誓約

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 148
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027428

作品紹介・あらすじ

愛する家族と穏やかな日々を過ごしていた男に、一通の手紙が届く。「あの男たちは刑務所から出ています」。便箋には、ただそれだけが書かれていた。

感想・レビュー・書評

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  •  15年前にアルバイト先の客だった落合に誘われ、川越で
     レストランバー『HEATH』の共同経営者となり、マスターとして働く向井聡。
    私生活では、妻と小学三年生の娘と幸せに暮らしていた。
    ある日、聡に「坂本伸子」という女性から手紙が届く。
    すぐには誰だかわからなかったが、名前の主に思い至ると
    鼓動がせわしなくなって、封筒を持つ手が小刻みに震えだした…。
    便箋には、『あの男たちは刑務所から出ています』それだけ書かれていた…。


    顔半分が痣に覆われていた。親に捨てられ、施設で育った。
    全ての原因を顔にあると思い、暴力により身を守り、存在を誇示し、
    粗暴を絵に描いたような男。悪の限りを尽くした…。
    戸籍を変え、整形し別人として16年生きて来た。
    幸せな家庭を築き、仕事にも恵まれ幸せな日々。
    それが、一通の手紙から一気に過去へと引き戻される…。

    「坂本伸子」って誰?その手紙は何?聡に何があったの?
    頁を捲る手が止まらなくなった。
    少しずつ明らかにされる聡の過去…。
    脅迫者は誰なの?途中迄予想も出来ずにいたが、もしかして…。
    でも、まさかって気持ちが大きかった。
    でも、やはりその人が犯人だった。
    ミステリーとして、読み手を引き付け謎が膨らみ先が気になって仕方がない。
    予想も出来ない意外な展開。ドキドキ・ハラハラの連続。
    ラストの衝撃の真実!!
    とっても面白かった~ムード
    希望の光が見えるラストも良かった。

    ただ、帯にある
    ー一度、罪を犯した人間は幸せになってはいけませんかー
    現実には、本当に罪を悔い贖罪の日々を送っている方もいると思いますが、
    聡の家族を愛する気持ちには心を打たれた。
    しかし、彼は過去の罪に真摯に向き合ってもいないし、
    犯した罪に対する贖罪もしていない。
    罪を犯した人は犯した罪を忘れるが
    犯罪被害者の遺族や関係者は悲しみの無間地獄に落ちている…。
    そこがちょっと引っかかった。

  • 誰がどこで何がどうつながっているのかグイグイ読みすすめられた
    依頼者の気持ちに共感できる部分はあるが 
    向井の妻の立場になると受け止めきれないことが多する。。

  • 図書館で。結末、エンディングに向けてのハラハラの度合いが半端なかった。最初の方で伏線が張られていてあー、そうだったのか!とわかったときは鳥肌。家族が仲間がバラバラにならなくて結末が救いでした。

  • 先が気になる上、読みやすかったので
    あっという間に読み終えた。
    暗い話だけど、読んでいて暗い気持ちになることは
    なかった。

  •  ヒースというバーでバーテンダーとして働き、妻と女の子の3人暮らしという普通の幸せを味わっていた、向井にに「坂本伸子」からの手紙が来る。
    その手紙によって、それまでの幸せな生活が破壊される。
     手紙や電話で、「子供を殺す」などと脅迫されて、殺人を強要される、向井。
     その殺人相手を探していく中で、向井の過去が語られていく。
    そして、最後の大どんでん返しには、やっぱりびっくり。
    惨さの中にも暖かさのある、薬丸さんらしいラストに癒されました。

  • 微かな救いはあるものの、この作品もまた人間の罪と罰をテーマにした重苦しい小説だった。いつもの薬丸岳ならば、説得力のある緻密なプロットに手に汗握り、感情移入しながら読むのだが、この作品には少しプロットの粗さを感じた。

    家族にも恵まれ、幸せに暮らすレストランバーの向井聡には、誰にも言えない過去があった…

    向井の驚愕の過去とタイトルの『誓約』の意味が少しずつ明かされると同時に向井は事件の火中に身を投じていく。

    現代版の『カルネアデスの舟板』といったところだろうか。

    向井を追い詰める者の正体は誰なのかという興味と二転三転の展開は相変わらず見事。

  • 20数年前に交わした呪詛のような誓約。
    今の幸せを守るため、再び闇に足を踏み入れる。
    先の全く読めない展開に完全に絡め取られた。
    やはり薬丸岳は、凄い。

  • 面白かった~。最後までわからない脅迫者と動機。誰が脅迫者か3回くらい騙された。登場人物が心が傷ついてる人ばかり。でも情のある人ばかりで救われる。

  • 初めての薬丸作品。犯人が思いつかない!以外でした。一気に読めた。

  • 「あの男たちは刑務所から出ています」

    愛する家族と穏やかな日々を過ごしていた
    向井の元に一通の手紙が届いた。
    一度罪を犯したら、人はやり直すことは
    できないのだろうか…

    薬丸さんらしい「罪を償う」とは
    「罪」はどうしたら「赦された」ことになるのか
    というテーマでした。
    「犯罪」は「被害者」と「加害者」だけでは
    ないんですよね…その周りの人たちがいるわけで。

    ただ、いつもの薬丸さんの作品と違って
    「ん?」と思ったのが、向井がやり直して
    家族を大事にして生きていこうとする姿は
    わかるのですが、彼は過去の罪に真摯に
    向き合ってないし、犯した罪に対して
    贖罪もしていない気がしました…
    罪の軽い重いはその被害者にしか
    わからないわけで、殺すよう依頼された二人は
    確かに外道ですが、二人に比べたら
    自分はそこまで悪いことをしてないから
    こんな目に合うのはおかしい、みたいな反応が
    少し疑問…

    帯に「一度、罪を犯した人間は
    幸せになってはいけませんか」とありましたが
    やり直すために復讐する約束をして
    お金をもらってやり直しているわけで…
    薬丸作品は「どうしようもなかった」
    「じゃあどうしたらよかったのか」
    みたいな事を考えさせてくれるなぁ、と思います。

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著者プロフィール

薬丸 岳(やくまる がく)
1969年生まれ、兵庫県明石市出身。1988年、駒澤大学高等学校を卒業。高野和明の『13階段』の影響で小説家を目指し、2005年『天使のナイフ』が生まれる。同作で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。日本推理作家協会現会員。
2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)をそれぞれ受賞。その他の代表作として「刑事・夏目信人シリーズ」があり、2018年2月にシリーズ最新作『刑事の怒り』が刊行されている。

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