天才

著者 :
  • 幻冬舎
3.19
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本棚登録 : 1602
レビュー : 246
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028777

感想・レビュー・書評

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  • 一人称で語られたフィクション。実話なのかと思って手にとったので少しがっかりした気持ちもあったけれど、田中角栄という人物が天才であることに変わりはない。いい悪いは別として、自分の私腹よりも人のために生きている姿は学ぶところが多い。スケールの大きい人。索引にある本も併せて読んでいきたい。

  • 田中角栄本人がその人生を独白形式で語るというスタイルの小説。著者は、かつて反田中角栄の急先鋒だった石原慎太郎氏。石原氏の田中角栄への思いがこめられた「長い後書き」がついているのも特色。
    田中角栄が「天才」ともいえる傑出した政治家であったことは、そのとおりだと思う。ただ、本書が、その「天才」ぶりを余すところなく描けているかというと疑問符がつく。正直、駆け足でつまみ食い的に人生を振り返る感じで、中身が薄く感じた。文体もとおりいっぺんな感じで、ちょっと物足りなかった。

  • 田中角栄の一人称「俺」で物語がすすむ。客観的な事実はよいとして、本物の角栄の考え方や精神状態がそうであったかはわからない。小説の形式なので、石原氏の創作と考えたほうがよいだろう。

  • 気軽に読める、田中角栄の生涯、といった感じの1冊。
    かつて鋭くその金権政治に迫った著者が、なぜ今になって角栄本を書いたのか。出版当時もいろいろと言われましたが、強いリーダーを求める(ポピュリズム的な?)世の中の雰囲気に合わせて書いたという感じをどうしても持ってしまいます。田中角栄の業績について概要を知るためには、役に立つ1冊と思います。

  • 本書は、田中角栄を『俺』という一人称で記した自叙伝風の小説です。
    改めて田中角栄の生涯を垣間見ることができました。ロッキードの田中自身からの視点や機微を感じることできました。つい先日、テレビでみた森光子さんとの対談が思い出され、まさに波瀾万丈でありながら、人に厚い方立ったんだなぁっと。

    世代なのか、眞紀子さんの印象が強い(^^;

  • 一人称が今一しっくり来なかった。内容云々より文章を読んで作者の石原慎太郎も歳をとったなと感じてしまった。

  • 田中角栄という人が、結構好きだったので読んでみました。

    一言で言えば、男気のある人だったんだな。。。と。

    怖いものなしで、自分の思いのままに行動できた強い人。。。

    というイメージだったけど、

    女性を愛し、誰もが感じる孤独も感じていたのだな。。。と。

    一人の男の物語として楽しめました。

  • 著者自身が田中角栄を取り上げることに意味があり、それなりに読んで面白い内容だったが、ロッキード事件の欺瞞性を述べたいがための付け足しは言い過ぎかも知れないが、内容的に掘り下げが足りないように感じた。

  • レビュー省略

  • 「天才」
    石原慎太郎が田中角栄を切り取る。


    石原慎太郎は、嘗ては田中角栄元首相の金権政治を鋭く批判する側だった。それが逆に評価する側として小説を書き上げたものが本書である。


    「俺はいつか必ず故郷から東京に出てこの身を立てるつもりでいた」という文章から始まるこの小説は、田中角栄本人が自己の人生を語る回顧録のスタイルをとっています。しかし、何故回顧録としたのだろう。「政治に関わった者としての責任でこれを記した」とするならば、ノンフィクションの方が適切じゃないのかな?と。角栄が何を言って何を思ったのかを一人称で書かれていても、その一人称が角栄じゃないのだから、頭の端で本当にそうなの?と思っちゃいましたね。


    中身としては田中角栄を詳しくは知らない私には角栄初心者用として良かったです。田中角栄と言えば「インフラ整備」と「ロッキード事件」であり、それに紐づく些細な情報しか頭に入っていないレベルなので。そんな私であるので、角栄が子供の頃、電車にひき殺されそうになったり、軍隊に入隊していたり、個人企業を起こしていたり、懇願するから稲葉修を第一次内閣の文部大臣にしてやったとぶっちゃけたり(いいの?)、色々と発見がありました。


    他に見えてくるのは、ロッキード事件を代表とする様な事件の背景からは見えない人としてのデリケートな一面です。浪花節と映画を愛する、家族思いである、意外と人情家であるなど。不倫がばれて娘に辛く当たられるのは仕方がないと思うが(しかし、愛人を議会委員会に参考人として呼び出すのは如何なものかとも思う)。


    強烈な個性をもったリーダーが不在の今、石原慎太郎に「高速道路、新幹線、飛行機のネットワーク。私たちが生きている現代を作ったのは田中角栄だ」のような言葉を言わせる政治家はもう現れないかも知れない。


    しかし、「アメリカという外国の策略で田中角栄という未曽有の天才を否定し葬ること」は絶対に許されないと力を込める程、角栄を買っていたとは。。。


    角栄には確かに国を良くするだけの胆力と決断力はあった?と思わせる。少なくとも今の政治家なんかより全然ありと思わせる。

著者プロフィール

1932(昭和7)年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。『亀裂』『完全な遊戯』『死の博物誌』『青春とはなんだ』『刃鋼』『日本零年』『化石の森』『光より速きわれら』『生還』『わが人生の時の時』『弟』『天才』『火の島』『私の海の地図』『凶獣』など著書多数。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章。

「2019年 『湘南夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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