- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344026728
感想・レビュー・書評
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レビューを拝見して、読みたくなった本です。ありがとうございます。
435ページ一気読みでした。
服部加奈子の夫のDVは酷く、それに気づいた親友の同級生、小田直美は「復縁を迫った夫が、元妻の実家に押しかけて親兄弟を皆殺しにして自分も自殺、そういう人間が世の中にはいるの」「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」
と持ち掛けます。
二人は共謀して夫の達郎を殺し、富士の樹海に捨て、夫そっくりの中国人男性を見つけて夫のパスポートで中国に帰るように指示します。
このまま二人で逃げ切る話だとばかり思っていたら、そうは問屋が卸さない。
加奈子は夫の職場から出社していないという連絡を受け捜索願をだします。
それで終わりかと思ったら、まだ後半が半分ある。
二人のたてた計画は用意周到と思っていたら、かなり杜撰で所々からほころびが見えてきます。
そして、夫の実家の妹の陽子が現れて加奈子に疑惑の目を向けます。
「加奈子さんは何か隠しているでしょう」
陽子の追求の目は厳しいもので、興信所をやとわれ追い回されます。
ナオミとカナコの味方はナオミの元顧客の中国人女性、李朱美のみ。
夫のDVがあまりに酷いものだったので、この物語はナオミとカナコを応援せずにはいられません。
二人は逃げ切ることができるのか…。
それとも捕まってしまうのか…。
大変、心臓に悪い、ハラハラ、ドキドキする話でした。
中国人女性の朱美に感化されて中国人のようにだんだん強くたくましくなっていくナオミとカナコの成長ぶりが読んでいて痛快でした。 -
待ち望んだ長編、めちゃくちゃ面白かった!
完全犯罪を目論んだつもりが、徐々にほころびが見え始め、
義妹にじわりじわりと追いつめられるところでは、
もう音が聞こえるくらい心臓がドキドキ。
読みながら「あかん、そんなん危ないって!」と心で叫ぶ私は
さながら3人目の共犯者。
この話のキーを握るのは、李社長と替え玉の林、二人の中国人だ。
平気で嘘をつき証拠が無ければシラをきり通し、
でもいったん家族(仲間)と認めると厚情で裏切らない彼ら。
日本人には思いもよらない行動をとる彼らに振り回される直美と加奈子。
中国と日本の国民性の違いを上手く利用し、組み立てられたプロットはお見事。
中国人の逞しさを見習い、どんどん強くなっていく二人の肝の据わり具合がいい。
ラストの空港までの逃走劇は、最後の1行を読み終えるまで緊張の糸が緩まず、
ドキドキを静めるため深呼吸などしながら読み終えたのでした。
まさに極上のエンタメ小説。やっぱり奥田作品にハズレなしっ!! -
読了直後でまだ心臓のドキドキが止まらない。
ラスト一行でほっとしたけれど、すぱっと駆け抜けた感じなので余韻が消えていかないのだ。
ついこの間「紙の月」という映画をみたばかりで、またしても「逃げ切る!」というタイプのお話。
なぜか映画にも本作にも、非難めいた気持ちは持たなかった。むしろ共犯者となり、「逃げろ!早く!」と居ても立っても居られない気持ちでページをめくった。指が震えた。
最初はナオミのほうから話が始まる。物語の始まりなので、若干気が重かった。つらく憂鬱な現実がこれでもかと描き出される。朱美社長とのトラブルもまたうんざりした気持ちになるものだった。
ところが、朱美社長とのやりとり、特にナオミが彼女に親近感を抱き始めるところから、小説の雰囲気が変わり始めた。読んでいる私も、あきれつつも朱美社長に好感を持ち始めた。突き抜けたら案外好きになれるものかもしれない。
「腹をくくる」ということの清々しさということを考えた。うじうじ、後ろ向きに、被害者的に物事を考えていたら悪いほうにしか進まない。済んだことは割り切って、これからどうするかを考える。この途方もない前向きさとエネルギーが、物語に明るい光を投げかける。
カナコの章になると、風雲急を告げる展開になる。
クリアランス・プランのずさんさが次々にあぶりだされるのだが、このあたりのほころび方がなんともリアル。
読者として読めば「どうしてそんなことに気づかないのか」とか「「なぜそこで高を括るのだ」とじりじりしてしまうが、もし実際に自分がその立場だったら、きっとこんなふうになってしまうんじゃないかと思わせるから。
暴力夫から逃れることについて、他人は簡単に「逃げればいい」とか「離婚すればいい」というけれども、自尊心が根幹から破壊された人間には、そういう選択肢はあり得ないのだ。殺されてしまってから初めて同情するのが傍観者。「殺されていい人間などいなのだ」というなら、DVで殺されてしまう人の立場はどうなるんだ。
序盤であっさり殺されてしまうカナコの夫。彼の母親や妹の造形を見ると、ああ、こういうタイプの家系なのかと納得できるように描かれている。
「母の愛」を絶賛する人は、カナコの夫の母親の姿が理想なのかな。まさにあれは「母の愛」だと思うが。
女の強さの、いろんなパターンが描かれていて、非常に興味深かった。 -
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こんにちは(^-^)/
ナオミとカナコ、読み終わったよ〜♪
言われた通りサクサク読めたよ。
私もあれこれ考えてもやもやしたり...こんにちは(^-^)/
ナオミとカナコ、読み終わったよ〜♪
言われた通りサクサク読めたよ。
私もあれこれ考えてもやもやしたりイライラしたり(私も赤ちゃんはちょっと…)。
でも最後はやっぱり、『逃げて〜』と思ってしまうよね(笑)
天海さんのドラマ、私もナオミとカナコだって嬉しかった。
そして、杜のうさこさんが私を思い出してくれた事を知ってもっと嬉しくなったよ(⁎˃ᴗ˂⁎)
あのドラマ色んな本が出てきて面白かった。
最後はちょっと…う〜んだったけど(笑)
体調の方はどうかな?
寒くなってきたから気をつけてね。2015/12/13
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初めて読む作家さんでした。今まで知らずに損したという感想です。
百貨店の外商部に希望せず勤務する直美と銀行員の夫のDVに耐える加奈子。この二人がひょんなことから犯罪に手を染め、だんだんと追い詰められていく。犯罪を犯す前のドキドキと犯罪を犯した後のドキドキの2種類のサスペンスが味わえます。
ページをめくるのがもどかしいほど、読んでいるこちらもハラハラ、ドキドキしてしまいます。
登場人物のつながりの設定も、無理をせず、自然な感じで色々な人が二人に関わります。
物語の骨子はよくあるパターンでしょうが、それを飾る文章力はすばらしいです。
他の作品も読みたくなりました。 -
「ページをめくる手が止まらない」感覚を味わうのは、実に久しぶりだった。しかもその手が、ページを追うごとにどんどん冷たくなっていく。この感覚は初めてだった。
直美と加奈子は大学の同級生で、今もたまに連絡を取り合う仲。ある時、加奈子が夫のDVに身も心も傷ついていることを直美は知る。一向に止まないDVを見かねた直美は、ついに加奈子に夫殺しを持ちかける。
偶然知り合った、夫にそっくりな中国人を買収。彼を中国に脱出させる=夫の失踪に見せかけるという計画は細部も含めて完璧なように思えた。しかし、そこはしょせんド素人2人の犯罪。殺害後、さまざまな綻びが生じてきてしまう。執拗に兄の死の真相を追求する義妹をかわし、2人はともに生きようと誓った未来に踏み出すことができるのか……?
計画を話し合う段階から、もう自分がそれに加わっているような感覚。綻びが現れるたびに自分もドキリとするし、ラストの逃亡劇では息苦しさまで覚えてしまっていた。
後半150ページを一気に駆け抜け、最後の1行を読み終えた瞬間、思わずソファにぐったりと身を沈めてしまった。文句のつけようのない大傑作! -
読みながらドキドキしました。直美と加奈子は普通なら犯罪者なのに、どうしても彼女たちに感情移入してしまい、最後までドキドキしながら読みました。
ただ、ナオミの章とカナコの章とで別れていますが、物語は一人称で進んでるわけでもないので、あまりその役割は果たしていなかったかと。
ですが、その点をふまえても、★5つの小説でした! -
2015/7/15スピード感あって面白い。2日間で読んでしまった。ラストも良かった。奥田英朗さんの作品の中でも好きな作品。★5
この本、面白そうですね。読みたくなり、レビューは途中までしか読んでいません。本当に読もうかな?
この本、面白そうですね。読みたくなり、レビューは途中までしか読んでいません。本当に読もうかな?
もし、この本を読まれるのでしたら、レビューは、途中までにされておいてよかったですね。
私もブク友さんが、星5をつ...
もし、この本を読まれるのでしたら、レビューは、途中までにされておいてよかったですね。
私もブク友さんが、星5をつけてらしたので、読みましたが、ハラハラして、心臓ドキドキでした。