- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344027992
作品紹介・あらすじ
ありふれた三面記事。見ず知らずの他人の出来事に鏤められた貴和子という女の人生。彼女はどんな罪を犯し、彼らに何をしたのか。そして貴和子は-幸せだったのか。
感想・レビュー・書評
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容姿に恵まれているわけじゃないのに、なぜか人を惹きつける。
惹きつけ、そしてその人生のかたすみにうずくまるようにずっとずっとそこにいる。
自分から、ここにいると大声で叫ぶこともなく、じっとそこからこっちを見ている。何か言いたげに、もしくは、最初から何も用はない、と言いたげに。
そんな女とは、できれば会いたくない。貴和子は、そんな女。
なぜ誰も彼も彼女から離れられないのだろう。憑りつかれ、憎しみの対象となり、堕ちていったその人生をさかのぼるように読んでいく。各章の語り手によって明らかになっていくようで遠ざかって行くような貴和子の人生。絡み合った人間関係の最後の最後に用意された着地点に唖然とする。最後まで読み、いったいなんだったんだこの人生は、と頭が混乱する。嫌でも読み直さざるを得ない。しかし今度は慎重に。最後の章から順番に。できれば会いたくない、と思っていた貴和子にいつの間にか惹かれている。そうか。これが貴和子の魅力か。そして作者の罠か。 -
一気読みしました。
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「貴和子」という女性を巡る連作短編でありながら、当の「貴和子」は人々の回想の中や電話の向こうにしか出て来ない。
「貴和子」の周りで一体何が起きているのか?「貴和子」って一体誰なのか?
そんな興味を惹かれて読み進めた…のだけど、どうも後味が良くなくって。
こういう嫌な後味が残るミステリーを”イヤミス”っていうのね。
嫌な気持ちになるものをつい見てしまうことはあるんだけど、小説の場合には最後に希望があって欲しい、と思う私は”イヤミス”というジャンル自体、苦手かもしれない。
「きわこのこと」は伏線がうまく張られていて、面白く興味深く読める話。好みの問題だと思う。 -
きわこ…特別悪い人ではないだろうとは思うが、男を狂わせる女だとは思います。周りにきわこみたいな人、私は何人か知っている。な~んか男に縁のある人、関係ない所に居ても、呼び寄せてしまう人。
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一言でいうと、バタフライエフェクト…
和花ちゃんの生死が一番気になります。
新聞の片隅にも確かに人生がある。
貴和子を通して、欲が、嫉妬が、
1話目でお腹一杯だったのですが、最後まで読んでしまいました。
救いなしの2017*8冊目 -
きわこという女とすれ違った人々の視点から語られる五つのお話。きわこは只幸せが欲しかっただけ。それが周りの人々の人生を狂わせていったのか・・・と読了しようとした最後のページでいきなり提示される新たな謎の新聞記事。この二人の女は誰??と再読するに違いない。
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この世には、『隠しても色気の溢れ出る女性』や
『魔性の女』なるものが存在するらしい。
女たちはその「男にしかわからない魅力」とやらに
底知れぬ不気味さを感じ、
肝心の男たちは、
騙されているかもと頭のどこかで理解しつつも、
その魅力に抗えず不幸の一途をたどるのだ。
物語が進むにつれて、浮き上がってくる
きわこという名の女の人生。。。
関わった人たちに次々と不幸が訪れるのは、
やはり彼女が魔性の女だからなのか?
いやいや、彼女はただ平凡な幸せを手に入れたかっただけなんじゃない?
・・・と思ったところで、物語の一番最後に何気なく書き添えられている新聞の三面記事。
『え゛ぇ~~~~!!』と驚愕するワタシ。
やっぱ怖いわ、きわこ。
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