人魚の眠る家

著者 :
  • 幻冬舎
3.72
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本棚登録 : 3941
レビュー : 613
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028500

感想・レビュー・書評

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  • 久々の東野作品。
    やってくれるなぁ。
    正直言うと、あまり自ら進んで読みたいと思う作家さんではないのですが。

    脳死、臓器提供に纏わる話。

    もし自分の大切な人が限りなく脳死に近い状態となったら、どうするか。
    主人なら、娘なら、と悶々と考え込んでしまいました。
    考えたってわからないよなー。
    答えなんて出せないと思う。

    保険証の裏にも臓器提供をするか否かの選択をする欄がありますね。
    私は悩みに悩んで、まだ選べていないんです。
    いつも手が止まってしまう。

    だけど、家族を苦しめないためにも選ばなければな。

    『この世には狂ってでも守らなければいけないもよがある。子供のために狂えるのは母親だけ。』

    この言葉にグサっとやられました。

  • この重いテーマに対して、様々な視点や現状を踏まえた上で物語として仕上げていく構成はさすがの一言、一気に読むことができた。

    以下 ネタバレ


    しかし、山場のシーンやラストからエピローグまでがあまりにもファンタジーすぎて、読み進むにつれて冷めていく感覚が残ってしまった。
    個人的クライマックスは、瑞穂の四葉のクローバーのエピソードから臓器提供を決断するシーン。成長した本人ならなんというか、残された人々は自分の中に生きる故人に徹底的に寄り添い、あくまで謙虚にその意思を尊重しようと苦悩するところに胸を打たれた。
    亡くなった人の声は、どれだけ望んでも聞くことはできない。聞こえた気がしても、それはとても”慎重に”あつかわなければならない。

  • かなり特殊な設定でのストーリーだったが、重たいテーマに深く考えさせられる内容だった。

    死とは何か? 日本の脳死を取り巻く環境、様々な人の思い。
    何が正しくて何が間違っているかは分からない。
    臓器移植について、もっと身近に考える社会になるようにしたいと思った。

  • 読み終えてホッとした。

    映画化されたということで話題になっていたこともあって、ずっと家にありながら挫折して読み終えられていなかったこの本を再び手に取った。

    バッドエンドしか想像できないこの物語を読み進めるのはやはり苦しかった。

    もしも自分の子どもがこうなってしまったら…などと考えてみると答えは出ないものの、私にとって薫子の行動は異常でしかなく、気味が悪いことこの上ない。
    生人の言葉がその世界を断ち切ってくれたその時、少し安堵して続きを読もうと思えた。
    そこから一気に読み終えて本を閉じた時、うまくまとまったなぁ、さすがだなぁ、と心から感心した。

    感動とか涙が溢れるとかそういうことではなく、ものすごく考えさせられる1冊。
    読み終えてよかったと思った。

  • 人の生き方は論理的でなくていい。
    人間の死をどのように定義づけるかなんて、法律だけでは決められない。法の隙間を縫いながら、自分の娘が死んだと納得がいくまで生かして置けたのは、薫子にとって幸せだったのだろう。まわりの人間にとっては、無理強いになっていたのかもしれないが。

  • 脳死と臓器移植をテーマにした本。タイトルから東野さんファンタジックな本に挑戦したのかなと思いつつ読み始めたが、早々に裏切られた。ものすごく重い内容。日本の臓器移植事情を事細かに取り入れ、ドナー、レシピエント双方の立場から描かれている。面白さを求める本ではなく、考えるための本。

  • 久々の社会派の東野圭吾、引き込まれた。

    • aomorikoさん
      わたしこれ結構好きでした〜途中、母親の執念(?)に若干ついてけないと思ったものの、ラストは良かったなーと。
      わたしこれ結構好きでした〜途中、母親の執念(?)に若干ついてけないと思ったものの、ラストは良かったなーと。
      2017/08/21
  • プールで溺れた娘に襲った残酷な未来。
    意識のない少女は果たして『生きている』と言えるのか?
     
    『脳死』という問題に切り込んだ東野圭吾さんの傑作。
     
    東野圭吾さんの作品は、なんでこんなに読みやすくておもしろいのだろう? と考えながら読み進めたところ、なんとなくその一因がわかった気がします。
     
    一文一文が簡潔なので読みやすい。
    状況説明が的確で、情景が思い浮かべやすい。
     
    いい小説というのはこういった基本ができているからこそなんだろうなあ、と実感しました。
     
    東野圭吾さんのファンなら間違いなく読んでおいた方がいい作品の1つです。

  • 流石東野圭吾なので、ぐいぐい読めました。
    でも、オチも見えてたかなー

    「人の死とは何か」をテーマにした作品です。

  • ミステリーではない東野圭吾さんの作品。

    事前情報なく読み始めたので、最初はミステリーなのかと思いながらも、読み進むうちに「ミステリーではありませんように」と願いながら読み終わりました。「脳死」と「臓器移植」、何を持って人の「死」とするのか。医学的な観点、法律の観点では、その時々の「正解」を示せるのだろうけれど、人として、家族としての感情と理性からの観点では正解などないのだろう。

    いろいろなことを考えさせられました。
    登場人物たち、みんながいい人で良かった。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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