きわこのこと

  • 幻冬舎
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本棚登録 : 128
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027992

作品紹介・あらすじ

ありふれた三面記事。見ず知らずの他人の出来事に鏤められた貴和子という女の人生。彼女はどんな罪を犯し、彼らに何をしたのか。そして貴和子は-幸せだったのか。

感想・レビュー・書評

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  • 三面記事の中の人物が関わった貴和子という女性。
    彼女は何者なのか。

    時系列を遡る形で、各章最初に書かれる三面記事の犯人?を中心としたストーリーが描かれます。
    そこに現れる貴和子は、大して綺麗ではないけれど、男好きのする魔性の女。
    そのまま読み進めていくと、貴和子は何者なのかに悩ませれ、すっきりしまいまま、疑問ばかりが残りました。

    時系列を正して読むよう書かれていたレビューと、ネタバレで、ラストの衝撃的な記事の秘密はすっきり。
    自分では半分しか見つけられなくて残念でした。

    結果、貴和子は怖い女だけど、ただただ幸せになりたかった女と私の中の理解は終わりました。
    これでいいのかな?

  • 容姿に恵まれているわけじゃないのに、なぜか人を惹きつける。
    惹きつけ、そしてその人生のかたすみにうずくまるようにずっとずっとそこにいる。
    自分から、ここにいると大声で叫ぶこともなく、じっとそこからこっちを見ている。何か言いたげに、もしくは、最初から何も用はない、と言いたげに。
    そんな女とは、できれば会いたくない。貴和子は、そんな女。
    なぜ誰も彼も彼女から離れられないのだろう。憑りつかれ、憎しみの対象となり、堕ちていったその人生をさかのぼるように読んでいく。各章の語り手によって明らかになっていくようで遠ざかって行くような貴和子の人生。絡み合った人間関係の最後の最後に用意された着地点に唖然とする。最後まで読み、いったいなんだったんだこの人生は、と頭が混乱する。嫌でも読み直さざるを得ない。しかし今度は慎重に。最後の章から順番に。できれば会いたくない、と思っていた貴和子にいつの間にか惹かれている。そうか。これが貴和子の魅力か。そして作者の罠か。

  • きわこ…特別悪い人ではないだろうとは思うが、男を狂わせる女だとは思います。周りにきわこみたいな人、私は何人か知っている。な~んか男に縁のある人、関係ない所に居ても、呼び寄せてしまう人。

  • 面白かった。けっこう一気読み。貴和子はただの不運な女性ってだけではなかったのね…。連れ子をいじめる女の話が一番嫌だったかな。事故って良かった。

  • 一言でいうと、バタフライエフェクト…
    和花ちゃんの生死が一番気になります。
    新聞の片隅にも確かに人生がある。
    貴和子を通して、欲が、嫉妬が、
    1話目でお腹一杯だったのですが、最後まで読んでしまいました。
    救いなしの2017*8冊目

  • きわこという女とすれ違った人々の視点から語られる五つのお話。きわこは只幸せが欲しかっただけ。それが周りの人々の人生を狂わせていったのか・・・と読了しようとした最後のページでいきなり提示される新たな謎の新聞記事。この二人の女は誰??と再読するに違いない。

  • 貴和子に魅了され、翻弄された人たち。

    同居する女の連れ子として連れてこられた貴和子。
    甥夫婦と突然あらわれた女との間で相続問題にもめるなか、思い出す貴和子のこと。

    同級生だった貴和子にたいする敗北感。
    夫を貴和子に取られてから、熟女売春クラブにつかる平凡だったはずの主婦。

    妻と別れ、貴和子にも先立たれて、
    貴和子と関係のあった病床の男の正体に頭を悩ませ
    女に金を騙し取られる無職の男。

    継母が息子に殺される事件を知って
    まるで自分と同じ立場に動揺しながらも
    夫の連れ子が憎くていたぶる日々での運転事故。

    継母である母は優しくていいお母さんだけど、にじみ出るものがどこか不気味で
    母から逃れるためにひとり暮らしをして男に暴力を振るわれる矢先に、兄によって母は殺された。

    年齢なんて関係なく、
    男はみんな貴和子に心惹かれてしまう。

    最後の女性2人の死体遺棄の事件が
    残念ながら理解できなかったんだけどどう関係があるのかな。
    この話では誰もが不幸になって読んでてつらくなる)^o^(

  • この世には、『隠しても色気の溢れ出る女性』や
    『魔性の女』なるものが存在するらしい。
    女たちはその「男にしかわからない魅力」とやらに
    底知れぬ不気味さを感じ、
    肝心の男たちは、
    騙されているかもと頭のどこかで理解しつつも、
    その魅力に抗えず不幸の一途をたどるのだ。

    物語が進むにつれて、浮き上がってくる
    きわこという名の女の人生。。。
    関わった人たちに次々と不幸が訪れるのは、
    やはり彼女が魔性の女だからなのか?
    いやいや、彼女はただ平凡な幸せを手に入れたかっただけなんじゃない?
    ・・・と思ったところで、物語の一番最後に何気なく書き添えられている新聞の三面記事。
    『え゛ぇ~~~~!!』と驚愕するワタシ。
    やっぱ怖いわ、きわこ。

  • 身を亡ぼすほどに貴和子にのめりこんでゆく男の心情がなかなか理解できず…

  • 地味でさして美人でもない、でも不思議と男性を惹きつける貴和子。そんな貴和子に間接的に、あるいは直接的に破滅させられる人達の短編集。最終話以外に実際に貴和子が登場することはないが、行間から滲み出る貴和子の存在がとてつもなく大きく不気味だった。一体、貴和子とはどんな人物なのか?最終話ではまた少し違うイメージで登場したものの、最後のページのたった三行の新聞記事によってガツン!とやられた。これはとんでもなく惹きつけられる話だった。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道育ち。1994年『パーティーしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。著書に『夜の空の星の』『完璧な母親』『きわこのこと』など。

「2018年 『玉瀬家、休業中。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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