ウツボカズラの甘い息

著者 :
  • 幻冬舎
3.62
  • (25)
  • (134)
  • (105)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 586
レビュー : 130
  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027718

作品紹介・あらすじ

家事と育児に追われ、かつての美貌を失った高村文絵。彼女はある日、出掛けた先で見覚えのない美女に声をかけられる。大きなサングラスをかけたその女は『加奈子』と名乗り、文絵と同じ中学で同級生だというのだ。そして文絵に、あるビジネス話を持ちかけるが-。この再会は偶然なのか、仕組まれた罠か!?鎌倉で起きた殺人事件を捜査する神奈川県警捜査一課の刑事・秦圭介と鎌倉署の美人刑事・中川菜月。聞き込みで、サングラスをかけた女が現場を頻繁に出入りしていたという情報が入る…。事件の鍵を握る、サングラスをかけた謎の女とは!?日常生活の危うさ、人間の心の脆さを圧倒的なリアリティーで描く、ミステリー長篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 初読みの作家さん。
    単純に面白かったー!特に後半は一気読みで。
    大御所が書くどっしりとしたミステリーとは違い深刻なテーマがあるわけでもないので、純粋になぞ解きを楽しむ事が出来た。
    軽快なテンポで進む文章も良かったし、登場人物それぞれのキャラクターも個性があって良かったと思う。
    久々に何も考えずに読書が出来て満足(笑)

    以前の美貌を失ったひきこもり気味の主婦文絵が、かつての同級生、加奈子と出会った事によってマルチ商法にかかわることになり、いつの間にか詐欺事件、はたまた殺人事件に巻き込まれてしまうという内容。

    文絵を軸にして展開する物語と、殺人事件を追う刑事の目線からみた物語が並行して語られ最後には一つになる。
    この辺りの構成もありがちだけど面白かった。
    このまま2時間ドラマに出来ると思う。
    キャストは誰になるだろうって真剣に考えてしまった(笑)

    オチもすっきり収まって読後感も良し。
    たまには正統派のミステリーも良いもんですね。

  • 柚月さんの本は7冊目。

    ウツボカズラと言えば、食虫植物。
    カップのような袋を持つその姿はどこか妖艶で…
    そんなタイトルがついたミステリー。
    からんでからんで、抜け出せない…

    柚月さんのミステリーは面白い。
    この作品も一気読みでした。

  • 二つのストーリーを並行に走らせながら描いていく手法が見事。特に警察の捜査の描写はリアリティがあっていい。

  • 読んでいる時は面白いと思えたのに、読み終えての感想はガッカリ、中身がないというもの。
    どんどん尻すぼみになる本だった。

    物語は2つの方向から進む。
    1つは、
    肥満ぎみで精神疾患をもつ主婦の話。
    彼女は若い時は美しかったが、結婚してからその輝きは失われていた。
    それが、懸賞で手にしたコンサートのチケットにより人生が一変する。
    彼女はそこで学生時代の同級生の女性と出会う。
    女性は有名な化粧品メーカーの社長と懇意にしており、その化粧品の広告塔として彼女に活動して欲しいと言う。
    1ケ月に数日、化粧品のアピールをするという仕事で、月収50万円。
    最初は躊躇していた彼女はその仕事を引き受け、どんどん美しくなっていく。

    もう1つは、
    鎌倉の別荘で男性の死体が見つかる。
    その事件を追う男性と女性刑事コンビの物語。
    彼らは事件を追う内に、ある化粧品会社が事件に絡んでいたことーさらにはその化粧品会社の代表をしていた女性にたどりつく。

    この2つの物語が進行していくので、最初の主婦の話は殺人事件につながっているのだろう・・・と嫌な予感で読み進める。
    多分、この女性は不幸になるんだろうな・・・と。
    それまで序盤では彼女の生い立ちが描かれていて、自身の容姿によって彼女の人生が上下している様子が丁寧に描かれている。
    そして、刑事二人の話ではベテラン刑事と美人刑事のやりとり、彼らの仕事ぶりや性格が描かれている。
    好感のもてるコンビだと思った。
    それなのに、最初丁寧に書かれていたものが後半ではあっという間に謎解きされて、彼らの存在が生かされてない。
    全く、浅くて内容のないものに思えた。
    殺害の理由、犯人の動機が浅いからというのもある。
    主人公の主婦との因縁、何かもっと深いものがあると期待していたからというのもある。
    何か、尻切れトンボのような印象をもって終わった本だった。

  • かつて美人。主婦になったら太ってしまったよ、というタイプなら過去の自分を取り戻そうと必死になるのもわかる。
    痩せたらまた美人なんだもの。
    カモを見つけて食い物にする悪い奴らっているのね。
    うまい話には乗らないことだ。

  • あることをきっかけに心に病を抱えた主婦、高村文絵が、昔の同級生に偶然出会ったことで事件に巻き込まれていくお話。

    飽きさせない展開で、いよいよ刑事に謎が解けてきたあたりまでは楽しんで読んでいたのだが、最後の最後、犯人が語る種明かし部分がなんだか陳腐な感じ。
    ミステリとしてはプロットも見事でいいのかもしれないけれど、小説としては文絵がそしてどうなったのかまで書いてこそ、なのじゃないかなあ。そこがとても物足りない。

    面白く一気に読めただけに残念。

  • 終わり良ければすべて良し……。
    なぜかこの言葉が頭に浮かびました。この言葉の対義語はあるのかな…??あるとすれば今そんな気持ちです。

    めちゃめちゃ面白かったのに〜、ラストに近づくにつれて気持ちがどんどん萎んでいった。

    忘れていた昔の同級生、サングラスの女、マルチ商法、胡散臭さ満載のストーリー展開で、どこでどう繋がってくるんだーと一気読みだったのに残念で仕方が無い。

    殺人事件、詐欺の被疑者は一体だれなのか核心に迫っていく所までは良かったんだけど、犯人が分かってしまってからの説明が長すぎやしませんか?気持ちがダラけてしまいましたよ。
    物語の軸になってた文絵も途中で置いてけぼりのまま終わってしまった感じだし。

    この話、読んでいて宮部みゆきの『火車』に似てるなと思ってたけど『火車』の終わり方が絶妙だったんだと改めて感心してしまった。
    初めて『火車』を読んだ時は「えー!そこで終わっちゃうの?」と衝撃だったけど今思えばすごく良いバランスだったんですね。

  • 心に闇を抱える主婦文枝が、中学時代の友人と名乗る女加奈子から、化粧品販売の仕事を手伝って欲しいと頼まれる。
    自信を取り戻し、美しく変身した文枝は、大金を手に、今までよりも贅沢な暮らしをするようになる。

    あちこちで目にしていて、図書館で半年以上待って読みました。
    面白かったです、とっても。
    文枝が変身していく様、文枝の後ろに見え隠れしている謎、先が気になって仕方がありませんでした。
    並行して進んでいく、事件を追う秦刑事達のストーリーの方も、ジワジワと迫っていく感じがたまらなかったです。

    ただ、最後の種明かし?が、あまりにも一気に展開しすぎな感じで、あっという間に終わってしまった感が否めず、ちょっぴり物足りなかった気がします。

    でも、引き込ませ度はかなり高く、ページをめくる手を止められませんでした。
    大満足です。

  • 美味しい話には気をつけていたはずが気づくと自分がマルチ商法の張本人になっているという空恐ろしいお話。しかもそれを仕組んだ犯人が仕組まれた人に何かドロドロした恨みでもあるかと思いきや、そうではないというのがまた恐ろしい。他人へのなりすましが肝となるが、情報溢れる現代ではそれもたやすく出来てしまうのが淡々と描かれており、リアルさを感じさせ更に恐怖を煽る。

  • 騙し続けて人は生きていけないなら、
    平凡でも普通に生きて生けれている
    事に感謝して生きようと思う。

全130件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
1968年生まれ。岩手県出身、山形県在住の小説家。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。2013年同作で第15回大藪春彦賞、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、同年『慈雨』で「本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10」第1位をそれぞれ受賞。2017年、『盤上の向日葵』で第7回山田風太郎賞候補、2018年本屋大賞ノミネート。
代表作として、テレビドラマ化された『最後の証人』『検事の本懐』を含む「佐方貞人シリーズ」。また、2018年に映画化される『孤狼の血』。

柚月裕子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ウツボカズラの甘い息を本棚に登録しているひと

ツイートする