それを愛とは呼ばず

著者 :
  • 幻冬舎
3.45
  • (23)
  • (75)
  • (75)
  • (21)
  • (5)
本棚登録 : 511
レビュー : 96
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027336

作品紹介・あらすじ

妻を失い、仕事を奪われ、故郷を追われた54歳の経営者。夢を失い、東京に敗れた29歳のタレント。そしてふたりは、出会ってしまった。狂気を孕んでゆく女の純粋は、男を搦めとり、その果てに-。想像の範疇をはるかに超えるこのラストを、あなたは受け止められるか?桜木紫乃、最高傑作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 何かの作品の後ろの紹介欄であらすじを読んで、読んでみたくなった作品。
    新潟で飲食店などを経営する「いざわグループ」の副社長の亮介は、ある日10歳年上でグループの社長である妻が事故に遭い、意識が戻らぬまま、義理の息子に会社を追われる。
    知人の紹介で不動産会社に職を得た亮介は、銀座のクラブで芸能事務所をクビになったばかりの沙希と出会う。
    大事なものを喪ったばかりの二人が出会うことで起きる出来事が静かに語られる。
    サスペンスとあったので、読んでみたのだが、確かにラストだけはサスペンス要素があったが、何をメインで描きたかったのかがよく分からない作品だった。
    タイトルどおり、恋愛小説でもないし、何とも微妙…
    この作品でラブドールと言うのが何なのか、初めて知った。ちょうどそのような内容の映画が公開されるタイミングだったので、意外なところで正体が分かったのは唯一の救い。

  • 桜木さんの本は9冊目。

    年上で実業家の妻と結婚した亮介。
    妻は年を重ねてからの再婚だったため、一人息子がいた。
    その妻が事故に遭遇し、意識不明のまま。
    そして、息子に仕事、故郷を追われる亮介。

    10年間、タレント事務所に籍を置きながらも仕事に恵まれず、夜のアルバイトを続けていた沙希だったが、タレント事務所を首になり…

    そんな二人が出会うべくして出会う。
    その地はもちろん(?)北海道。

    桜木さんの作品だ…
    ずっとそんな風に感じながら読み進めました。
    ちょっと意外なラスト。
    重い…

    桜木さんの本を読んだ後は、少しさわやかな本が読みたくなる。

  • 桜木さんの本は2冊目で、「ホテルローヤル」を読んだ時は全く面白さが分からなかったのだが…。
    物語終わりの急展開に驚愕し、最期の1ページで凍りついた。紗希の狂気は、小木田と出会って一気に開花してしまったのか。
    それは、愛ではなく狂気。
    しかし、紗希にとってはまぎれもない愛。

  • 2017/3/1読了。
    まさかの最後のどんでん返しには息を飲んだ。
    私はそれも愛と呼びたいと思った。
    他の人には測れない、その人の幸せを想った愛し方もある、と思ってるから。

  • 理解はできないし、不気味ではあるけれど、これはある意味、とてつもない純愛。

  • ちょっと怖かったです。
    普通の人だと思ってたら少し狂ってたというか、どうしてさみしさは連鎖するのかなとか寂れた情景と心の寒さが重なってやるせない気持ちが残りました。

  • こつこつー。 こつこつー。
    この音が紗希の狂気を目覚めさせる。

    ジワリと怖い。

  • 途中までは叶わぬ恋に苦悩する女性のストーリーかと思いきや。。。
    中盤から少し怖さが見え隠れするが、ラストが怖い(¯―¯٥)
    女は怖い。。。。

  • 設定やそこで起こる出来事が、ではなく、登場人物の内面の描写がいつもより"薄い"印象。まず、主人公の一人である亮介と妻の章子との関係が描き足りていないと感じた。さらにもう一人の主人公である紗希の心の動き。ラストに向けての敢えて、なのかもしれないけど、やっぱりちょっと物足りなかった。丹念に追ってはいるのに踏み込んでいないというか。新聞連載のせいかとも思ったものの、読後に何かの記事を読んだら先に仕上げてあったということだし。まぁ、桜木さんといえどこういうこともあるのでしょう、ということで。

  • 何となく、これまで読んだ桜木さんの感じとは違った。

    相変らず桜木さんの小説は暗いのだけど、今回のこの『それを愛とは呼ばず』はいつもにまして暗い。
    そして重くて、とにかく怖い。
    暗い、重い、怖いという小説。

    これまでの暗さは澄んだ水のような感じの暗さだった。
    キンとした冷たさ、底が見えるほどの透明感、星の光を反射させてキラキラと揺れて輝く水面。

    でも今回の暗さはずしんとくる。
    垂れ込めた低い雲、なま暖かくまとわりつくような空気、血や土や消毒液などのイヤな臭いがする。

    それだけ桜木さんという作家がすごいということでもある。いや、本当に、すごい作家さんだと思う。

    私は『氷平線』の方が好きだけれど、『それを愛とは呼ばず』はすごい作品だと思う。
    前半、読みはじめた時は「桜木さんぽくないなぁ。あんまり好きじゃないなぁ」と思ったけれど、後半はスゴイ。どんどん暗くなって重くなって怖くなる。

    本当に怖い話だった。あっという間に読んでしまったのだけど、あまりの暗さと重さと怖さに、読み終えてから私の精神が悪くなってしまって動悸と目眩を起して慌てて精神安定剤を飲んだくらい。
    心の弱っていないときに読むことをおススメします(苦笑)

全96件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。07年、同作を収録した『氷平線』で単行本デビュー。13年、『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞を受賞。『ワン・モア』『起終点駅(ターミナル)』『ブルース』『それを愛とは呼ばず』『霧(ウラル)』『裸の華』『氷の轍』『ふたりぐらし』『光まで5分』『緋の河』等、著書多数。

「2020年 『砂上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桜木紫乃の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

それを愛とは呼ばずを本棚に登録しているひと

ツイートする
×