リフォームの爆発

著者 :
  • 幻冬舎
3.14
  • (3)
  • (7)
  • (21)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 145
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344029026

作品紹介・あらすじ

ただならぬ文学的ビフォア・アフター!流し台が部屋のど真ん中にある鬱陶しさよ-。犬と猫と、熱海で暮らす作家の自宅大改造。

感想・レビュー・書評

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  • 破壊があってこその創造。破壊を恐れていては新しいものを生み出すことはできない。町田邸のリフォームを通して、氏の心の爆発が軽やかに描かれている。男なのに平日はブラジャーをつけ休日はキャミソールを身につけるような懊悩と煩悶を抱えながらも着実にリフォームは進んでいく。但し、その裏にはたくさんのあきらめと妥協がある。人生の一端を垣間見る。爆発のシーンには拍手喝采もしたり。

  • 本作を他人に説明するのが難しく、くだりらしいくだりもないので、例えば断熱材を入れようとしたけど、業者がやってくれないかもしれん、といった逡巡をしている、と話したところで、これに嫌悪感を示す人と、強烈な興味をそそられる人に二分されるのではないかと確信しています。意図したかどうかわかりませんが、他人からの評価を拒絶したのか、物語の必要性を問うているような感じになっていて、それでもちゃんと強烈なオチを作るところが町田康の特徴の一つですね。LPでいえば現代音楽的な繰り返しが30分続いたあと、2曲目がわずか1分だけどメロディアスになる、という具合いですね。

  • 好き過ぎる。

    リフォームは考えた事がないけれど、
    実用書と言っても良いくらい自分にとっては細やかで、リフォームに対する心構えが出来た。

    そして大変具合が良いのが、言葉の面白み。
    音もリズムも好き過ぎる。

  • 例の町田節で書かれた自宅のリフォーム体験記。
    現実のお話だから、いつもように突拍子もないストーリーではありません。
    ラストはどんなふうに終わるのだろうと思っていたら、
    やはり突拍子あり。
    ふーん、そこに繋がるか。おほほ。

  • 人と寝食を共にしたい居場所がない二頭の大型犬の痛苦。
    人を怖がる猫六頭の住む茶室・物置小屋、連絡通路の痛みによる逃亡と倒壊の懸念。
    細長いダイニングキッチンで食事をする苦しみと悲しみ。
    ダイニングキッチンの寒さ及び暗さによる絶望と虚無。
    ……これらの問題を解消すべく行われたリフォームの記録。
    なのですが、冒頭で仮に語られた岡崎氏の雨戸のリフォームの件やら、工務店選びの件やら、なかなか愉快。
    ところどころ文学的にすぎてよくわからず、呆然とするうちにページを繰ってしまっていた、というところもあったものの、面白かったので良し。

  • 文体がいちいちシンドイ。好きな人は好きなんだろう。

  • リフォームやったことある人なら、そうそうそう、そう!って声が出ちゃうと思うんですよ。
    業者さんとの交渉とか、お茶出しの問題とか、私のことかと思うようなリアル感があって、一気読み。

    不具合を「あきらめるのか、戦うのか、受け入れるのか」。「家には夜おそく帰って寝るだけ」の人なら、ここまでする意味はわからないかもしれない。うちは一室を仕事場にしていて、圧倒的に長い時間を過ごすから、「住」を素敵にしたら生活全般が底上げされる感じ、わかるわぁ。

  • 町田さんは、リフォームとはなんぞや?を考え抜き、定義する。マーチダ家がどれだけへんてこな間取りで、様々な不具合があるか伝えるために、図面や写真はいらない。独特の文体、作家の想像力は、町田家におけるリフォームの必要性、その、段取りに始まるひとつひとつの細やかな作業の大変さを容赦なく読者に見せつける。
    それにしても町田邸はなぜ次から次へとおかしなことになってしまうのか?はたしてうまくいくのか?テリブルテリブル‥なのである。
    暴走する思い込み。おもしろかった!犬猫出演は若干ひかえめ。
    写真多めの実録版も楽しみにしています。

  • 布袋に殴られて千葉で被害届を出して知った人だが,パンクバンドが結構人気で,2000年には芥川賞を受けているんだね~2006年リフォームして住み始めた傾斜地に建つ家に不都合が生じ,2008年に8月に歳リフォームを思い立つ。工務店は地元のみなみの工務店。南の茶室をリビングダイニングと一緒にし,そうすると南北に細長くなるから,東西に延びている廊下を潰し,真ん中に位置する台所を北側に移し,元の仕切りがあった勝手口の壁を利用して格子戸を付ける。更に南の庭に20畳大のウッドテラス,リビングダイニングには温水床暖とトップライトと南の大きな掃き出し窓。ガス床暖房はランニングコストが高く,洗面台を高くしてくれと云ったら,胸の高さになってしまった。かくして永久リフォーム論へ~奥付がなくて吃驚した。2016年3月10日初版…1500円。結婚しているらしいが,公になっていない。ガス床暖房はランニングコストが高く,洗面台を高くしてくれと云ったら,胸の高さになってしまった

  • 自宅をリフォームする話ですが、リフォームを請け負う人々は、営業と職人含めて多数に渡るうえ、しかも、得意とする範囲は極めて少ない工程であり、入れ代わり立ち代わり、タイプの異なる職人が登場することに困惑する家主でありました。また、間取りや素材選びなどで何度も選択を迫られる機会に見舞われ悩み抜く家主でもあり、仕上がるまで大変な苦しみが伴う物語でした。

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プロフィール

1962年生まれ、大阪府堺市出身。バンド「INU」のボーカリストとして活動する一方、俳優、詩人としても活躍。1996年「くっすん大黒」で小説家デビューし、第7回bunkamuraドゥマゴ文学賞、第19回野間文芸新人賞を同時受賞。2000年「きれぎれ」で第123回芥川賞を受賞以降は、作家としての活動にほぼ専心している。
その他受賞歴として、2001年『土間の四十八滝』で第9回萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で第28回川端康成文学賞、2005年に『告白』で第41回谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で第61回野間文芸賞をそれぞれ受賞。
上記文芸作が代表作として評価を得る一方、映画化された『パンク侍、斬られて候』など、メディア化作品が多い。エッセイストとしても定評があり、『猫にかまけて』『スピンク日記』などが人気。

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