たどりつく力

  • 幻冬舎 (2016年5月30日発売)
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本 ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784344029538

感想・レビュー・書評

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  • 苦労を知らないお嬢様
    育ちの方だと、

    ピアノのエレガントな
    イメージだけで勝手に
    思い込んでいましたが、

    いやはやとんでもない
    勘違い。

    つらい幼少期、貧しい
    生活、

    そして、音楽家として
    生命線ともいえる聴力
    の喪失。

    その半生を知ってから
    あらためて聴く彼女の
    演奏は、

    これまでとは違うもの
    に聴こえます。

  • とてもとても素敵な生き方。本当に努力の人。彼女の生きる姿に、私は勇気をもらい、私も夢を諦めずに自分の自由のままに歩んでいこうと思わせてくれる本。少女のような純粋さを持った人。彼女のように生きたい。

  • 厳しい母親に育てられたんだな。いじめに遭っても、ピアノに対する情熱が本人を助けていたんだな。演奏に加えて、衣装も自分らしくアレンジする。そういう「フジコイズム」を作っていく姿勢がすごい。

  • お母様とのことが一番印象に残った。
    子どもの頃に厳しかったお母様だが
    「おかあさん、本当はいま一番演奏を聴いてほしいのは、あなたです」
    の言葉が胸に響きました。
    「たどりつく力」を身につけさせてくれたのは、フジコ・ヘミング本人の努力はもちろんあったけれど、お母様の愛情と厳しさが原点だったのかもしれません。

  • 場所を変えても実力はつかないから、1つの場所で頑張ればよかったという言葉が心に残りました。

  • ピアノのCDが欲しくて色々試し買いしても、何か自分にしっくりこない。そんな時に、NHKの番組でフジコさんのことを知り、CDを買ってみたらこれだ!と思いました。同じ曲でもテンポで全然違う曲になるのです。それがきっかけで一番大好きなピアニストになりました。
    そんなフジコさんが、ピアニストになるまで、そして現在の生活について語っています。
    ピアニストとしての大事な両方の聴力を失ってしまったフジコさんが現在こうして活躍されていることに奇跡を感じます。
    心で弾いているからこんなにも胸を打つような演奏ができるのでしょうね。

  • 読んでよかったです!
    前半はフジコさんの人生話、後半はフジコさんの考え方が書いてあります☆
    とても努力された方です。
    耳が聞こえなくなっても、ピアノを続けたことはすごいです!

  • 読書と同じくらい大切にしている趣味はピアノです。

    と言ってもまだ初心者なので下手っぴなのですが…
    ピアノは弾くのも聴くのも大好きです。

    フジコヘミングさんは世界的に有名なピアニスト。
    特に、リストの「ラ・カンパネラ」はフジコさんの代名詞と言っても過言ではないのではないだろうか。

    こちらは、フジコさんが過去のエピソードに始まり、ピアノ、音楽、大切にしていることについて綴ったもの。

    お母さんは日本人でピアノの教師。
    子供の頃はかなりストイックにピアノの手解きを受けたと言う。
    (ピアニスト清塚信也さんもそうだけど、天才と言われるピアニストは、お母さんが厳しい、という共通点があるのかもなぁ)
    お父さんはスウェーデン人で建築家。
    芸術に囲まれた環境で育った。

    日本人でも外国人でもない。
    ピアノを続けながらも、いわれのないいじめを受け続けたと。

    だけど、フジコさんは辛い経験と向き合いながらも、大好きなピアノと向き合い続けた。

    そして今なお、88歳で、現役で日本、アメリカ、ヨーロッパで演奏家として活動を続けている。

    すごいなぁ。
    私もいつか生で彼女の演奏を聴いてみたい!
    リストと、ショパンを聴きたい。

    そして、フジコさんが文中で言っていた
    機械じゃないんだから、間違っても良い

    という言葉に勇気をもらった気がした。
    人間だもんね!
    よし、私も練習してもっとピアノ頑張ろう!

  • 【最終レビュー】

    ノンフィクション著書・図書館貸出。

    今月号・図書館発行フリーペーパー特集でピックアップされているテーマ

    〈芸術の秋:音楽に耳を傾けて〉

    既読済著書では

    『佐渡裕さん著:棒を降る人生』等の著書が紹介されている中

    このヘミングさんの著書も記載されていたのが、今回、チェックを入れるキッカケ。

    『タイトルそのもの』に、先入観なく興味を注いでいました。

    ◇目次

    *第1章:運命の重い扉を開く(ひよっこで描かれているテーマとの共通項=「殻を破る…」)

    *第2章:自分らしいピアノ、自分らしい生き方

    *第3章:魂は不滅だと、音楽は教えてくれた

    *第4章:ピアノの奥深い楽しみ、そして「魔力」

    *エピローグ

    赤裸々・生身の声で話しているかのように、包み隠さず、着飾らずに

    自分の本来の気持ちと真正面から向かい合いながら

    〈波乱万丈・紆余曲折・悪戦苦闘の数々と共に〉

    時には逃げたりはするものの

    目の前のことに、真っ向から体当たりでチャレンジしていく精神力。

    こうでなければ、人生というものは、到底、生きてはいけないんだよという

    〈ありふれた姿のフジコさんの面影〉

    くっきりと伝わってくるのが、ヒシヒシと伝わってきたのが、印象深かったというのが一番に感じられました。

    加えて

    音楽だけではない

    芸術(絵・クラシックの曲目・クラシックの作曲家達・画家達・指揮者・音楽家等)に対する

    〈際立った洞察力・感性の高さ・作品に対する『あらゆる角度からの考察力の深さ』・想像力〉

    究極に究極を重ねるかのような

    『魂で感じ入る凄みそのもの』

    濃く、深く、せつなく、しんみり、人間力ある温かみ…

    『これらの要素の数々』が『存分に詰め込まれている』ような雰囲気の中

    自然体に、丁寧に、ひとつひとつの駒を大事にしながら、それぞれのエピソードに関してまとめている内容が感じられました。

    〈まさしく、圧巻!の一言〉しかありません。

    〈ページ数の『約2倍』の密度の内容〉と十二分にいってもいいぐらい…

    私達が、今、芸術そのものに対して

    『どう向き合わなければならないのか』という提言もあったりと

    ささやかながらも大事にしないといけないなと、改めて、今一度立ち止まり、学ぶ所が多々あったということを、鮮明に感じ取れた著書でした。

    特に、印象深かったテーマを一部挙げながら、レビューを終えます。

    *クラシックとは…

    *私は、機械じゃない!

    *紡いでいくこと

    *心のきれいな人とは…

    *演奏時、心がけていること

    *好きなピアニストの姿を通して…

    *音楽を聴く時の心得

    *『丁々発止の音』の『対話』

    *音楽家とは…

    *たどりつくまで…

  • 2.8。思ったまま綴ったエッセイ的な読み物、というくくりで良いだろうに、それで充分なのに、編集した人が、今流行りのライトな名言啓蒙本みたいな構成に無理矢理仕立ててるのが、いかにも儲け主義剥き出しで中身見てない感があって白ける。そういう内容じゃないだろ〜

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著者プロフィール

フジコ・ヘミング ピアニスト。本名、ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ。スウェーデン人の父と日本人の母のもと、ベルリンに生まれる。5歳でピアノを始め、10歳でレオニード・クロイツァーに師事。東京芸大卒業後、28歳でベルリン音楽学校に留学。ウィーンではパウル・バドゥラ=スコダに師事。レナード・バーンスタインやブルーノ・マデルナに才能を認められるが、聴力を失うアクシデントに遭遇。日本に帰国後の1999年、NHK「フジコ あるピアニストの軌跡」が大反響を呼び、デビューCD「奇蹟のカンパネラ」が200万枚を超える大ヒット。以降、世界各国で演奏活動をおこなっている。絵を描くのも好きで、小さい頃から描き続けている。著書に『フジコ・ヘミング 14歳の夏休み絵日記』(暮しの手帖社)、『やがて鐘は鳴る』(双葉社)、『永遠の今』(CCCメディアハウス)など多数。被災者や動物などの支援活動も続けている。

「2022年 『ねことワルツを』 で使われていた紹介文から引用しています。」

フジコ・ヘミングの作品

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