先日、古本屋の百円コーナーに並んでいたので読んでみた。

    なるほど、これはいけない。本当にいけない。嘘か真か知らないが、故人をなじるような週刊誌やテレビのワイドショー的なゴシップ・ノンフィクションなぞ誰が読みたいと思うか。

    プロローグの著者の言い訳と自慢話を読んだ瞬間に辟易すると共に非常に胡散臭さを感じた。

  • 面白かった。一気に読み終わった。真実なのか嘘なのかわからないけれど百田さんの文章はぐいぐいと読者を本の世界に引っ張ります。

  • 百田尚樹の殉愛読了。ひとがどのように死んでいくのか。それを周りがどうやってささえていくのか。その二点については大変よく書けている。最後まで一気に読めたのは彼の文章の匠さゆえなんだろう。
    だけどわざわざお金を出して買いたいかといえば、全然そんなことは思わなかった。時間をかけずに作ったのだろう。いろいろとあらがめだった。ひとつひとつの表現が薄っぺらい。やしきたかじんがどんな人なのか抉れてない。なぜ、恋に落ちたのかの描写は単にメールをコピペしたかのような描写で全然説得力がなく、たかじんの身勝手さしか感じなかった。イタリアでの生活を投げ打つだけの価値のある愛だとは全然感じられず。それに何より、娘やマネージャーについての描写が一方的。それに百田が書く必然性がない。娘やマネージャーの社会的地位の失墜のために、売れっ子の百田尚樹が担ぎ出され、百田がそれに乗っかったとすれば、しっくりくるのだけど。
    僕の仮説の真偽はどうあれ、妻や娘、前妻やマネージャーらに骨肉の争いをさせる原因を作ったのは生前のたかじんの身勝手な行動のせいではないか。そこに百田尚樹が加わって、騒動を大きくしている。外野としては、本そのものより騒動そのものが興味深い。

  • 読了する寸前、これは「永遠の0」だな、と思いました。
    いうまでもなく、「永遠の0」は、本書「殉愛」の著者・百田尚樹さんの代表的な著作です。
    特攻隊として死にゆく者だからこそ発することの出来る可憐で儚い一瞬の美をとらえ、ベストセラー小説となりました。
    安穏と暮らす平成の世の私たちからすれば、国を守るために死ぬという当時の特攻隊青年の心情を理解するのは難しい。
    ただ、著者はそれを鮮やかに描き出して見せました。
    私は「永遠の0」を感動とともに読み終え、だから戦争には反対だという、恐らく著者が望まない結論を導きましたが、それは本書「殉愛」とは関係ないのでこれ以上触れません。
    「殉愛」は、大阪が生んだスーパースター、やしきたかじんが最後に愛した女性、さくらさんの視点で描いた純愛ノンフィクションです。
    フェイスブックを通して、やしきたかじんと出会ったさくらさんは当時、30歳。
    それから、やしきたかじんから熱烈に口説かれ、結局付き合うことになります。
    ところが、その直後にやしきたかじんに食道がんが見つかり、2年間の闘病後、今年1月に死去したのは周知のとおりです。
    本書に描かれた闘病の過程は壮絶そのもので、読んでいて時に目を背けたくなりました。
    それ以上に目を瞠ったのは、さくらさんの献身的な看病で、ほとんど「狂気」に近いとさえ思えるほどのものでした。
    これはエピローグで著者も言及していますが、美貌を持つ30歳の女性が普通に恋愛、結婚していれば、人並みの幸せを手にすることは十分にできたでしょう。
    ただ、さくらさんが2年間(たった2年間!)でやしきたかじんとの間に育んだ愛は、私たち常人には想像も及ばない崇高なものだったはずです。
    さくらさんは最後に、とても大切なことを著者に語っています。
    その言葉を読んで、私は「永遠の0」のような「可憐で儚い一瞬の美」のバリエーションを見た気がしました。
    ただ、やっぱり考えてしまうんです。
    やしきたかじんも、さくらさんも世に言う「セレブ」なんですよね。
    彼らのようにお金があれば受けられる医療を、泣く泣くあきらめてしまう人はゴマンといます。
    たとえば、ガン治療に効果的な「アルファ・ベータT細胞療法」は保険が利かないため高額になるらしいですが、やしきたかじんは受けることができるわけです。
    こういう読み方は、厳に慎むべきと分かっていても、どうしても頭から追い払うことが出来ないんですよね。
    2人の崇高な「殉愛」の影で、「愛」という言葉すらも思い浮かばないまま絶望している市井の人たちの姿がチラチラと思い浮かぶわけです。
    もちろん、そこはさすがにベストセラー作家の著者は百も承知なのでしょう、書き手の感情はほとんど完璧に抑制されていますし(ただし407ページで例外的に露わになります)、感動的な場面ほど淡々と冷静に筆を進めているあたりは「さすがだなぁ」と感嘆する以外ないわけですが、すみません、最後まで100%感情移入することはできませんでした(ただ、3回泣きました)。
    虚心坦懐に読めば間違いなく感動作ですし、そういう意味では読み手の姿勢をも試している生半ではない作品といえましょう。
    遺産相続で我利我利亡者のような欲望を見せる親族とか、嫉妬心に駆られて執拗な嫌がらせをする取り巻きとか、できれば生涯関わりたくない反面教師にすべき人たちの姿が露骨に描かれていて、そこは著者も容赦ないから結構興奮しました。
    住んでいる世界が違い過ぎるのでよく分かりませんが、さくらさんに分があると思います。

  • 2014.11.10読了。面白く、一気に読んでしまった。でも、これって、果たしてやしきたかじんの遺志に沿う作品なのかどうかは疑問に思った。彼は、最期まで死を怖れず破天荒に生きたやしきたかじん…を演じたかっただろうなと思うので。さくらさんは、あることないこと書かれでも悔しかっただろうし、百田さんも義憤を感じられ、さくらさんのために書かれた作品だなあと思う。マネージャーやしきたかじん実子の名前はイニシャルにしてあるけれど、関係者が見れば明らかに誰かは分かるわけで、名誉毀損になるんじゃないの?と思う記述が多数あった。海賊と呼ばれた男でも感じたけれど、百田さんは自分の主人公が作った主人公への思い入れが強すぎてフェアな書き方ができない人だなあと改めて思った。後半はさくらさんはほぼ神格化されていた。でも、週刊誌ってホント、でたらめばかり書くなあっていうことはよくわかり、非常に興味深かった。あと、食道ガンの闘病記としても非常に考えさせられた。死ぬって大変なことと改めて思い知らされた。

  • (2015/4/14)
    関西では冠番組をいくつも持っているスーパースターのようだし、
    その歯に衣着せぬ、権力も恐れぬスタンスの番組というのは噂に聞いてはいたけど、
    実際には見たことも聞いたこともない人だった。
    タレント?歌手?それすら知らない。

    ただ、彼が亡くなって、お騒がせ百田氏によってその闘病生活が本になって、
    関係者が大騒ぎしている、というのは知っていて、どちらかというと著者興味で読み始めた。

    内容は私同様やしきたかじんを知らないイタリア暮らしの日本人女性「さくら」が
    30歳以上歳の違うやしきに一目ぼれされ、口説かれ、がんが発覚した時から
    共に病気と闘うことになって、手術が成功して一時は回復するものの再発、還らぬ人となる、、、
    というノンフィクションドキュメンタリー。
    彼女の闘病メモがベースになっているようで。
    彼女をとりまく、やしきのマネージャーや前妻の娘などは悪く書かれている。
    その分さくらが引き立つ。「海賊と呼ばれた男」の漢字も読めないくらいの変な日本人のようだが、
    一所懸命病気について学び、やしきに尽くす献身ぶりがにじみ出る。
    でもやしきの病気ともいえる女癖には我慢がならない。そこに完ぺきではないところも見せて。

    それはそれで読みやすいというか、応援したくなる内容になっている。
    いろいろその発言、というか暴言が話題になる百田氏だが、海賊といいゼロといいこの本といい、
    読みやすい、伝わりやすい文章が書けているのは確か。

    その内容が真実かどうか、、、この本の最後でも既に親族や会社の取り巻きとの騒動で
    相当物議をかもしているが、
    しかしいかんせんやしきを知らないので、どうでもいい、という感じ。
    百田のtwitterなどでの暴言は認められないものもあるが、作家としての才能は認めるべきだろう。
    事実か事実でないかは、、、「海賊」のように名前を変えれば全く問題なかった。
    そのまんまだからちょっと、というところか。
    金持ちにはいろんな人が群がる。
    さくらさんがその一人だったかどうか、もともと近くにいた人がまともな人だったかそうではないか、
    そんなことはわからない。
    さくらさんが遺産相続を受けないというのであれば、
    たかじんさんは最後にまともな人とめぐり合えて幸せだったということになるが、それもわからない。

    いずれにしても、「やっぱすきやねん」というやしきの歌も、玉置浩二カバーで知ったくらい。
    どんな声かわからない、、なのであまり関心がないというのが正直なところ。

  • 著作中のUが打越元久だとかKが小丸だとか、出版後にドロドロになった作品。どこまで真実かは、裁判などで明らかになるんだろうけどどうしても言いたいことが一言。

     さくらさん、しょっちゅう総合病院のお偉いさんにTELかけすぎ!!
    (ネットで調べて思いついたりたかじんの病状に少しでも異変が出たら、すぐかけてた様子)。
     総合病院の医師は複数の一刻を争う患者を多数抱えて、また、学会やらやたらと多忙なので、たかじん専属のホームドクターならいざ知らず、さくらさんが電話かけてたペースで全ての患者に付き添ってたら、医師の心身が先にまいっちゃうよ。
     医師名が実名で著書に紹介されてただけに、ほかの患者に「たかじんの奥さんのときはしょっちゅうTELで答えてくれたんでしょ、有名人だから贔屓したの!」とか、あってはならないクレームを招かれないと危惧。幾ら医師がたかじんに対する好意で善意から対応していたとしてもね

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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