ナオミとカナコ

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 2295
レビュー : 422
  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026728

感想・レビュー・書評

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  • 百貨店の外商部に勤めるナオミが、夫のDVに苦しむカナコを救うために、二人で夫を殺害する。
    最後はどうなるのかが気になって、彼女たちを応援しながら先へ先へと一気に読んだけれど…。あまりにも安易な行動にはびっくり。特に、マンションや銀行の防犯カメラを意識していなかったというのは、衝動的な殺人ならともかく、綿密な計画を立てて予行演習までしたにしては、ずいぶんお粗末なのでは。
    こういう設定であるなら、徹底的に闇を描いてさらにパワフルな桐野夏生のほうが一枚上かな。

  • 「ページをめくる手が止まらない」感覚を味わうのは、実に久しぶりだった。しかもその手が、ページを追うごとにどんどん冷たくなっていく。この感覚は初めてだった。

    直美と加奈子は大学の同級生で、今もたまに連絡を取り合う仲。ある時、加奈子が夫のDVに身も心も傷ついていることを直美は知る。一向に止まないDVを見かねた直美は、ついに加奈子に夫殺しを持ちかける。
    偶然知り合った、夫にそっくりな中国人を買収。彼を中国に脱出させる=夫の失踪に見せかけるという計画は細部も含めて完璧なように思えた。しかし、そこはしょせんド素人2人の犯罪。殺害後、さまざまな綻びが生じてきてしまう。執拗に兄の死の真相を追求する義妹をかわし、2人はともに生きようと誓った未来に踏み出すことができるのか……?
    計画を話し合う段階から、もう自分がそれに加わっているような感覚。綻びが現れるたびに自分もドキリとするし、ラストの逃亡劇では息苦しさまで覚えてしまっていた。

    後半150ページを一気に駆け抜け、最後の1行を読み終えた瞬間、思わずソファにぐったりと身を沈めてしまった。文句のつけようのない大傑作!

  •  厚さと重そうな内容に後回しにしていたのだが、奥田英朗さんの新刊はとても面白かった。後半はコミカルですらあった。と言っては、必死の直美と加奈子に悪いか。

     百貨店の外商部に勤務する直美は、学生時代からの友人の加奈子が、夫からの酷いDVに悩まされているのを知る。警察への通報を勧めるが、夫を恐れて首を縦に振らない。しかし、このままではいずれ殺される。かくなる上は…。

     物語は単純明快。2人でDV夫の殺害を決意する。もちろん、捕まる気はない。失踪を装い、知らぬ存ぜぬを貫く。短絡的といえば短絡的だが、様々な要因が成功を確信させ、背中を押した。大丈夫、計画に穴はないはず。ところが…。

     友人とはいえ、直美がどうしてそこまでするのかと思わなくもないが、ある人物との出会いが大きいだろう。仕事上のトラブルで、最初は嫌々相対していた。気がつけば、生き馬の目を抜く世界で生きてきた者の心意気に、すっかり心酔していた。

     そして、何より計画の鍵となるのは…。この偶然がなければ、こんな計画を思いつかなかっただろう。殺害そのものは簡単だ。本番はこれから。警察が失踪人捜索に熱心でないのは計算済み。夫の勤務先や親族を、どうやり過ごすか。

     いくらDV夫とはいえ、母からすればかわいい息子である。はいそうですかと納得するわけがない。対照的に、さっさと収束させたい勤務先。しかしここにも、彼の身を案じ、簡単に引き下がらない人物がいた。2人は徐々に、甘さを思い知らされる。

     確実に包囲網が狭まり、2人が追い込まれていく描写に、読むペースがどんどん上がる。ああ、こんなに楽しいなら、早く読むべきだった。完全犯罪の前提が崩れると、2人は丸裸も同然。現代社会の監視の目から逃れるのは、容易ではない。

     冷静に考えれば、最初から穴だらけの計画だったわけである。いよいよ万事休すという局面で、むしろ加奈子の方が肝が据わり、主導した直美の方が弱気なのは興味深い。最後のページまで執念と執念がぶつかり合う展開は、いっそ清々しい。

  • DV夫は許せないけど、この展開は……。
    逃げる道を選ぶな。自分がどうにかしなければと思い出すとこの結末に至ってしまうもの。
    朱美さんの図々しさが欲しい。

  • 最終行読み終えて、キャー!って声にでちゃった。
    あぶなっかしい2人に、途中イライラしてしまったけれど、そういう風にできていたんだ!やられた!(嬉)
    完璧な犯罪じゃない、犯罪のあとの魂のありようがテーマ、爽快。

  • 2015/7/15スピード感あって面白い。2日間で読んでしまった。ラストも良かった。奥田英朗さんの作品の中でも好きな作品。★5

  • 久しぶりに奥田英朗の小説読みました!
    ドラマにもなったそうですね〜
    とにかく面白かったです(^ ^)
    後半はハラハラドキドキでした!

  • <あらすじ>
    二人は運命を共にし、男を一人殺すことにした。「わたしたちは親友で、共犯者」復讐か、サバイバルか、自己実現か??。前代未聞の殺人劇が、今、動き始める。望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追いつめられた二人が下した究極の選択……。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」すべては、泥沼の日常を抜け出して、人生を取り戻すため。わたしたちは、絶対に捕まらない??。ナオミとカナコの祈りにも似た決断に、やがて読者も二人の〈共犯者〉になる。比類なき“奥田ワールド”全開! 待望の犯罪サスペンス長篇!!

  • ドラマのあることさえ、気付かなかったのですがそういえばコレ、話題になってた…みたいなノリで読み始めたらぐいぐい。

    え、ラストはあれでいいのですか?
    ドラマ的にはいいのでしょうね。

    だって、殺人じゃなくて「削除」なんですものね。

  • 恐ろしい。DV…

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『家日和』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』『ヴァラエティ』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。

「2019年 『ヴァラエティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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