- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344029262
作品紹介・あらすじ
時は江戸時代中期。大坂の生國魂神社の境内には、芝居小屋や見世物小屋が軒を連ね、多種多様な芸能が行われていた。笑話の道を志した米沢彦八は、役者の身振りや声色を真似る「仕方物真似」、滑稽話の「軽口噺」などが評判となり、天下一の笑話の名人と呼ばれ、笑いを大衆のものとした。彦八は何故、笑いを志し、極めようとしたのか?そこには幼き頃から心に秘めた、ある少女への思いがあった-。
感想・レビュー・書評
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木下昌輝氏の武将物が大好きだから始めは江戸期の噺家の話しに軽いな、と思ったがその思いは読み進むうちに杞憂に終わった。ある時は骨太く、ある場面では切ないほど繊細に、人情も絡めてとても良かった。主人公の米澤彦八は実在しその伝記だとあとで知った。
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木下昌輝が噺家の物語を描くと聞き、初めは少し軽い話になってしまうのではないかと思ってしまった。
だが、それも杞憂に終わった。
戦国武将を描いている時と同じように、キレがよく、いつもの木下昌輝のままであった。
ひとりの女を笑わせるため、笑いの道を極める米沢彦八に涙した。 -
2019.12.28完了
最期の最期は泣いてしまったぜぃ
途中までは☆3つの内容かと思っていたけれど、終盤はなかなか味わい深かった -
上方落語の祖、米沢彦八の物語。いやあ面白かった!たくさん泣いた。なんの前評判も知らず、たまたまタイトルに惹かれて手に取ったのだけど、期待もなかったぶん大当たりを引き当てた感がある。素晴らしい。ええ話。実在の人物の史実にifを加えての物語だし、ああこうやって、ひとを笑わせるという芸が“生業”“芸能文化”として確立していったんだなあと、感銘を受けた。ひとを笑わせるという能力に、最大の敬意を払っているので。彦八と里乃の関係、ものすごく好きだなあ。鹿野武左衛門と息子梅若の関係も、はじめて武左衛門が登場するシーンから、あああそこからすべてつながっていたんだ、という運命のラインがあるし、弟子の彦蔵もいいなあ。笑いのプロたちの日常会話の粋なかんじもすごく読みごこちがよかった。これは万人に推したい。
そしてこれって、ちょっとまえに駿河太郎さんが落語家を演じることになって鶴瓶さんには報告済、みたいなネットニュースになってた、あの舞台の原作なんだね。彦八を駿河さんが演じるのならさぞ、見ごたえがありそうだ。大阪で2月かあ。。。機会と余裕に許されるなら観に行きたいけど、いまの立場では無理かなー。きっと舞台も面白そうだけどこの1冊はとにかく大満足!何年たっても忘れない、お気に入りの1冊に出会えた、こういうときの嬉しさはうまく言葉で表現できない。木下さん初読だったのだけれど、ファンになった! -
あまり期待せずに読み始めたが、これがなかなか面白く、一気に読破。
ところどころに軽妙な笑いがあり、読者を飽きさせない。
人間関係もしっかり描写されている。
出典を見て、実在の人物であったと知り、驚いた。 -
今で言う芸人さん、噺家さんのご先祖様のような米沢彦八の物語。読む前は、ネタの笑い話がつまらなかったら、読むのが辛いなと思ってたけど、稀有に終わった。もちろん現代の感覚からすれば、他愛もない素直な笑いなんだけど、それをわざとらしくなく、つまらないと思わせることもなく見せてくれた。
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2022.12.15 読了
大阪の生魂(いくたま)神社で
現在も 毎年行われている 落語家さんの
お祭り、彦八まつりの名前にもなってる
米沢彦八の 伝記でした。
落語がまだ 確立されてないような
落語の源のような話。
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内容(「BOOK」データベースより)
時は江戸時代中期。大坂の生國魂神社の境内には、芝居小屋や見世物小屋が軒を連ね、多種多様な芸能が行われていた。笑話の道を志した米沢彦八は、役者の身振りや声色を真似る「仕方物真似」、滑稽話の「軽口噺」などが評判となり、天下一の笑話の名人と呼ばれ、笑いを大衆のものとした。彦八は何故、笑いを志し、極めようとしたのか?そこには幼き頃から心に秘めた、ある少女への思いがあった―。
令和元年10月8日~11日