きわこのこと

  • 幻冬舎
3.43
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本棚登録 : 297
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027992

作品紹介・あらすじ

ありふれた三面記事。見ず知らずの他人の出来事に鏤められた貴和子という女の人生。彼女はどんな罪を犯し、彼らに何をしたのか。そして貴和子は-幸せだったのか。

感想・レビュー・書評

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  • 容姿に恵まれているわけじゃないのに、なぜか人を惹きつける。
    惹きつけ、そしてその人生のかたすみにうずくまるようにずっとずっとそこにいる。
    自分から、ここにいると大声で叫ぶこともなく、じっとそこからこっちを見ている。何か言いたげに、もしくは、最初から何も用はない、と言いたげに。
    そんな女とは、できれば会いたくない。貴和子は、そんな女。
    なぜ誰も彼も彼女から離れられないのだろう。憑りつかれ、憎しみの対象となり、堕ちていったその人生をさかのぼるように読んでいく。各章の語り手によって明らかになっていくようで遠ざかって行くような貴和子の人生。絡み合った人間関係の最後の最後に用意された着地点に唖然とする。最後まで読み、いったいなんだったんだこの人生は、と頭が混乱する。嫌でも読み直さざるを得ない。しかし今度は慎重に。最後の章から順番に。できれば会いたくない、と思っていた貴和子にいつの間にか惹かれている。そうか。これが貴和子の魅力か。そして作者の罠か。

  • 読み返して理解したこともあるが、最後の新聞記事はわからなかった。

  • すごいおもしろかった!
    はじめて読んだ作家さんですが、はまりそうー

  • 最後の死体の記事で、?ってなりネットでネタバレを読んですっきりした。とても好みの小説だった。人間の寂しさから引き起こされてる事件が多いと思った。自分自身も寂しい時はおかしな行動をしてしまう。きわこもすごく寂しがりだけど、自分の損得のみで行動しているように思った。子どもと幸せな家庭を作るために、周りの全てを利用しているような。きわこに愛情深く育てられた子どももそれに巻き込まれたように見えた。
    女の人のマウントに対して人間の醜さを感じたが、ありそうだな〜とも思った。

  • 久々のイヤミス、久々の一気読み。
    展開が気になりすぎて一気に読み進めたくなる本でした。
    ただ最後まで読んでも貴和子のことがわからない。
    一人の人間の一生はその時々で見え方が変わるものなんだなと思った。確かに一人の人が見る【ある女】はある女の一面しか見えないからね‥となんとか自分を納得させようと試みるも、まだ分からないことが多くてモヤモヤしてます。

    第一章の大龍さんの言葉、
    ・胸が捻れるように軋む。自分の年齢を思い浮かべ、こんな歳になってしまったことに取り返しのつかないことをした気がした。俺の人生はなんだったのだろう、と唐突に思う。

    私もきっといつか唐突に思うんだろうなーとずっしりきました。
    まさきさんの言葉は胸に重石を置かれる気分になります。
    たまに読みたくなる作家さん。
    たまにじゃないと精神が崩壊する。

  • 三面記事の中の人物が関わった貴和子という女性。
    彼女は何者なのか。

    時系列を遡る形で、各章最初に書かれる三面記事の犯人?を中心としたストーリーが描かれます。
    そこに現れる貴和子は、大して綺麗ではないけれど、男好きのする魔性の女。
    そのまま読み進めていくと、貴和子は何者なのかに悩ませれ、すっきりしまいまま、疑問ばかりが残りました。

    時系列を正して読むよう書かれていたレビューと、ネタバレで、ラストの衝撃的な記事の秘密はすっきり。
    自分では半分しか見つけられなくて残念でした。

    結果、貴和子は怖い女だけど、ただただ幸せになりたかった女と私の中の理解は終わりました。
    これでいいのかな?

  • 一言でいうと、バタフライエフェクト…
    和花ちゃんの生死が一番気になります。
    新聞の片隅にも確かに人生がある。
    貴和子を通して、欲が、嫉妬が、
    1話目でお腹一杯だったのですが、最後まで読んでしまいました。
    救いなしの2017*8冊目

  • きわこという女とすれ違った人々の視点から語られる五つのお話。きわこは只幸せが欲しかっただけ。それが周りの人々の人生を狂わせていったのか・・・と読了しようとした最後のページでいきなり提示される新たな謎の新聞記事。この二人の女は誰??と再読するに違いない。

  • 第1章~第5章で見える「きわこ」の顔。
    いったい、どれが本当の「きわこ」だろうか。
    興味を抱きながら読み進める。
    最終ページに書かれた内容を見て(うん?)(あれ?)となる。
    そして、再度読み返すと(!!)
    なるほど!そういうことか!
    「きわこ」が見えた。

  • 子供への虐待の話は嫌な気分しかない。
    最後の新聞記事は読み返しても不明。。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道札幌市育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。
著書に『熊金家のひとり娘』『完璧な母親』『大人になれない』『いちばん悲しい』『ある女の証明』『祝福の子供』『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』などがあり、近刊に『レッドクローバー』がある。

「2022年 『屑の結晶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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