- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344027114
作品紹介・あらすじ
事件の後、さやかは娘のみちると幸せに暮らしていた。昔の恋人と再会し、忘れ得ぬ人々へのつのる想いを重ねながら、愛と祈りの絆は、やがて鐘の音のように地上に広がり渡る。
感想・レビュー・書評
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かなり久しぶりによしもとばななさんの本を読んだ。
そうじゃないところもあるのに、ずっと穏やかな気分でいられる。
激しい起伏があるでもないのに、さくさく読めて浸れる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゆったり、のんびりした気分になる。
暑いバリも魅力的。
夏は暑くてニガテだけれど、それも受け入れれば心地よく感じられるようになるのかも。
考え方しだい!? -
なんとなく没入できそうなボリュームだと思って手に取ってみた本、一気に読んでしまって久しぶりに心地よい読了感で満たされている。おだやかな気持ちでするする読めて、登場人物みんな好きになった。さやかさんもみちるもお義母さんも、悟も一郎もみんな素敵。すごくバリに行ってみたくなった。そしてイダさんにマッサージしてもらいたい、兄貴の家に遊びに行きたい。
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良かった…!久しぶりに良い本と出会えました。
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きっかけは、まあ七尾さんの曲名の作品をばななさんがというわけで、興味。
ばななさんの作品の、スピリチュアル的要素が高いものは、そのときの精神状態によって、なんだか良くない方向に入ってしまうこともあり、最近はちょい苦手。でしたが、本作はまあ、ギリかな。登場人物のひとりひとりが素直にきらめき過ぎてるんだな。特に娘のみちるちゃんのかがやきといったら。
ばななさんの作品には、いつもすてきなことばがちりばめられていて、なかなかそれを素直に受け止めることができません。そう思えれば、今の苦しみもどこかへ行ってくれるのだろうか、などと考えたり。
「いやなやりなおしもたくさんあるし、ここがもうどんづまりってところも何回もあるけど、じわじわっとねばっているうちに勝手に時間が流れて、またなんだか風通しのいいところき出ることがあるのが、自然の中に生きてる全部の生き物にある可能性だよね。まあ、それでだめなときは力つきるしかないんだけれど。」 -
かなりさらっとした内容の本だと思う。
多少センセーショナルな内容もあるにはあるが、割に淡々とさらさらと描かれている物語。
正直言うと、タイトルから連想した内容とは違ったし
始まりの展開の仕方はわくわくしたけれど、
タイトルの意味合いもいまいちぴんとはこなかった。
そんな馬鹿な、とか、馬鹿にするな!とか
これを読んでいて思いたくなる人の気持ちもわかる。
ほっとする、癒されるという人の気持ちもわかる。
自分はと言えば、中間かなという感想。
さやかの指が動かない、その怪我を負った理由というか
状況は衝撃的だったし
そうそううまくいかないという気もした。
伊坂幸太郎先生の小説を読んでいて感じる
どうしようもない本当に根っからの悪人、
話が通じる訳がない全く違う人種、という怖さに比べると
そこまでの怖さが伝わってこなかったので
寧ろそこまでしてしまうさやかや、そんなことが起きた場所、状況に恐怖しぎくしゃくしてしまうという
周囲の方が真っ当かなと思った。
『悪人』をこのままにしておいたらどんなことになるか
ということを、もっと描いてくれていれば、主人公に感情移入も出来て良かったのかな
とも思うが、そうするとやはりばななさんの小説とは異なってしまうとも思う。
人との距離感の取り方のヒントになれば、という趣旨のことを、ばななさんが仰っていたそうだが
時間が解決してくれて、どうにもならなかったことがふっとほどけることも人生には確かにあると思う。
確かに今はどうにもうまくいかないけれど、一度距離を取るとうまくいくことがあったり
どうにもならないから逃げるしかなかったり
逃げることや一時撤退を駄目なことに言われることも多いけれど
実は自分や周りを守る為にはとても大事なことで、
無理しなくていい、逃げてもいいというメッセージに救われる人もいるのではないかなと思う。
指の怪我にしても、治るまでに時が必要で
指自体はそれは動いた方が楽に生活出来ると思いがちだけれど
治る兆しが見えるまでに、指が不自由なことで得られた様々なものが
人生という大きなスパンではどうしても大事だったのだと思う。
早く治ってほしい、治らないなんて辛い、というところにしか目を向けられないこともあるだろうが
実は後でなにかきっかけがあって、この未来の為にあった過去だったのだ、と気がつくと
嫌な過去が良い過去に変わることがあるのだ。
"できることをやっていたらいつのまにか叶うのがほんとうの夢"
"どれだけ自分の中に思い込みがあって、それにどれだけしばられているか、それは偏見がない人たちに接してみないとわからない"
"ちょっとした句読点みたいにすっかり街に根を下ろしていた。"
なにげない言葉だけれど、言い回しなどがぽんと腑に落ちる言葉だった。
いつかバリに行ってみたいなと思う。 -
ばななさんの本は『キッチン』『白河夜船』が流行っていた時と、そして読メに登録してからのしか読んでいないのですが、根底にあるのは「癒し」なのかなと思いました。登場人物は変わった人が多いのですが、皆いい人で物分かりが良い。主人公は過去に負った傷を周囲の人や自然に癒されて立ち直っていく。その過程を主人公の思索の中に読者が感じていく。そんな似たような工程をばなな作品に感じてしまいました。途中までは、それを食傷気味に、うんざりしながら読んでいたのですが、最後には清々しい気持ちになってしまったのが、自分でも不思議です。まんまとばななさんの術中にはまってしまったのか、それとも私自身が癒しを求めていたのか。 “なるようになる” それを肯定できるような優しい作品でした。
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痛いとか怖いとかもあるけど、それも包み込むような優しいとかあったかいで溢れていました。
読んでる最中も読んだ後もすごくホワホワして旅に出たくなる本でした。 -
心の奥の方のやらかい場所があったかくなる。
とっても良い本