明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028005

作品紹介・あらすじ

メスも薬も使わず、3000人以上のがん患者と家族に生きる希望を与えた「がん哲学外来」創始者の心揺さぶる言葉の処方箋。

感想・レビュー・書評

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  • がん哲学外来を設立され、多くの患者さんとの対話を通じて支えられている著者。本著を通じて初めて知ったが、非常に感銘を受けた。

    病気になったからこそ、できることがある。うつ病を経験し、これまでの人生が一変した今だからこそ、やれることがあると思えた。

    言葉を通して人の不安や恐れに寄り添いたい。なぜかふつふつとそのような想いが湧いてきた。

    自分には期待しないけど、人生から期待されているのだし、まだ死なないわけだし、死ぬまで自分が他人のために何ができるのか。自問自答しながら生きていきたい。

    著者の違う著書も読んでみたいと思う。

  • 本棚においておきたい本。がん患者じゃなくても得るものがたくさんある。

  • がん哲学外来の存在は本書にて知る。

    「言葉の処方箋」はタダです。
    それでいて副作用はゼロです。

    言葉の力でガン患者が笑顔になる。
    改めて言葉って大切だなぁと思えた。

    本書はガンと闘う医師と患者のノンフィクションだけではない。

    人がどう生きて、何を残して死んでいくか。

    人生哲学をわかりやすく、私にも処方してもらえた気がします。

    忘れない為に、書き出したい言葉がたくさんありました。

    ですが、あえてここに書き残さずに何度も読み返したいと思います。

    説明
    内容紹介
    命よりも大切なものがある。
    あなたの品性ある人生こそ、大切な人への贈り物なのです。
    メスも薬も使わず、3000人以上のがん患者と家族に生きる希望を与えた「がん哲学外来」創始者の心揺さぶる言葉の処方箋。

    がんになると、多くの人が自らの「死」を意識し始めます。そしてそのうちの約3割の方がうつ的な症状を呈します。がんになったことで生きる希望を失ったり、生きる意味が見出せなくなったりし、うつ的な状態に陥ってしまうのです。
    うつ的な症状を解消するには、患者さんの思考そのものを前向きなものに変えてあげる必要があります。そのきっかけとなるのが言葉の処方箋であり、人間の根源に触れる問いかけです。
    生きていれば、嫌なことやつらいことや困ったことの一つや二つはあるでしょうし、病気にはなっていなくてもそれよりも大変な出来事に直面することだってあるでしょう。
    そのようなとき、本書で紹介している言葉の処方箋を思い出してください。生きるとは何か。自分の使命とは何か。言葉の処方箋を持てるとその言葉を軸に物事が考えられるようになるのです。

    第1章 人生の役割を全うするまで、人は死なない
    第2章 自分の人生を贈りものにする
    第3章 本当に大切なものはゴミ箱の中にある
    第4章 命に期限はありません
    第5章 最後に残るのは、人とのつながり
    第6章 小さな習慣で心が豊かになる
    内容(「BOOK」データベースより)
    メスも薬も使わず、3000人以上のがん患者と家族に生きる希望を与えた「がん哲学外来」創始者の心揺さぶる言葉の処方箋。

  • 2015年の58冊目です。

    順天堂大学医学部の「がん哲学外来」の病理学者:樋野興夫さんの著書です。
    がん患者さんに”言葉の処方箋”を送り、生きる希望を与えている医師の「命」
    に対する考え方=哲学が簡潔な言葉で、収められた本です。
    がん患者さんでなくても、多くの箴言として受け取れるものがあります。

    ■自分にしかできないことは案外少ない。
     それに全力を傾ける
     ==何でも「自分が、自分が」をやめてほとんどを人に任せる。==
     ==そうすることで品性が生まれる==
     あなたにしかできない仕事に多くの時間を割く。
     会社人生の先が短くなってきた私には、心に響く言葉です。

    ■何もしなくてもいい。黙ってそばにいるだけで相手の心は満たされる。
     ==無理に何かをやる必要はない。あなたは、ただそこにいるだけで
     ==価値のある存在なのです
     新渡戸稲造の弟子であった東京大学総長南原繁の言葉として「何をなす
     (to do)前に、何かである(to be)ということを考えよ。それが先生(
     新渡戸稲造)の一番大事な考えであった」と紹介されています。
     別の本でも読んが事があります。何をなすかより、自分がどうあるべき
     かを考えなさいと。
     このそばにいるだけで誰かの心を満たせる”存在”でありたい。

    ■自分以外のものに関心を持つと、やるべきことが見えてくる
     ==誰にでもその人にしか残せない贈り物がある。==
     この本のタイトルにもなっている「明日この世を去るとしても、今日の
     花に水をあげなさい」という言葉を患者さんに贈っていると書かれています。
     宗教家マルティン・ルターの言葉をベースにされているとのことです。
     ここでは「花」と表現してありますが、自分以外に関心を持つ対象は、
     何か自分にふさわしいものを見つけることができればいいということですね。

  • たとえ寝たきりであっても あなたには十分に生きている価値がある
    あなたの存在 優しい笑顔 思いやりのある言葉が 勇気づけたり 明るい気分にしたりしている
    「何もしなくてもいい
    黙ってそばにいるだけで 相手の心は満たされる」
    無理になにかをやる必要はない
    あなたは ただそこにいるだけで 価値のある存在なのです
    友達に この言葉を贈りたいと思いました
    「よい言葉」をもつことでいまよりずっと楽に生きられるようになる
    その言葉を軸にして物事がプラスに考えられるようになる
    たくさんのよい言葉が載ってました
    ありがとうございました

  • 各章、必ず大項目・中項目があってエピソード付きの詳細が書かれているので非常に読みやすい。
    人生で悩むときに、ふと心に染みる言葉がある。
    その言葉を自分に重ねる。

  • 1章 人生の役割をまっとうするまで人は死なない
    あれもこれもよりこれしかないで生きる
    人生は1周遅れぐらいでちょうどいい
    何をするかよりも、どうあるか
    2章 自分の人生を贈り物にする
    いい・悪い人生だったかは最後の5年間で決まる
    ユーモアを大切に、あなたをもっと大切に
    3章 本当に大切なものはゴミ箱の中にある
    偉大なものの源流は驚くほど小さい
    4章 命に期限はありません
    死ぬのは確実、いつ死ぬかは確率
    たいていのことはただ放っておけばいい
    病気になっても病人ではない
    5章 最後に残るものは、人とのつながり
    集団の中ではじめて自分がわかる
    誰かを3時間ほめ続けられるか
    6章 小さな習慣で心が豊かになる
    歯を食いしばって人をほめる

  • 死から逆算して人生を考えなおす。

  • 題名に惹かれて本を購入しました。
    心に残った言葉を2つ。
    ①言葉の処方箋。
    余命宣告された誰かにかけてやる言葉はできるだけ前向きな言葉にしたい。けど、患者が1人になった時に悲しい思いをしていたのならそれは言った人が満足してるだけの言葉。“今この瞬間”を楽しんで生きれる言葉をかけれるようになりたいものですねー。
    ②生まれてきたことや、生きていたことが残されていた者への贈り物となる
    生きる意味はと考えることがある。今回は生まれて2時間で亡くなった子の話。数年後その親に再会する機会があり、話を聞いたそうだ。あの子の分も楽しく生きよう、素敵に生きようと思うそうだ。それを聞いて、決してこの世に意味のないものはないんだなって思った。

  • インターネットの記事で、この本のタイトルを知り、図書館ですぐ目に止まったので借りてみた。

    命が尊いのは確かだが、自分の命より大切なものがある。と思った方が私達は幸せな人生を送ることが出来るようだ。
    命が何よりも大切と考えると、死はネガティブなもの。になり、死におびえて生きることになる。
    人生の役割や使命を考えること。

    死について考えることは、人生を見つめ直すきっかけになる。生きている限り使命がある。寿命の長さではなく、何をしたか。

    つらい時こそ、自分と向き合うチャンス。

    自分ができることに全力を傾ける。
    人に任せることも大切。

    人生には何をするか。よりも、どうあるか。が問われる瞬間がある。

    他人と自分を比べない。昔の自分と今の自分を比べない。悩みの多くは比較から生まれる。

    自分以外のものに関心を持つと、やるべきことが見えてくる。

    犠牲を払って他人の為に何かをする。

    相手と向き合う時は、今していることを一旦止める。

    本当にいいものは取るに足らないものの中にある。

    コントロールできないことに一喜一憂しても疲れるだけ。得られるものは極めて少ない。

    曖昧なことは曖昧に考える。分からないことは、分からないでいい。

    つらい時こそ外へ出る。内にこもっていても楽にはならない。

    仕事の他に、もう一つ自分の好きなことをやる。
    仕事は衣食住を満たすために。やりがいは他に見つける。

    病気になっても、病人ではない。

    あって困るものでも存在は認める。受け入れることで初めて見えてくるものがある。

    集団の中で初めて自分が分かる。自分という存在は社会の中で見つけ出すもの。

    集団の中で自分を知り、一人になって考え抜く。周りの評価ばかり気にしていると自分らしい生き方が出来なくなる。

    相手が間違っていても否定しない。

    その時が来るまで放っておいた方がよいこともある。

    著者が学んだ競争的環境で個性を輝かせるための5箇条
    1.複雑な問題に立ち向かう時は、焦点を絞り単純化する。
    2.自らの強みを基盤とする。
    3.なくてはならないものは、それほど多くはない。
    4.なくていいものに縛られない。
    5.人の注意をそらし、間違った方向に導くことに気をつける。

    マイナスなことも自分の人生を見つめ直す機会になる。

    いいと思うことは、人に相談せずにやる。

    人は説得するものではなく、その気にさせるもの。

    難しいことはみんなでやる。

    日記をつけることで一日一日を丁寧に生きられるようになる。

    読書から学ぶことも多い。

    必ずしも良い師や良い友が得られるとは限らない。だが良い読書は出来る。

    歯を食いしばって人をほめる。

    何かを受け入れれば、何かが与えられる。怒りや憎しみといった感情を持ち続けると人は離れていくばかり。

    暇でわきの甘い人に人は心を開く。暇には素晴らしい価値がある。

    心に響く言葉が散りばめられている。折に触れ、読み返す。

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著者プロフィール

樋野 興夫(ヒノ オキオ)
順天堂大学名誉教授
順天堂大学名誉教授、新渡戸稲造記念センター長、恵泉女学園理事長。1954年島根県生まれ。医学博士。癌研究会癌研究所、米国アインシュタイン医科大学肝臓研究センター、米国フォックスチェイスがんセンターなどを経て現職。2002年癌研究会学術賞、2003年高松宮妃癌研究基金学術賞、2004年新渡戸・南原賞、2018年朝日がん大賞、長與又郎賞。2008年順天堂医院に開設された医療現場とがん患者の隙間を埋める「がん哲学外来」が評判を呼び、翌年「NPO法人がん哲学外来」を設立し、理事長に就任。これまで5000人以上のがん患者と家族に寄り添い生きる希望を与えてきた。その活動は「がん哲学カフェ」として全国各地に広がっている。著書に、『がん哲学外来へようこそ』(新潮社)、『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)、『生きがいに気づく、いい言葉』(PHP研究所)などがある。

「2023年 『もしも突然、がんを告知されたとしたら。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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