1981年のスワンソング

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 179
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027350

作品紹介・あらすじ

1981年にタイムスリップしてしまった俊介。レコード会社の女性ディレクターに頼まれ、売れないデュオに未来のヒット曲を提供する。「歴史を変えていいのか」と躊躇はあるが、背に腹は替えられない。リリースされた「世界に一つだけの花」「赤いスイートピー」「TSUNAMI」は次々に大ヒットし、俊介は過去で生きる決心をするが…。意外すぎるラストまで一気読み。ヒットソングに乗せて贈る、痛快エンタメ。

感想・レビュー・書評

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  • 現代からいきなり1981年にタイムスリップしてしまった男性の話。
    そのタイムスリップの仕方も理由のなさもあまりに唐突で、かわいそうになっちゃいましたが!
    主人公もその唐突さに途方にくれるものの、住むところもないし仕事をしたくても住所も書けない、保証人になってくれる人もいない…という過酷な状況から少しずつ抜け出していく様子は単純に「がんばれー!!」と応援したくなりましたね。
    そして公園での路上生活する中で、1981年以降に発売された名曲、ヒット曲をバンドとして歌ったところ、レコード会社の人から目をつけられてゴーストライターになっていく辺りから、「それ、まずいんじゃないの?! だってあの名曲だよ!」と、なんとも落着けない状況になりました。
    いや~~、いつ現代に戻れるか分からないし生活もできないような状況で、著作権もなにも気にすることなんかできないよ と言われればそれまでですが、やっぱりそれはまずいよ! と思いつつ、あの名曲なら1981年でもヒットするかな、いや、あの時代にあの人が歌ったからヒットしたんだよな とか思いを馳せることができて楽しい作品でした。
    音楽関係の人が読んだら確実に怒りそうな内容ですが…(笑)

    また同時に1981年ってこんなにも現代と違ったのかな と、感じました。
    セキュリティーの甘さとか、携帯電話がない状況とか、レコードで音を出す環境とか音楽をレコーディングする時の環境とか、バブル前夜な雰囲気とか…。
    たった三十数年で、日本ってこんなに変わったんですね。
    いい変化もあれば昔の方がよかったかもっていう変化もあるのが面白いなと思いました。

  • 1981年、個人的には長男が生まれた年なので、何となく思い入れがある。
    その時代、こんなだったか~、と膝を打って笑い転げることだらけ。
    確かに携帯電話はなかった。パソコンももちろんない。
    みんなテレビが好きで、同じヒット曲を聞き、喫煙者が許容されていた。エアチェック、電リク、デザイナーズブランド、懐かしすぎる!
    1981年には存在していなかったスマップ、2014年にはまだ全盛期だったはずだが、さらにそこから3年経った今では解散してしまっている。時の流れの早さを実感。
    松尾は現代に戻れるのか、この先どうなるのか、残りページが少なくなるほど心配になってしまったが、ああいうオチが用意されていたとは・・・

  • 何故か突然1981年にタイムスリップした松尾。生活のため、レコード会社のディレクター、小夜子に1981年にとっては未来の歌となる曲を提供する。実際に大ヒットしているあの歌やこの歌は、1981年でも大ヒットに。嫌な上司に不当な扱いを受け、失脚させられそうになった小夜子を助けない松尾にイライラ。松尾がタイムスリップした理由がちょっと意外。将来の音楽シーンへの影響は…?ちょっとスッキリしない部分もありましたが、1981年も知っている自分には、2つの時代のギャップなどが面白く、2倍楽しめた感じです。

  • スケール壮大。
    名曲は今聴いても口ずさむくらい印象強いけど過去に遡り今の歌も受け入れられるかっていうその発想がすごい。
    世界に一つだけの花とかTSUNAMIはきっと想像通りだろうなぁ。LOVEマシーンは笑いました。
    俊介には使命があったんだと思うと今の世の中もどんなことでもありえてしまう気がします。

  • タイムスリップ物だが、戻ってこれるわけじゃない類い。
    果たして、自分が主人公だったらどうするかなと思いながら読みました。

    昔のヒット曲を使っての楽曲提供のくだりも
    多少言いわけがましいが
    無理なくとんとんと進んでいく。

    曲名を聞いて、いろいろ納得させられる部分があったり
    この「もしも」が結構面白かった。
    でも、「赤いスイートピー」はドキドキした。
    近過ぎるんじゃないかな……なんて。

    懐かしい「ザ・ベストテン」の場面もあり
    大昔、名古屋のライブハウスの前を歩いていたら
    急に番組が始まってびっくりしたことを思い出します。
    そうそう、こういう番組だった。

    秋元康さんの場面も、思わずニンマリしてしまった。

    ラストは悪くないが、唐突感は否めない。
    まあ、盗作はやっぱりよくないよね。
    どこかひっかかるところがあったし
    ラストの方向へ持っていくところが、結局はよかったのかも。
    主人公がかかわった未来はどう変わっていくのか?
    興味も湧きました。

  • 2015.11.18-

  • 2014年から1981年にタイムスリップした松尾。音楽デレクター小夜子に見初められ、未来の世界のヒット曲を元に、新人アーティストに楽曲提供をするようになった。

    軽めのエンタメ小説。
    可もなく不可もなく、楽しく読みました。
    1981年、そんな時代だったかなと、いろいろ思い出したりして、懐かしい気分も味わいました。
    スマホのない世界、もう忘れつつある自分にも驚きますが、いい時代だったと、そののんびりした感じを思い返しました。

    この先の松尾はどうなるのでしょうね。
    いろいろ想像するのも楽しいです。

  • 著作権の問題は大丈夫!?とかこんなことしちゃったら未来は大きく変わってしまうじゃない……とか細かいことを抜きにして純粋にエンタメとして楽しめば面白い。最後のS社の社長の登場は……これでよき未来になるのか?タイムスリップものなのに戻れないんだな、とか過去を改変してはいけないとかそういった定石は全部この作品を読む上では取っ払ったほうがいいかも。

  • 世代的にはまさにツボの時代背景でしたね。私の好きなタイムスリップ物ですし。
    こんな時代だったかな〜、いやこんな時代だったな〜と思いながら懐かしく読みました。
    SF的な説明は全くなく、いきなり1981年に放り込まれるわけですが、音楽的知識、素養があった為、ヒット曲の記憶の切り売りをして生きていく主人公。何年か前に漫画になった「僕はビートルズ」とネタ的には同んなじです。が、展開が此方がより世俗的。生きていくためにはしょうがないじゃん、歴史が変わってもしらんよ、そんなの、と言うある意味潔い、言い方変えたら無責任な展開。
    「僕はビートルズ」の方がマジメなオチでしたね。
    でもエンディングは此方の方が好きです。より荒唐無稽で。これから主人公はどうなるの?彼女とは本当に終わり?いくらでも想像を膨らませる事の出来るラストです。続編は書かないほうがいいかな。

  • 一気読了。
    読む世代を選ぶエンタメ作品。
    私は充分楽しませて頂きました。
    タイムスリップの仕方と、タイムスリップの目的が判明したところで終わっちゃったのはなんとも素っ気ないと言うか、物足りない感じでしたが、次々とフライングで発表される名曲に、フィクションなのに著作権が少し心配になるほどでした(^^;;
    タイムスリップものを読むたびに、いざという時のために、いろんなこと憶えておかないと…と思ってしまいますが、まず実現されることはない…ですね。
    数年後、主人公は生まれるのか生まれないのか、主人公は結局1981年の時代から生涯を終えることになるのか…あまりにも多くのことが風呂敷広げっ放しで、気になりすぎます。続編があれば読んじゃうだろうな。

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