天才

著者 :
  • 幻冬舎
3.19
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本棚登録 : 1603
レビュー : 246
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028777

作品紹介・あらすじ

反田中の急先鋒だった石原が、今なぜ「田中角栄」に惹かれるのか。幼少期のコンプレックス、政界入りのきっかけ、角福戦争の内幕、ロッキード事件の真相、田中派分裂の舞台裏、家族との軋轢…。毀誉褒貶相半ばする男の汗と涙で彩られた生涯!

感想・レビュー・書評

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  • 田中角栄さんのファン(?)だった母。
    病床でこの本を読んでいました。
    その本を私も読んだのですが…
    田中角栄さんは魅力的な政治家だと思う。
    石原さんが書いたこの文章がどうも好みではなく、☆☆2つに。

  • 政治に疎い私。だけど田中角栄という天才というか怪物がいた事は知っている。
    読んでみようと手に取って、文字がびっしりじゃなかったから石原さんに感謝。

    前半はあまり頭に入らなく、やっぱりロッキード事件のあたりから一気に読み進める。

    辻和子さんと息子さんの本を読んでみたいと思った。

  • 田中角栄本人がその人生を独白形式で語るというスタイルの小説。著者は、かつて反田中角栄の急先鋒だった石原慎太郎氏。石原氏の田中角栄への思いがこめられた「長い後書き」がついているのも特色。
    田中角栄が「天才」ともいえる傑出した政治家であったことは、そのとおりだと思う。ただ、本書が、その「天才」ぶりを余すところなく描けているかというと疑問符がつく。正直、駆け足でつまみ食い的に人生を振り返る感じで、中身が薄く感じた。文体もとおりいっぺんな感じで、ちょっと物足りなかった。

  • 作家の石原慎太郎が昭和を代表する政治家田中角栄氏の半生を一人称視点で書いたベストセラーになった一冊。

    角栄ブームの火付け役となった本書は批判する立場であった著者が様々な文献を参考に一人称視点で半生が描かれており、当時を知らない私にも歴史を知ることができ、豪放磊落な人柄も本文から伝わってきました。

    日本列島改造論や日中国交正常化といった戦後復興に多大な影響を与えたことや現在にも通用する法案や自身の失脚につながることになる資源外交など政治家としての功績は現在の私たちの生活にも大きく関わってくるものであると感じました。

    本書のなかでも学歴社会の政治の世界で奮闘する角栄氏が土建の仕事の経験を誇りにのし上がっていく姿には心を打たれました。

    本書を読んで今の日本や政治家に足りないものを感じるとともに戦後復興期の日本という時代も感じることができました。
    田中角栄という稀代の政治家の半生を知り、今の日本の豊かさやこれからの未来などを考えさせられた一冊でした。

  • まるで田中角栄自身の自伝が如き錯覚を感じさせる。豪傑だが気遣いの人であった角栄。その人柄が端端に感じられるような文章だ。石原慎太郎氏の作家として高い能力を伺わせるが昨今の市場移転問題で後世を汚した感はある。「ひらがな漢字すべて忘れた」と語っていたが、ではこの本は何なのであろうか。(それはまた別の話だが)

    但し本作品、さもドキュメンタリーのようだが、石原氏が田中氏に近かしいわけではないし、真紀子氏ら親族にインタビューしたわけでもなさそうだし、ましてや田中氏自身は故人である。そうなれば当然各種文献を基とした構成であるが司馬遼太郎のような膨大な史料と大胆な仮説に基づいた創造的脚色というわけでもなさそうだ。

    読ませる文章であり娯楽性も高いが、ドキュメンタリー的体裁をとっているなかで、この本が一体なんであるのかなかなか判断は難しい。

  • 石原慎太郎氏が田中角栄の生涯を一人称で描いた作品。
    この企画自体はなかなか面白く、内容も田中角栄入門としては読みやすいので面白いし、一通りの田中角栄の歴史が手っ取り早くわかる。
    だが、いかんせんフォントがでかく、内容が少ない。現在の石原氏にはこれ以上の文量は難しいのかもしれないが、フォントをでかくしてページ数を稼いで、この値段を取るのはボッタクリだと思うのは私だけ?なぜこの本がこんなに売れたのか、正直不思議である。
    なお、この本ではロッキード事件は田中角栄を「白」として描いている。一人称で書かれているため混乱しそうだが、真相はこの通りかどうかは確実ではないことに注意を要する。
    最後に余談だが、「ありはしまい」という言い回しがくどいほど出てくるのが斬新だと思った。角栄っぽさを出すためにあえてこのような言い回しを多用したのだろうか。

  • 石原慎太郎の近時の態度が本書における文字の大きさに現れているようで、更には、角栄を自ら演じるかのような一人称の違和感から、本屋で開いた本を悩んだ挙句に棚に戻した。それが、5月の事で、つい9月の所用で日本に行った折、やはり興味には勝てず、とうとう買ってしまったのだ。

    青嵐会や石原慎太郎を語る時、必ず固有名詞の前に〝あの″と付けたり、外交における各国の評価や歴史認識は、田中角栄のそれよりも石原慎太郎に寄せた文言も散見され、そもそも語り口が、石原慎太郎特有の癖をそのままに、つまり生真面目にやる気は無く、何か、本を残すべき一つの目的が先にあったのではと勘ぐらせる。

    メディアに登場した際も、某アイドルの疑問に対し明らかな不快を隠そうとせず、政敵としての過去を取り繕おうともしない。

    では、一体何があるのか。目新しい話があるのかと、ページを捲る。しかし、然程古くもない田中角栄の話、週刊誌の発言の裏付けは出てくるにしても、新情報は見当たらない。ロッキード事件に関わる暴露話かと言うと、そうでもなさそうだ。そもそも、田中角栄については語り尽くされているのではないか。

    考え損か。森元孝さんという早稲田大学の教授との食事の場で、田中角栄について書いてはと薦められ、本作に至ったとの事。自らの筆力を頼っての道楽かと思ったが、後書きでその辺に触れている。田中角栄に対しての敬愛が滲み出ている。つまり、そういう事だから、某アイドルに怒ったのだろう。

  • 田中角栄の名前につられた。
    もう少し突っ込んだ角栄像が読みたかった。
    少し? 否かなり...物足りなさも...
    一人称で書かれた性かも知れないけど...
    実際、本人の書いた本が読みたくなった...

    石原慎太郎氏の本は初めてだけど...
    ちょっと残念でしたー

  • 未曽有の高度成長を遂げ世界に比類ない繁栄を齎したのは他ならぬ田中角栄という政治家。南北に長い国土を緻密で機能的なものに仕立てた高速道路の整備、新幹線の延長配備、各県一つの空港整備、また、エネルギー資源に乏しいこの国の自活のために原子力推進を目指しアメリカ傘下のメジャーに依存しない独自の資源外交を思い立ったのも彼。そのためにアメリカという支配者の虎の尾を踏みつけて彼らの怒りを買い、虚構に満ちた裁判で失脚に追い込まれた。誰にも負けない愛国者であったのに。返す返すも無念。

  • 違和感のある作品でした。日頃角栄の金権体質と真っ向から対決したと豪語しつつ、そのスケールの大きさや、卓越した創造性を評価している様子の石原氏。今角さんが居たら、みたいなことを何度かボヤいていたのを覚えているので、世に知られていない角さんのエピソードや、石原氏の評価を織り交ぜた書を期待していました。一人称を使って綴った軽量級の小説だったとは。オマケに角さんの台詞が、らしくなさすぎてガッカリでした。どちらかといえば、あとがきで紹介されていたようなエピソードを読みたかった。

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著者プロフィール

1932(昭和7)年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。『亀裂』『完全な遊戯』『死の博物誌』『青春とはなんだ』『刃鋼』『日本零年』『化石の森』『光より速きわれら』『生還』『わが人生の時の時』『弟』『天才』『火の島』『私の海の地図』『凶獣』など著書多数。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章。

「2019年 『湘南夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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