人魚の眠る家

著者 :
  • 幻冬舎
3.72
  • (275)
  • (592)
  • (512)
  • (58)
  • (18)
本棚登録 : 3838
レビュー : 602
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028500

作品紹介・あらすじ

娘の小学校受験が終わったら離婚する。そう約束した仮面夫婦の二人。彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前だった。娘がプールで溺れた-。病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 脳死判定…
    臓器提供の意思…
    突然その選択の場に立たされたら…?

    特に幼い子供の場合は、親の決断が余儀なくされる。
    愛する者を失った悲しみに暮れる中で、
    果たして感情に流されることなく判断できるのだろうか。

    現実を受け入れられず、奇蹟を願う母親。
    そうですよね…
    娘の身体は温かいのに、死を受け入れることなんて、
    そう簡単にはできないですよね。

    「瑞穂は生きている!」
    母の狂信と、機械仕掛けのあやつり人形のようになっていく瑞穂の姿が痛々しい。

    命が継続することと、人間として生きるということは同じではない。
    でも明日、特効薬が見つかるかもしれない。
    もしかしたら、再び…

    考えさせられました。
    でも、これが正しいと言える答えなど、出せないのではないでしょうか…。
    この物語に登場した人物の誰一人として、
    間違ったことは言っていなかったと思います。

    めまぐるしく進歩する現代医学。
    そのスピードに、人の心が追いつけなくなっている気がします。

    つらく重いテーマではありましたが、
    エピローグに救われました。

    • koshoujiさん
      ほんとに立て続けで恐縮です。
      ファンから非難があったのは最終回のひとつ前、渉が園子を振って簡単に青年海外協力隊の女性と一緒になったからだと...
      ほんとに立て続けで恐縮です。
      ファンから非難があったのは最終回のひとつ前、渉が園子を振って簡単に青年海外協力隊の女性と一緒になったからだと思います。
      調べたら、その時が本間プロデューサーだったので。
      で、TBSが止むにやまれず、元の鞘に納めるべく、無理やり相手の女性を殺して(笑)渉を帰国させ、
      強引に園子と寄りを戻させたような気がします。(笑)
      2016/03/05
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんばんは~♪

      これ、読みたかったの~!
      東野圭吾さんの本は古本屋さんではなかなか手に入らなくて~(涙)
      でも、杜...
      杜のうさこさん、こんばんは~♪

      これ、読みたかったの~!
      東野圭吾さんの本は古本屋さんではなかなか手に入らなくて~(涙)
      でも、杜のうさこさんのレビューを読ませてもらって、ますます読みたくなってます!!
      2016/03/08
    • 杜のうさこさん
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      東野圭吾さんの作品に、ハードルをすごく上げちゃっているせいか、
      最近の3作品が、物足りなか...
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      東野圭吾さんの作品に、ハードルをすごく上げちゃっているせいか、
      最近の3作品が、物足りなかった感が強くてね…。
      本書はミステリーではないのかもしれないけれど、読みごたえありました!

      こちらでも、図書館ではすごい順番待ちになってるようです。
      東野圭吾さん、恐るべし!
      2016/03/08
  • 質問。
    ドナーカード(臓器提供意思表示カード)を持っていますか?
    答え。
    いいえ。持っていません。

    私がこのドナーカードの存在を再認識するときといえば、小説を読むとき、ドラマや映画の見るとき…
    臓器移植のための渡米資金を集めているニュース映像など…
    それぐらいかもしれない。
    そんな時には、自分なりに考えたりするのだが、そこで止まってしまう…

    【人魚の眠る家】はまさにこの脳死と臓器提供をテーマとしているのだが、個人的には、より深くこの問題に切り込んでいると思う。

    瑞穂は水の事故で病院に搬送される。
    医師から「回復することはない」と断言された父・和昌と母・薫子。
    さらに医師からはドナーカードの所持確認とオプション提示をされる。
    すなわち、親として臓器提供の意思確認である。

    これからの治療は延命措置、と医師から断言され、両親が下した決断は「臓器提供」だった。
    ところが、臓器提供を決断し、別れのために瑞穂の手を握っていたときのこと。
    弟・生人が瑞穂に声をかけたとき、その手がかすかに動いたのだ。
    このことが、両親の決断に重くのしかかる。
    医師からは反射だと説明されても、実際に握っていた手が動いたのだから…
    結局、和昌と薫子は臓器提供を拒否する。

    その後の展開は、ちょっと現実離れしているというか、現在では無理なことばかりなのだが…
    (研究は進められているのかもしれない。いや、きっと進んでいるのだろうけれど。)

    臓器提供を拒否し、独自の方法で瑞穂の介護を続ける和昌と薫子。
    その一方、心臓移植以外に治療法がない雪乃の存在を知った薫子。
    その心は千々に乱れ…
    長い介護の末、最後の時は訪れ、薫子は臓器提供を決断するのだが…

    人口100万人当たりのドナーカード所持者。
    第1位はスペインの25人で、欧米各国は15~25人、お隣の韓国では5人。
    そして、日本は世界最低レベルの0.8人。

    アメリカでは、ドナーカードの制度は無く、家族へのオプション提示だけで臓器提供が行われているそう。
    【人魚の眠る家】の中にも書かれていたが、アメリカでは「脳死は人の死」の概念や制度が確立しるので、脳死状態と判明した時点で治療は終了する。
    その時に臓器提供の意思を確認することになる。
    しかし日本では、回復が見込めない状況であっても、臓器提供をしない限り治療は続けられる。
    脳死判定を受けない限り、”脳死”とも認められない。

    この本を読んで改めて思う。
    日本の臓器提供は、最終的にその決断の重さはすべて家族にかかっている。
    オプション提示として ”選択権はあなた方にあるのです。拒否も自由です”
    そう言われればいわれるほど、悩み、苦しむ。

    この本では両親は最終的に臓器提供を決断する。
    そこには長い時間の経過が存在する。
    しかし、現実の場面ではこの”時間”がない。
    家族の危篤という極限の状況の中でしなければならない決断。

    読み終えた今も考えさせられている…

    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんにちは~♪

      この本を読んで、ほんと考えさせれらたよね!
      そうそう、ラストは良かったよね!
      ホッとしました。
      ...
      杜のうさこさん、こんにちは~♪

      この本を読んで、ほんと考えさせれらたよね!
      そうそう、ラストは良かったよね!
      ホッとしました。

      この本、映画になりそうな気がしませんか?
      読みながら、映像が浮かんできて~
      こんな感じがするのは、やっぱり東野作品だと思いました^^
      2016/03/21
    • 杜のうさこさん
      azu-azumyさん、こんばんは~♪その3(笑)

      私もそう思ったの!!
      場面々がすでに映像になっている感じ!

      やっぱり、東...
      azu-azumyさん、こんばんは~♪その3(笑)

      私もそう思ったの!!
      場面々がすでに映像になっている感じ!

      やっぱり、東野圭吾さんすごい作家さんだ~。
      2016/03/23
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんばんは~♪

      やっぱり?!
      そうよね~!!
      東野さんの本って、読んでて映像が浮かんでくるよね!
      ほんと、すごい...
      杜のうさこさん、こんばんは~♪

      やっぱり?!
      そうよね~!!
      東野さんの本って、読んでて映像が浮かんでくるよね!
      ほんと、すごいと思う!
      この作品、絶対映画化されると思うわ~
      2016/03/23
  • 臓器移植や臓器提供 脳死判定など微妙で重苦しいテーマだからこそ東野圭吾さんが少しユーモラスな展開の話にしている印象です。もちろん小捻りしたミステリーみたいな箇所もいくつか織り込んでありますし、起承転結の結末が冒頭と結びつく細工まで 笑。
    読後に読者や この国に この悩ましい課題を問題提議することこそ本当の狙いなのか? 私でさえ、看過してきた臓器提供や脳死判定について考えているのだもの!

  • 脳死について考えさせられた。
    自分は「母親」なので、意識があろうがなかろうが、そこに子どもが息をしていれば「脳死」なんて考えられない。電気信号で動く体を見ても、なんとも思わない。色つや良くて美しいなら、その方が良いし、そんなわが子を見るのは嬉しいだろう。それがグロテスクだという表現に、逆にビックリした。
    自分自身なら、さっさと「脳死」判定して臓器提供してくれとは思うけど。
    自分の価値観を、他人に強要してはいけない、というのも、改めて感じた。
    従妹の若葉ちゃんの一言で、薫子さん救われたね。
    ホッとした。

  • 深いテーマに浅い文章って感じかな~。
    久々に東野作品読んだけれど、やっぱりこんなものか・・・。
    移動中、待ち合わせ中に暇つぶしに読むのは悪くないれど、人に勧めるほどでもない。
    可もなく不可もなく良質のエンタメ作品を書けるのはさすがとしかいいようがない。

    ま、でもこんなものか。
    そんな本でした。

  • 【天空の蜂】や【虚ろな十字架】の所謂、明確な答えが出せない系の問題を取り扱った作品でした。

    その問題というのは【脳死】です。

    脳死とは何なのかが、この小説を読むと理解できます。

    それと子供の臓器提供の実態についても!


    私にも今度3歳になる子供がいます。
    作品に出てくる瑞穂ちゃんと、重ねると、とても辛いです。

    子供がある日、事故にあい脳死【推定】だろうと言われる。
    臓器提供すべきか?それとも脳死の判定を受けずに、そのまま生かすべきか?

    自分の身体であれば『ハイどうぞ!』でいいのですが、愛おしい我が子であるからこそ【身体の一部でも生きていて欲しい】だったり【奇跡が起きる可能性を考えたり】【動いている心臓を止める事への抵抗】【どんな状態でも一分一秒でも長く生きていてほいし】て考えてしまいます。
    作中で誰かが言ってましたが、その時にならないと判断できないだろうなと本当に思います。

    明確な答えが出た訳ではないですが一定程度のスッキリとした読了感のある作品です!

    因みに、東野圭吾ファンの皆様には第4章の【本を読みにくる人】がオススメです!

  • 人はいつ死ぬのか。人の魂ってどこにあるのか。曖昧な法律のせいで、悩み葛藤する家族。愛娘を失いたくなくて狂い出す母。では、自分ならどうするかと言われるとやっぱり決められないと思う。人には人の価値観があって、大事なのは、その決断をして、その人がいま幸せか後悔しないかという点に尽きるんだな、と。一気読み!

  • そうきたか!
    薫子の頭の良さにぞっとする一面あり。最後に救いもあり。
    色々な考えがあって矛盾してたり相容れない立場の意見なのにもかかわらずそれぞれの言葉に共感納得させられる。
    本当、「人の生き方は論理的でなくてもいい」と思う。
    何が正しいとか考えるのはナンセンスで人それぞれ個別の正解があって系統立てて説明できなくても単に気持ち悪いとか感情で判断してもいい、今の世の中は何かひとつの答を求めてそれから外れた考えの人を排除する方向に進んでいるような気がしてならない。


    とりあえず意思表示カードを書こう。

  • 娘の小学校受験が終わったら離婚する。 そう約束した仮面夫婦の和昌と薫子。
    彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前。
    娘の瑞穂がプールで溺れた。
    病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。 そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。

    脳死や臓器提供などをテーマとして扱った作品。だけど医療的な硬質さだけではなくて、人の愛情など情緒に訴えかけるものもある。
    人はどのような状態に陥ったとき、死んだと言えるのか。心臓が止まったときなのか、それとも脳が機能を停止させたときなのか。
    考えれば考えるほど迷ってしまうようなことがテーマで、答えをはっきり出すことは難しい。
    自分には無関係の誰かの話ならば客観的に答えを出せるかも知れないけれど、自分の身近な家族である場合は、尚のこと難しい。

    幼い娘が水の事故によって脳死状態になってしまった1組の夫婦。医師から臓器提供について訊ねられ1度は答えを出したものの、眠っている娘の手が微かに動いた気がしたことからその先の道を変えることになる。
    とくに母の薫子は必死に娘との生活を守ろうとする。介護についてを学習して覚え、実母にも協力を仰ぐ。
    元々不仲になっていた夫の和昌とも離婚するのをとりやめる。
    そして機械の力を借りて娘を“生”に近いところまで持って行こうとする姿は奇異にも写るけれど、子どもを持つ親であればきっと、みんなが薫子のような感情を持つのだろうと思う。
    深い愛情は狂気にも見える。だけどその立場になってみないと実感できないこともたくさんあるのだと思う。

    現実でもしばしば、病気によって臓器提供を待つ幼い子どものことが話題になるけれど、高額のお金をかけてまで海外に行くことを希望したり、その支援者たちが募金をつのる理由がこの小説を読んでよく分かった。
    国内で実現するのなら、みんなそうしたいのは当たり前で、それが簡単には出来ないから、海外にその希望を繋ぐのだということ。

    自分の家族が「脳死のような」状態になったら、果たして自分はどうするだろうと考えた。自分自身の身体なら臓器提供をして死ぬ道を選ぶだろうけど、それが愛する人のことになると簡単には決断できない。
    僅かでも希望があるのならそれに賭けたいと願うのは自然なことだ。それが臓器提供を待つ人の命を縮めることになるのだと責められても、すぐに頷くことはできないと思う。

    どのようにして物語は決着するのだろうと思いながら読んだけれど、現実と幻想が入り混じっていて、切ないながらも良い終わり方だと感じた。
    プロローグとエピローグが綺麗に繋がっているところも良かった。

  • 久々の東野作品。
    やってくれるなぁ。
    正直言うと、あまり自ら進んで読みたいと思う作家さんではないのですが。

    脳死、臓器提供に纏わる話。

    もし自分の大切な人が限りなく脳死に近い状態となったら、どうするか。
    主人なら、娘なら、と悶々と考え込んでしまいました。
    考えたってわからないよなー。
    答えなんて出せないと思う。

    保険証の裏にも臓器提供をするか否かの選択をする欄がありますね。
    私は悩みに悩んで、まだ選べていないんです。
    いつも手が止まってしまう。

    だけど、家族を苦しめないためにも選ばなければな。

    『この世には狂ってでも守らなければいけないもよがある。子供のために狂えるのは母親だけ。』

    この言葉にグサっとやられました。

全602件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

人魚の眠る家のその他の作品

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

人魚の眠る家を本棚に登録しているひと

ツイートする