天才

著者 :
  • 幻冬舎
3.19
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本棚登録 : 1606
レビュー : 246
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028777

感想・レビュー・書評

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  • 政治に疎い私。だけど田中角栄という天才というか怪物がいた事は知っている。
    読んでみようと手に取って、文字がびっしりじゃなかったから石原さんに感謝。

    前半はあまり頭に入らなく、やっぱりロッキード事件のあたりから一気に読み進める。

    辻和子さんと息子さんの本を読んでみたいと思った。

  • 田中角栄本人がその人生を独白形式で語るというスタイルの小説。著者は、かつて反田中角栄の急先鋒だった石原慎太郎氏。石原氏の田中角栄への思いがこめられた「長い後書き」がついているのも特色。
    田中角栄が「天才」ともいえる傑出した政治家であったことは、そのとおりだと思う。ただ、本書が、その「天才」ぶりを余すところなく描けているかというと疑問符がつく。正直、駆け足でつまみ食い的に人生を振り返る感じで、中身が薄く感じた。文体もとおりいっぺんな感じで、ちょっと物足りなかった。

  • 作家の石原慎太郎が昭和を代表する政治家田中角栄氏の半生を一人称視点で書いたベストセラーになった一冊。

    角栄ブームの火付け役となった本書は批判する立場であった著者が様々な文献を参考に一人称視点で半生が描かれており、当時を知らない私にも歴史を知ることができ、豪放磊落な人柄も本文から伝わってきました。

    日本列島改造論や日中国交正常化といった戦後復興に多大な影響を与えたことや現在にも通用する法案や自身の失脚につながることになる資源外交など政治家としての功績は現在の私たちの生活にも大きく関わってくるものであると感じました。

    本書のなかでも学歴社会の政治の世界で奮闘する角栄氏が土建の仕事の経験を誇りにのし上がっていく姿には心を打たれました。

    本書を読んで今の日本や政治家に足りないものを感じるとともに戦後復興期の日本という時代も感じることができました。
    田中角栄という稀代の政治家の半生を知り、今の日本の豊かさやこれからの未来などを考えさせられた一冊でした。

  • まるで田中角栄自身の自伝が如き錯覚を感じさせる。豪傑だが気遣いの人であった角栄。その人柄が端端に感じられるような文章だ。石原慎太郎氏の作家として高い能力を伺わせるが昨今の市場移転問題で後世を汚した感はある。「ひらがな漢字すべて忘れた」と語っていたが、ではこの本は何なのであろうか。(それはまた別の話だが)

    但し本作品、さもドキュメンタリーのようだが、石原氏が田中氏に近かしいわけではないし、真紀子氏ら親族にインタビューしたわけでもなさそうだし、ましてや田中氏自身は故人である。そうなれば当然各種文献を基とした構成であるが司馬遼太郎のような膨大な史料と大胆な仮説に基づいた創造的脚色というわけでもなさそうだ。

    読ませる文章であり娯楽性も高いが、ドキュメンタリー的体裁をとっているなかで、この本が一体なんであるのかなかなか判断は難しい。

  • 石原慎太郎氏が田中角栄の生涯を一人称で描いた作品。
    この企画自体はなかなか面白く、内容も田中角栄入門としては読みやすいので面白いし、一通りの田中角栄の歴史が手っ取り早くわかる。
    だが、いかんせんフォントがでかく、内容が少ない。現在の石原氏にはこれ以上の文量は難しいのかもしれないが、フォントをでかくしてページ数を稼いで、この値段を取るのはボッタクリだと思うのは私だけ?なぜこの本がこんなに売れたのか、正直不思議である。
    なお、この本ではロッキード事件は田中角栄を「白」として描いている。一人称で書かれているため混乱しそうだが、真相はこの通りかどうかは確実ではないことに注意を要する。
    最後に余談だが、「ありはしまい」という言い回しがくどいほど出てくるのが斬新だと思った。角栄っぽさを出すためにあえてこのような言い回しを多用したのだろうか。

  • 田中角栄の名前につられた。
    もう少し突っ込んだ角栄像が読みたかった。
    少し? 否かなり...物足りなさも...
    一人称で書かれた性かも知れないけど...
    実際、本人の書いた本が読みたくなった...

    石原慎太郎氏の本は初めてだけど...
    ちょっと残念でしたー

  • 未曽有の高度成長を遂げ世界に比類ない繁栄を齎したのは他ならぬ田中角栄という政治家。南北に長い国土を緻密で機能的なものに仕立てた高速道路の整備、新幹線の延長配備、各県一つの空港整備、また、エネルギー資源に乏しいこの国の自活のために原子力推進を目指しアメリカ傘下のメジャーに依存しない独自の資源外交を思い立ったのも彼。そのためにアメリカという支配者の虎の尾を踏みつけて彼らの怒りを買い、虚構に満ちた裁判で失脚に追い込まれた。誰にも負けない愛国者であったのに。返す返すも無念。

  • 親父が買ったので読んでみたけど、あまりおもしろくなかった。
    石原慎太郎のこづかい稼ぎなんじゃないのくらいな感じ。
    田中角栄に関してはロッキード事件や日本列島改造論や日中の国交回復程度しか知らなかったけど、この本は石原慎太郎が田中角栄を主語として書いている内容で、田中角栄について語るというよりは田中角栄の物語的な内容だった。
    結局ロッキード事件てアメリカに嵌められた的な感じだったんだけど、どうなんだろう。田中角栄の周り普通に死んでる人いるし。この本読む限りではわからない。にしてもこの人のリーダーシップはやっぱりすさまじいものがあるなとは思う。ブラックな面がかなりあると思うけど、こういう政治家も必要と言えば必要。選挙に金使いすぎだけど。この人大学出てないって言っても頭いいし行動力あるから全然関係ないと思う。当時の東大出の官僚や政治家はどう思っていたのだろう。田中真紀子に嫌われてたのは意外だった笑

  • 石原慎太郎が、田中角栄に成り代わり1人称で綴った自叙伝。こういう書き方もあるんだなーと。どこまでが事実でどこからがフィクションかわからないが、田中角栄への興味は沸きました。田中角栄について改めて別の本を読んでみよう。

  • 一人称で語られたフィクション。実話なのかと思って手にとったので少しがっかりした気持ちもあったけれど、田中角栄という人物が天才であることに変わりはない。いい悪いは別として、自分の私腹よりも人のために生きている姿は学ぶところが多い。スケールの大きい人。索引にある本も併せて読んでいきたい。

  • 田中角栄の一人称「俺」で物語がすすむ。客観的な事実はよいとして、本物の角栄の考え方や精神状態がそうであったかはわからない。小説の形式なので、石原氏の創作と考えたほうがよいだろう。

  • 気軽に読める、田中角栄の生涯、といった感じの1冊。
    かつて鋭くその金権政治に迫った著者が、なぜ今になって角栄本を書いたのか。出版当時もいろいろと言われましたが、強いリーダーを求める(ポピュリズム的な?)世の中の雰囲気に合わせて書いたという感じをどうしても持ってしまいます。田中角栄の業績について概要を知るためには、役に立つ1冊と思います。

  • 本書は、田中角栄を『俺』という一人称で記した自叙伝風の小説です。
    改めて田中角栄の生涯を垣間見ることができました。ロッキードの田中自身からの視点や機微を感じることできました。つい先日、テレビでみた森光子さんとの対談が思い出され、まさに波瀾万丈でありながら、人に厚い方立ったんだなぁっと。

    世代なのか、眞紀子さんの印象が強い(^^;

  • 一人称が今一しっくり来なかった。内容云々より文章を読んで作者の石原慎太郎も歳をとったなと感じてしまった。

  • 田中角栄という人が、結構好きだったので読んでみました。

    一言で言えば、男気のある人だったんだな。。。と。

    怖いものなしで、自分の思いのままに行動できた強い人。。。

    というイメージだったけど、

    女性を愛し、誰もが感じる孤独も感じていたのだな。。。と。

    一人の男の物語として楽しめました。

  • 著者自身が田中角栄を取り上げることに意味があり、それなりに読んで面白い内容だったが、ロッキード事件の欺瞞性を述べたいがための付け足しは言い過ぎかも知れないが、内容的に掘り下げが足りないように感じた。

  • レビュー省略

  • 「天才」
    石原慎太郎が田中角栄を切り取る。


    石原慎太郎は、嘗ては田中角栄元首相の金権政治を鋭く批判する側だった。それが逆に評価する側として小説を書き上げたものが本書である。


    「俺はいつか必ず故郷から東京に出てこの身を立てるつもりでいた」という文章から始まるこの小説は、田中角栄本人が自己の人生を語る回顧録のスタイルをとっています。しかし、何故回顧録としたのだろう。「政治に関わった者としての責任でこれを記した」とするならば、ノンフィクションの方が適切じゃないのかな?と。角栄が何を言って何を思ったのかを一人称で書かれていても、その一人称が角栄じゃないのだから、頭の端で本当にそうなの?と思っちゃいましたね。


    中身としては田中角栄を詳しくは知らない私には角栄初心者用として良かったです。田中角栄と言えば「インフラ整備」と「ロッキード事件」であり、それに紐づく些細な情報しか頭に入っていないレベルなので。そんな私であるので、角栄が子供の頃、電車にひき殺されそうになったり、軍隊に入隊していたり、個人企業を起こしていたり、懇願するから稲葉修を第一次内閣の文部大臣にしてやったとぶっちゃけたり(いいの?)、色々と発見がありました。


    他に見えてくるのは、ロッキード事件を代表とする様な事件の背景からは見えない人としてのデリケートな一面です。浪花節と映画を愛する、家族思いである、意外と人情家であるなど。不倫がばれて娘に辛く当たられるのは仕方がないと思うが(しかし、愛人を議会委員会に参考人として呼び出すのは如何なものかとも思う)。


    強烈な個性をもったリーダーが不在の今、石原慎太郎に「高速道路、新幹線、飛行機のネットワーク。私たちが生きている現代を作ったのは田中角栄だ」のような言葉を言わせる政治家はもう現れないかも知れない。


    しかし、「アメリカという外国の策略で田中角栄という未曽有の天才を否定し葬ること」は絶対に許されないと力を込める程、角栄を買っていたとは。。。


    角栄には確かに国を良くするだけの胆力と決断力はあった?と思わせる。少なくとも今の政治家なんかより全然ありと思わせる。

  • 田中角栄を追い込んだ石原慎太郎が書く主観モノ。自伝的口調で書かれているから薄い内容。読みやすくて、入りやすい。

     田中角栄をロッキード事件で退陣に追いやった石原慎太郎が書くから意味のある本。アメリカに嵌められて翼をもがれたイカロス。というには田舎臭い男だが、やはりゴッドファーザー的な人物はこういう運命を背負うんだよな。田中角栄を失った日本の損失と書かれているが、田中角栄が君臨し続けたら、日本はアメリカに踏みにじられていたんじゃあないだろうかぁ。

     いや、むしろそのほうが失われた20年とかクソみたいな旧態依然とした思想が暴走することもなかったのかなぁ。タラレバ。タラレバ。

     ただ、最近の政治家に大物感がない、田中角栄ぐらいアメリカに牙をむける大物政治家がいないのは問題だよなぁと思う。結局、安倍晋三もアメリカの顔色を窺いつつうまく立ち回っているだけだし。高齢者とアメリカの顔色をうかがうだけの小手先政治家だけだから、日本は終わりである。
     
     田名角栄をみていいなぁって思うのは、やっぱりドカタを愛しているところだなぁ。頭いいだけでおバカなインテリ官僚にはわからない、本当の国力というのを肌身で知っていた政治家ってのは、本当においしいよ。

  • まあまあ

  • 面白かった。
    良く知らずにイメージに引っ張られるのは良くないとつくづく思った。
    お金を使うということをここまでうまく出来る人はまずいないのだろうなと思った。あくまで手段であって、お金ばかりがクローズアップされるのはよくないと思った。

  •  石原慎太郎の話題作で、田中角栄を一人称で書いた作品である。当時は政治家としては田中角栄とは相性が悪かった感があるが、作家として或いは引退した政治家として或いは過去として振り返ってみる時になってみれば、田中角栄を天才と認めざるを得ないと本心を語ったものだろう。
     そんな政治家がいたことを、思い出して欲しかったに違いない。だから本書がベストセラーになったことは快哉だったことだろう。
     石原慎太郎にしか書けない本だし、まだ作家として健在の証明でもあり、一読者として嬉しくかつ懐かしく読めた。

  • 田中角栄…今となっては島田一の介の一発ギャグでしか知ることが出来なくなった存在。それがどうしてこの時期に取り上げられるのか、それも現役時代に真っ向から弓を引いた男の執筆で。
    ご都合主義でまるで国民のほうを向いていないトップを代表とする小物の政治家ばかりの今日、求められる真のリーダー像として神輿を担ぐのが意図なのだろうがならば立志伝をコピペせずタイトル通り天才の天才たる所以を余すことなく披露していただきたかった。
    罪滅ぼし目的かどうかは知りませんが疑獄の首謀者を米国になすりつけるようなやり口をしているといい死に方しませんぜ御大

  • 著者は石原慎太郎
    天才=田中角栄
    一人称の伝記小説?と言っていいのかな。
    要は「田中角栄はアメリカによって葬られた」ということのようだ。

  • 田中角栄はアメリカの陰謀に葬られてしまったと言うのは本当なのだろうか。後半の政治の駆け引き部分は、背景を知らないと理解が難しい。

  • なんとなく興味があって読んでみた。政治を語る上で切り離せない「田中角栄」という存在。政治家は常に国民の代理人であるという、本質的なものを見据えていたんだなぁと改めて気づいた。それを事件の発端となる一石を投じた石原氏が執筆となるとなかなか面白かった。何にせよ、山深い田舎が都心と繋がる唯一の線、高速道路ないし空港の設備を進めてくれた事を心から感謝したいと思う。

  • 2017/08/16:読了
     石原慎太郎による、田中角栄の一人称小説。読みやすいけど、なんでこんなの書いたんだろう。

  • 読んでいくと、この本は石原氏の角栄論、角栄の政治評価論で、角栄になりかわって書いたもので、最初は読みずらかった一人称も、内容に合っているかと感じた。

    誰かの伝記、あるいは偉人を主人公にした小説は、第三者が客観的な目で脇や高見から見ている、といったものに慣れているが、これは死んだ角栄が映像でボヤっと現れて語っている、という印象。

    最大の関心事のロッキードと女性関係も、「俺は○○した、○○してやった、」と語らせせていて、ああ、これが石原氏の見解なのか、と感じた。

    石原氏は、国会議員時代は田中氏とは敵対していたようだが、文中では田中氏への愛を感じた。あとがきでも政治家として偉大な天才、そしてそれを書きたかったと述べていた。

    が、しかし、こと女性関係の見解については男性からみるとこうなんだろうね、という冷めた見方しかできなかった。

  • 一人称で、出自、小学生の頃から死まで。世の中のしくみを知り、努力し、世渡り、人を見極め交渉し、未来を考えて動く。

    「長い後書き」に、ああ本当に、天才だったのだなあと思いました。

  • 政治はいつまでも未熟なもの。

著者プロフィール

1932(昭和7)年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。『亀裂』『完全な遊戯』『死の博物誌』『青春とはなんだ』『刃鋼』『日本零年』『化石の森』『光より速きわれら』『生還』『わが人生の時の時』『弟』『天才』『火の島』『私の海の地図』『凶獣』など著書多数。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章。

「2019年 『湘南夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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