シェアハウスかざみどり

  • 幻冬舎 (2015年11月26日発売)
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本棚登録 : 380
感想 : 42
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  • 本 ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028562

感想・レビュー・書評

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  • 吸血鬼のようなシェアハウスの管理人。
    不吉な噂がある風見鶏の七不思議。
    何らかの意図のもとに集められた住人たち。

    なんだかホラーかサスペンスのような雰囲気で始まりましたが、テーマはとても温かいものでした。
    人は知らない所で誰かに助けられている事があるし、逆に誰かを助けている事もある。
    そこからご縁が繋がり、絆が深まるものだというハートフルな物語でした。

    心に浮かんで来たのは、実際にある私の大好きな景色のひとつ。

    六甲山があって、坂道があって、坂の下にザーッと街が広がっている景色。
    モデルの場所についての言及はありませんでしたが、30年前の出来事が語られたので、なんとなくこの場所を思ってしまいますね。
    例えば100年先、この景色を眺めている人たちの中に、震災の経験を話せる人はいないと思いますが、作品を読んだ人はいるかもしれません。
    そんな人たちが、震災に思いを馳せる事もあるかもしれないと思った作品でした。
    読めてよかったです。

  • ひだまりトマトさんの本棚から図書館予約

    神戸市北野の『風見鶏の館』がモデルですね
    名前は変えてありますがどこも馴染みのところばかり
    ウフフでした

    1から4章でかなり風変りな4人の過去が……
    そして終章で大団円

    管理人吸血君のキャラが秀逸でした

    自分では忘れていることが誰かの救いになっているかも
    それを律儀に返していく人もいる

    物語としては少し強引かなとは思いましたが
    楽しくほっこり読ませていただきました

    ≪ この地では 北は山側 南、海 ≫

    • ひだまりトマトさん
      はまだかよこさん、こんにちは。
      読まれましたか。
      喜んでいただいたようで、よかったです。
      はまださんにも馴染みの小説のようですね。ほっこりさ...
      はまだかよこさん、こんにちは。
      読まれましたか。
      喜んでいただいたようで、よかったです。
      はまださんにも馴染みの小説のようですね。ほっこりされたようですね。
      2023/09/03
    • はまだかよこさん
      ひだまりトマトさんへ
      はあい!
      教えてくださってありがとうございました。
      この作家さん、はじめまして、でした。
      馴染みの場所ばかりな...
      ひだまりトマトさんへ
      はあい!
      教えてくださってありがとうございました。
      この作家さん、はじめまして、でした。
      馴染みの場所ばかりなので楽しかったです。
      期間限定のシャアハウス、いいですね。
      コメントありがとうございました。
      2023/09/04
  • 名取佐和子さん、初めましての作家さんです。

    「シェアハウス・かざみどり」
    家賃や光熱費がサービスされる、期間限定お試しキャンペーン中~♪
    そんなオイシイ物件あっていいの~?と疑いたくなるような…。

    いつも不機嫌そうな管理人の青年、弓月。
    不器用で誠実すぎるがゆえに、就活がうまくいかない晴生。
    デパートが好きで、料理ベタ、かつてのお嬢様・暘子。
    (このお料理が、ぷぷっ。あまり人様のことは言えないけれど)
    家族にけむたがられ、家出した通販好きなおかん・麻矢。
    仕事は社長付きの運転手さん、なのに方向音痴な有。

    何か、関係があるんだろうと思っていたけれど…。
    うわぁ、そうだったんだ~。

    読み終えて、ふんわりと穏やかな、温かい気持ちになりました。
    「いつも誰かに助けられているんだ。」
    私もそういう感謝の気持ちを、忘れないようにしなくては…。

    知らなかったんですが、
    風見鶏って、風向計としてだけでなく、
    魔除けの役目もあるんですね。

  • シェアハウスの管理人と入居者たちとの連作物語。住人達それぞれの物語が進み、ラストは思いもよらない展開に。ほのぼのしたストーリーに、ミステリー要素が少しあり、面白かったです。

    特に後半は、どうなるのか気になって一気に読んでしまいました。

    シェアハウスの住人たちは、管理人の”弓月さん”を含めて、なんとなく世渡りが下手な感じの人達ばかり。要領が悪かったり、不器用だったり。だけど優しくて、善意を行動で示せる人。空回りしているように見えた登場人物達が肯定され、心がほわんと温かくなりました。

    救いに満ちた、優しい物語で、コロナ禍でささくれ立った気持ちを癒してくれる一冊でした。

  • シェアハウスかざみどりで期間限定お試しキャンペーンを実施。それに魅せられた晴生。隣の部屋は女性?!ワクワクドキドキのシェアハウス生活・・とはちょっと違ったものだったよう。シェアハウスの住人のそれぞれの事情のお話だったけれど、ちょっと自分的には微妙な感じ。

  • シェアハウスに集まった年齢も性別も違う4人がおせっかいな管理人とクリスマスまで生活する。
    ネグレクト、詐欺、情報漏洩、交通事故、傷害と事件がいっぱい出てくるのに最後はほっこりする不思議なお話。
    神戸が舞台でオシャレな雰囲気や関西独特の軽めな空気が良かった。でも阪神大震災の凄惨な場面は辛かった。
    ハッピーエンド。

  • どういう住人が集められたか、ちょっと推理小説の要素もありつつ、最後まで面白かった

  • シェアハウスに集った住人たちの話が1章ごとに進んでいく。
    どの住人の話にも響く言葉があった。
    各章では、住人たちそれぞれの人生に心が痛む場面もあるけれど、終章まで読むと、とてもほっこりする。
    みんな、自分が知らないうちに、誰かを救っているのかもしれない。

  • 無料で住めるというお試しキャンペーンで集まった、住人たち。
    ベイリー邸には、七不思議があって……。
    最初は軽い感じだけど、だんだんとシリアスな要素があらわれるように。
    家族の確執をえがいた「第三章 ハッピーバースデー」は、特にぐっとくる。
    抱えていた悩みがほどけ、さまざまなできごとがつながっていく。
    後半はじーんとくる場面が多く、心あたたまるお話。

  • クリスマスまで無料で洋館に住めるという特別企画に集まった4人。就職活動中の大学生。通販好きの主婦。想像力豊かな老女。方向音痴な運転手。そして、黒づくめの若い管理人の男。4人の過去の話がそれぞれおもしろい短編になっているのですが、それが一気にラスト繋がる。
    4人にそんな、まさかの共通点があったのか!管理人弓月くんの正体もわかります。
    私は主婦の麻矢さんの過去に一番びっくり。そしてここにいる理由にもまたびっくり。娘達とのエピソードもおもしろくて、一番印象深かったです。

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著者プロフィール

名取 佐和子(なとり・さわこ):兵庫県生まれ、明治大学卒業。ゲーム会社勤務の後に独立し、2010年『交番の夜』で小説家デビュー。著書に『ペンギン鉄道 なくしもの係』(第5回エキナカ書店大賞受賞)シリーズ、『金曜日の本屋さん』シリーズ、『シェアハウスかざみどり』『江の島ねこもり食堂』『逃がし屋トナカイ』『寄席わらしの晩ごはん』『七里ヶ浜の姉妹』『ひねもすなむなむ』『図書室のはこぶね』(京都府私立学校図書館協議会司書部会「中高生におすすめする司書のイチオシ本2022年度版」第6位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2022」第8位、うつのみや大賞2023第4位)ほか多数。

「2023年 『文庫旅館で待つ本は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

名取佐和子の作品

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