アルテーミスの采配

著者 :
  • 幻冬舎
3.27
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本棚登録 : 578
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028166

作品紹介・あらすじ

AV女優連続不審死事件。容疑者の男は行方不明。男が遺した原稿『アルテーミスの采配』が、隠された嘘、或は真実を語り始める。私の人生、狂ったのは誰のせい?毎日は無数の罠で満ちている。最後一ページまで、見事なる真梨幸子の采配。

感想・レビュー・書評

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  • さすがの真梨先生。

    女の復讐心、嫉妬心書かせたら日本一ではないかなぁ。
    そうなんだ。女は知らないうちに嫉妬され、訳もわからないうちに制裁を受けることもある。

    自分とは全く違う世界、出版社やAV業界の話だった為、いつもほどの感情移入はなかった。
    何処か、外側から事件を眺めているような気持ちで読んでいた。

    しかし真梨先生、流石の筆力。
    それでもしっかり心鷲掴み。
    最後は畳み掛けてきますね!

  • 読書備忘録691号。
    ★★★★。

    怖い怖い!
    ただただ怖い。
    女性ということで一括りにしてはダメですが、恨み、復讐、執念、絶対に忘れない・・・。
    真梨さん!怖すぎ!笑

    AV女優を対象としたインタビュー本の企画が持ち上がった。出版社とAVプロダクションとの共同企画。
    企画は「アルテーミスの采配」。

    出版社の企画者。
    出版社のゴーストライター。
    AVプロダクションの社長。
    AVプロダクションのゴーストライター。
    AV女優達、5人。

    AV女優になるにはそれぞれの物語がある。
    ただ、その物語が恨み、妬みなどが背景にあったら・・・。
    インタビュー対象になったAV女優はインタビューを受けた後、次々に殺されていく・・・。インタビュアーの出版社のライターは殺人事件の容疑者として追われる。

    そこには、インタビュアーを連続殺人事件の犯人とする、裏のシナリオが動いていた・・・。
    なぜAV女優は殺されるのか?AVプロダクションに借金を抱えたAV女優の成れの果て。AV作品に出演するだけでは返済できない、風俗に売られても返済できない、臓器を売っても返済できない・・・。生命保険でしか返済できない悲しい結末。自殺では保険金は下りない。であれば殺人事件として演出する。
    恐ろしいAVプロダクションの女社長の欲望シナリオ。

    さらに、AVの世界に引き摺り込むとんでもないトラップがシナリオとして組み込まれる。ターゲットは有名女子大を卒業し、キー局の女子アナ。超美人をAV界に引き込むこと。

    さらにさらに、AVの世界で成功しているにも関わらず、絶対に忘れない屈辱の復讐劇シナリオも複雑に絡む。
    イヤミスの極地!

    怒涛のクライマックスの種明かしはとんでもない!
    繰り返します!怖すぎ!
    真梨さん!これ物語ですよね!創作ですよね!女性の本性じゃないですよね!!!!!

    真梨さん。ハマります。

  • だ・か・ら 真梨幸子 先生 怖過ぎます。

    自分で選んだ道(選択)と思っていても それが他の人が敷いたレールに乗せられていたら?

    もしかしたら【普通に生きる】って 難しいのかも知れませんね……

    最終のあと一つの謎が解らなかった。

  • 真梨幸子らしい作品。
    内容は、ある企画のもと、記者がインタビューしたAV女優が次々と何者かによって殺されていく。そして、その記者もある人物によって監禁されてしまう。
    読んでいる途中までは面白かったが、途中からなんとなく失速。
    あの人がこの人だったのかという驚きはあったものの、小説としては今一つ。
    復讐の物語。

  • 2回目の読了。

    2015年に出版らしいのだけど、最近出版と言っても信じるくらいにはこの数年間のことを彷彿させる雰囲気があちこちにある。逆に言えば、テクノロジーの発展とは違って、10年くらいでは世の中さほど変わるもんではないと言えなくないのかもしれない。

    こういう作品は誰が誰でってことを混乱させつつ、実は同一人物とかっていう感じが多い気がしてたけど、そう単純ではなかった。隠された過去が1本の線につながっていく感じは、登場人物が多ければ多いほどびっくりするわけだけど、フィールドがアングラすぎたせいなのか、あまりリアルな驚きを感じることなく読み進めてた。

    最後までその驚きはなく、本当は怖いグリム童話を読んでるような淡々さが続いて、イヤミスに振り切らないけど、読後感はそんな良くないみたいな不思議なグラデーション。リアリティはないけど、リアルに感じる人がいるかもしれないファンタジーさがあるからなんでしょうなぁ。

    -----

    1回目の読了:2015/11/25

  • 習慣にしている30分の朝読書。続きが気になって30分でやめられず、毎朝遅刻しかけるくらい面白かったです。朝っぱらから読むような内容じゃなかったけど(笑)。それにしても救いがないというか、後味悪いなぁ。さすがイヤミスの女王。

  • 新イヤミスの女王・・・いや、もう教祖と呼びましょう。
    人間のドロっとした部分を描かせたら当代一の実力者、真梨幸子サマ
    の新作。

    今回のアイテムはAV。もちろんオーディオビジュアルの方ではなく、
    アダルトビデオの方。AV嬢5人にインタビューし、それをエッセイに
    仕上げるプロジェクト。インタビューを受けた女優や関係者が続々と
    死んでいく、というミステリー仕立てなのだが。

    ・・・凄ぇわ、この人。
    ミステリーの部分の組み立てはかなり見事で、そこだけ読んでも相当
    イケてるのだが、ハッキリ言ってそれすらオマケ。いちばんの見所は
    序盤のインタビューで各人が喋る本音。どういう思考回路があれば
    あそこまでの悪意が表現できるのか、というくらい薄ら寒い。
    特に女性が同じ性別である女性をクールに罵る様は、一周して爽快感
    すら感じる。全く以て大きなお世話なのだけど、幸子サマの普段の
    生活が心配になるくらい(^^;)。

    本来は目を背けなければならない世界が矢継ぎ早に登場する。もちろ
    ん不快感は伴うが、だからこそ全く目が離せない。なにより、この
    かなりの長編を読むのにかかった時間はたった半日。これがどれだけ
    凄いのか、ぜひ多種多様・いろいろな人たちに体感して貰いたい。

    ただし、読後感はもちろん読中感すら最悪。
    それをキッチリ覚悟し、ぜひ挑戦を。教祖・幸子サマの妙技、とくと
    味わえ!

  • 超面白かった。イヤミス極まれり。あんまミステリー感がない感じもするけど。AV女優達の話というか、復讐の話。自主的だとか、強制だとか、ちょっと前も話題になったよな。坂口杏里の話もあるけど、あれはあんまり需要はなさそうだけど。レイプのひどさを男たちには思い知ってほしい。最近の慶応大学のニュースを思い出す。若気の至り、で済ませないでほしい。思いしれって感じ。とにかく、いろいろなことが仕組まれている、というのが恐ろしい。まぁ小説の話とはいえ、ほんとにありそうだもんな。ほんとブスで良かった。やっぱり軽度の知的の子は狙われるんだなぁ。後半の展開が唐突な気もするけど、興味あるテーマだけあってドはまり。監禁とかスカトロとか責任感のある子ほど抜け出せないとか、AVに関する話はほんと怖い。知らないうちに誰かに恨まれているのだ。

  • ぷはーーーっっ!!!と最後の最後で天を仰ぎましたよ。振出しに戻るしかないじゃん!と。
    いくつかのひっかかりと、いくつかの疑問を乗り越えてようやく最後までたどり着いて、ほっとしつつ最後のページを読んでいたというのに。真梨幸子、あまりにも容赦のない仕打ち。
    ものすごく軽く読んでいけば、この物語の上澄みだけでも充分「おもしろかった」と言えるだろう。
    けれど、一旦、真剣に対峙し始めたが最後、山のような付箋と真っ黒になるほど書き込んだ相関図が手放せない。これだけやってもまだまだありそうで怖い。あ、そうか。怖いのか。うっかりなにか見落としていそうで、怖いのだ。誰かと答え合わせをするまで、このコワ面白さは終わらない

  • AV業界を舞台に、そこで起こる魑魅魍魎
    の世界。
    行きつく先は何処なのか?
    何処までも堕ちて行く女達の裏の顔
    には、隠された過去の怨念が渦巻く。
    周到に準備された罠にはまり
    苦界に足を踏み入れる女性達。
    それを影で操る女も、一度は底無しの
    沼に沈められ何とか生きながらえ
    復讐と言うこの時を待っていたのだ。

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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