ツバキ文具店

著者 : 小川糸
  • 幻冬舎 (2016年4月21日発売)
4.16
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  • 本棚登録 :3507
  • レビュー :424
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344029279

作品紹介・あらすじ

ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。

ツバキ文具店の感想・レビュー・書評

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  • 代書屋として手紙を記していく主人公の仕事を、隣の部屋から見守るかのような心境にさせられた。淡々と和紙を重ね貼りしていくかのように紡がれる物語は、ずっと読み進めていきたくなるような、暖かい手触りを与えてくれる。そして心中に存していた、鎌倉への憧れが昇華されたかのような読後感がやってきた。ときおり読み返したくなるような愛おしい作品。

  • 鎌倉にある「ツバキ文具店」。先代が亡くなったあとを継いだ鳩子に持ち込まれる絶縁状、ラブレター、離婚のお知らせといった依頼を思い共に毛筆・万年筆・ガラスペン・・色々な文房具で代筆します。
    夏から春まで、依頼者を通じて自分と先代の祖母の思いを書いた手紙を読み、自分の気持ちと向き合います。
    実際に鳩子や依頼者が書いた手紙も読める楽しさもあります。
    手紙で繋がる人のお話。

  • 2018.4月。

    こりゃ糸さんだ。
    .
    ストーリーもそうだけど、時々出てくる手紙がいい。
    字や書き方や道具やらでこんなに違ってくるのか。
    おもしろいー。
    手紙もらうと嬉しいよね。
    書いてる時も楽しいよね。
    糸さんの小説に出てくる人たちってみんな質素だけど豊か。
    キラキラしてる。
    .
    わたしも手紙書こう。
    日常に取り入れよう。
    まずは便箋買わな。

  • 2018.4.9
    すごくあったかい気持ちで読了。
    誕生日には手紙を届けたいし、かわいいポストカードとか切手とかシールが大好きな私には、大好きな作品になった。今すぐなにか書きたくなる衝動に駆られる!

    鎌倉の人たちを取り巻くあったかい日常。バーバラ夫人の毎日が冒険っていうの、すごく素敵。何気ない日常がとても素敵なことなんだと思い出させてくれる。
    物語の随所随所に登場するごはんやカフェの描写も素敵。毎日の食べるものを大切にしたくなる。誰かと一緒に食べるごはんは、1人で食べるよりも美味しく感じるから不思議。それに、場所を変えるとそれだけでよりおいしくなったり。

    後悔しないのは無理かもしれないけれど、過去は戻ってこないから。今ある毎日を大切にすることが、今の自分にできることなんだと思い出させてくれる。

    紙とかペンのお気に入りを見つけたくなった♪

  • じっくり丁寧に、手書きの手紙を書きたくなるお話だった。
    代筆屋をやっている鳩子さんがお仕事で書いた文や、そのほかの文、書き付け、ちっちゃな友達のQPちゃんが書いた手紙など、いろいろな手書き文字がそのまま印刷されている構成がとてもいい。
    きれいな字っていいものだ。
    字と同じく、きちんと丁寧に生きなくちゃ、としみじみ感じるような読後感だった。

  • 「だから、後悔しないなんて、ありえないんです。ああしてあげればよかった、あの時あんなことを言わなければよかった、ってね。ボクも、ずっと思ってましたから。
    でも、ある日気づいたんですよ。気付いたっていうか、娘に教わったんです。
    失くしたものを追い求めるより、今、手のひらに残っているものを大事にすればいいんだって。」

    この本を予約したきっかけは、朝日新聞の広告にあった最後の一行でした。
    私にとって、思い出すと辛い、でも思い出さない日はない、ある人の存在。
    その思いがクリアできるかなと思ったから。

    読み終えてみると、そこの部分の占める割合は大変小さくて、ただただ面白い本でした。
    鎌倉は自分にとってとても大事な思い出がたくさんある場所。
    しかも読み進めていくと、私に共通のアイテムが次々登場で、びっくり!

    おそらく年明けに手に届くと思う続編『キラキラ共和国』を、首を長くして待っています♪

  • 読んでるうちに鎌倉に行きたくなる本。
    言葉だったり文字を大切にしたくなったり、こだわりの文具が集めたくなった。

  • 「食堂かたつむり」に続いて小川糸さん。
    舞台設定が鎌倉というのも、横浜市民にはツボである。(横浜市民は地元愛が特に強いと自認している人が多いと思うが、鎌倉エリアに対しては筆舌し難い憧れがあるのである…と勝手に考えている)

    「食堂かたつむり」は少し現実味のないファンタジー?要素が強かった気がしたのだが、この「ツバキ文具店」は設定が地についているというか、登場人物の性格や生活がそれぞれ手に取るように伝わってきて、物語の舞台である鎌倉に自分もいるかのような感覚で読める。
    本にツバキ文具店周辺の地図や、鳩子が代書した手紙なども載っているのが、読む者の心をくすぐる。
    ドラマは見てないが、ドラマ化されるのも納得。
    登場人物達のその後が気になるので、続編の「キラキラした共和国」も読みたい。

  • 鎌倉を舞台に、文具店を継いで代書屋となる若い女性。
    書くことが難しい手紙を、よく話を聞いて代わりに書いて出すという。
    あたたかい気持ちになれる優しい物語です。

    雨宮鳩子は厳しい祖母に育てられ、しつけというより修行のような独特な教育に反発して、家を出ていました。
    祖母が亡くなり、なりゆきで文具店と代書屋を継ぐことに。
    たいてい「ポッポちゃん」とかわいく呼ばれていますが、高校の頃は反抗期でガングロだったという激しいものも秘めています。
    隣の洋館で暮らす女性は皆に「バーバラ婦人」と呼ばれていたり、近所に住む初老の堂々とした男性は「男爵」、ポッポちゃんになつく女の子は「QPちゃん」など、可愛らしいネーミングで柔らかな雰囲気が溢れ、癒やされます。

    依頼される手紙の内容はじつに様々で、お悔やみの手紙や、離婚の報告をする手紙、結ばれなかった初恋の人に元気だということだけを伝えたい手紙、借金を断る手紙、なくなった夫からの手紙を待っている老婦人に送る天国からの手紙など。
    事情を汲み取って、依頼人の心をほぐし、手紙の目的を達成する‥
    そのためには、身を清め、便箋の紙質や筆記具の種類、字体などもよく考えて書くのです。
    ポッポちゃん(この呼び方がおかしくない雰囲気の娘さんだと思われるのですが)、じつは凄腕!
    この凝りようと専門知識も面白く、メールでなくプリンター印刷でもない手書きの手紙というのは良いものだなという素直な感想をいだきました。

    美しい四季の移ろいと古風な暮らし、美味しい食べ物、身近な人との親しさが深まっていく楽しさ。
    心に頑なな屈託を抱えた鳩子自身が少しずつ落ち着いてきたある日、祖母が文通していた異国に住む女性から、手紙が届けられ‥?

    すべてが丁寧で優しく、人の暖かさに包まれるよう。
    うまくいかないこともある、苦しみがないわけではないけれども、必ずその先になんらかの方向性は見える。
    それが自然に現れる感じがとても素敵な物語でした。

    NHKのドラマ化も、上手く行っていましたね。
    続編の「キラキラ共和国」もよかったです☆

  • 雨宮鳩子。ニックネームは「ポッポちゃん」
    ツバキ文具店の店主にして、江戸時代から続くとされる代書屋の十一代目。

    「先代」から引き継いだというより、仕方なく再開した代書屋。
    先代はポッポちゃんの祖母。
    「おばあちゃん」なんて甘えられる環境ではなかった。
    両親の顔を知らない彼女にとって、先代とは絶対的師弟関係が存在したからだ。


    一度はタンカを切って飛び出した。
    だが、先代の訃報を受け代書屋を再開することに。

    嫌で嫌で仕方なかった幼き日からの訓練が、ポッポちゃん自身を助けていく。

    次から次へと現れる、ありとあらゆるお客様たち。
    一つとして同じ悩みはない。

    人生なんて後悔の連続。
    せめて一筆、手紙でもかけたなら。

    そんな悩みに寄り添って、心尽くしの文具を使い、切手1枚にもこだわり抜く。

    手紙は指先一つで消去などできないのだから。

    そんな人生の節目の小さくて大きな力の代筆屋。


    「過去と他人は変えられない。しかし、未来と自分は変えられる」(カナダの心理学者 エリック・バーン)

    助けたつもりが、助けられている。
    人生なんてそんなもの。

    ほんの少しの気遣いと、真心と、決断と。

    今ここにあるものを大切に生きることで、きっと人生を変えていくことができる。

    そう思わせてくれる、優しくて力強い一書。

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