- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344028678
作品紹介・あらすじ
私たちにとって幸福とは何か?動けなくなり、意識をなくしてしまった時に、なお生きる意味を見出すことができるのだろうか?ベストセラー『嫌われる勇気』・アドラー心理学の第一人者が、ありのままの家族の関係を提言。
感想・レビュー・書評
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アドラー心理学の岸見先生の本。
なかなかに読み進めるのがつらい本だった。
岸見先生のファンでも講演会やセミナーで出会ったこともないのに、その先生のご両親、と思うだけで、つらくて切なくて。
親が後期高齢者なのでなにか参考になるかもと思って手に取ったが、リタイア。
p54
英語のlifeにはただ「生命」だけではなく、「生活」さらに「人生」という意味もあります。
p61
ここにいてもいいと思えることは大切なことです。帰らなくてもいいことがわかって以来、父は少し落ち着いたように見えました。
p65
しかし、重要なことは事実ではなくて、父にとっての真実です。
p71
何度も繰り返し語られる話は親にとって重要なことなので、その話はきちんと聞こうと思いました。
p78
(認知症になることによって)父は過去をなくしましたが、証人をなくした私も過去の一部をなくしてしまったといえます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どうして本書を手に取ったのか、よく考えてみた。
実際に親が後期高齢者となり、認知症にはなっていないが不安な要素はいくつかある。さらには、足が悪く今はまだなんとかすこしなら歩けるが、いずれはそれも出来なくなるかもしれない。
そういった先々への不安への対処の仕方や、不安そのものの正体が知りたかったのか。
覚悟のような、気持ちに整理をつけたかったのかもしれない。
本書では「老いた親」への向き合い方や考えかたなど、とても為になることが多く書かれていた。
でも、やっぱりつらい。老いた親を見るのも、介護をするのも考えるのも。
本書のように感情をうまく抑えてコントロールできるか、不安でしかたない。 -
岸見一郎先生らしい真面目な本です
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僕も母親に介護が必要で、おもに親父が介護をしていますが、そのやり方が神経質で職場的で暴力的かつ支配的。おまけに根性論。だからといって僕が取って代わるような余裕もなく、日々消耗していく。なにか本書にヒントはあるかと思って読みました。たしかに、一理ある言葉が並んでいます。しかし、それが一事が万事のように僕の家庭にあてはまるかといえば、そうではない。いちばん、心に残ったのは、「真剣になるのはよし。深刻にはならないこと」というようなところでした。これは、そうだなあと思います。ときおり思い出したい言葉でした。
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実際に介護を経験した著書が紡ぎ出した言葉の数々が ほっこりと心をほぐしてくれる。
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人間にとって幸福とは何か?動けなくなり、意識をなくしてしまった時に、なお生きる意味を見出すことができるのだろうか?出来なくなったことではなく、出来ることに注目したい。不意に訪れる「幸福の瞬間」を見逃さないようにしたい。親との過去もなくなったということを認め、そこから出発するしかない。過去を振り返っても意味がない。人生を効率的に生きることに意味はない。回り道をしたり、立ち止まったりすることは無駄ではない。親が家族のことを分からなくなっているとしても、親の人間としての価値は変わることはない。
亡くなった人のことを思い出した時、その人は近くにいる。
妻がもしも私のことを忘れてしまったら、またあらためて恋愛すればよい。
人生を効率的に生きることに意味はない。回り道をしたり、立ち止まったりすることは無駄ではない。道草を食ってもかまわない。 -
哲学者「岸見一郎」の視点だけではなく、人間「岸見一郎」として書かれていたことで共感するところがあった。
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「嫌われる勇気」で有名な著者。
自身の父母の介護のことを記している。
読んでいて、こんな風に考えられて、感じることができたら、素晴らしいなーと思いながらも、難しいな。。。とも思う。
読み進めていくと、やはり、アドラー心理学が根底にあり、それを実践されているのだなーとは思うが、なかなかアドラー心理学を身につけるのが難しい部分もあり、自分にはまだ無理かも。。と思ってしまう。
「いま、ここ」を生きることは、普段は意外に難しい。 -
「嫌われる勇気」の共著者が介護について書いた本。実践的な内容ではないが、根を詰めすぎない心の持ちようが介護をしている人には参考になりそう。まだまだ親が元気な私も、読んで良かったです。
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認知症を患う親に接する心構え。わかっているつもりでも、なかなかねぇ。