作家刑事毒島

著者 :
  • 幻冬舎
3.47
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  • (1)
本棚登録 : 339
レビュー : 80
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344029767

作品紹介・あらすじ

殺人事件解決のアドバイスを仰ごうと神保町の書斎を訪れた刑事・明日香を迎えたのは、流行作家の毒島。捜査過程で浮かび上がってきたのは、巨匠病にかかった新人作家、手段を選ばずヒット作を連発する編集者、ストーカーまがいの熱狂的な読者。ついには毒島本人が容疑者に!?出版業界激震必至の本格ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • う~ん、面白い!!
    本当に思ったことだって、迂闊に口に出したら
    たちまち『不謹慎狩り』にあってしまう今の世の中
    作家さんにはこの手がある!
    自意識炸裂の作家志望者に対する嫌悪感とか、
    本を図書館から借りてばかりのくせに(・・・ごめんよ)
    やたら作品の悪口を執拗に書評サイトに書き込むムカツクやつのこととか
    主人公の口を借りて、全部言わせてしまえばいいのである。
    筋金入りの毒舌家である主人公の毒島のセリフは
    もう最高に爽快で思わずこちらまで
    『ぐふふ・・・』と笑ってしまうほど。

    ふと、物語を読み終わった後に見た本の奥付。
    そこにはお決まりの
    『この物語はフィクションです』の言葉が。
    そしてその後に更に続く言葉にゾゾゾ・・・と背筋を寒くし
    本を閉じたのでした。

  • 毒島、すごいキャラを作ったもんです。小気味いいのは最初だけ。彼の正に「毒」に当てられて途中からしんどくなってくる程。面白いと思うし、胸のすくような言葉もあるんだけど、こうも毒が多いと疲れます。さすが毒島…。書評を投稿する辛口オトメの下りはイタタ…の一言。レビュー投稿サイトを利用する人は必読でしょう。ただ、図書館利用者に対して「デパ地下で試食して悪口言ってるようなもの」は異論あり。この出版界やメディアに携わる人たちへの辛辣な言葉は中山さん自身が毒島に代弁させてるのかしら?辛抱さんの最後が悲しすぎました。

  • 市立中央図書館より。
    --
    これはまた毛色の違ったお話。
    一話完結の連作短編五話からなるが、最後の話には「スタート!」の曽根プロデューサーが登場。殺害されてしまふが、「スタート!」の時のエピソードが違和感なく語られてゐるのに感心した。
    まあ、毒島の毒舌にも感心するが、よくこんなことを考へられるものだ。
    面白かった。

  • 濃いキャラの毒島さん。作家刑事という設定がおもしろかったです。さまざまな殺人事件がおきて、おなじみの犬養さん・高千穂さんも出てきました。かのくにや書店とか反省堂とかいろいろリアルを想像させる出版社や書店が出る中、幻冬舎だけは実名。その担当編集さんの名が「辛坊」さんとは意味ありげでおかしい。五編の各短編はさほど複雑ではないけど、毒島の言いぐさがいちいち嫌味でそのくせ読んでてスカッとする。奥付もよみましょう!吹き出しちゃいました。 

  • 中山七里の作品ではおなじみの犬養刑事が登場するミステリーだが、今回はブラックユーモアたっぷりな番外編的内容になっている。

    出版界や文壇を舞台にした殺人事件を、一度は刑事を退職しながら有能なため指導官として警察に戻り、かつ、人気作家として活躍もしている毒島が飄々と解決する連作短編集となっている。
    トリックや謎解きよりも、出版業界まわりに生息する変人たちの生態をデフォルメして面白おかしく皮肉たっぷりに描くのが主軸になった一冊だ。

    うーん、人気作家の中山七里が「デビューできない作家志望者」や「続きが鳴かず飛ばずの新人賞受賞者」をこき下ろしながら書いているのに、大丈夫なんだろうか、嫌味にとられないか、などと心配になってしまった。
    相当デフォルメして書かれているんだろうけれど、モデルっているんだろうか。だとしたら、作家業界はこんな変人の巣窟なのか・・・とか、これを読んだら、生半可な作家志望者は心が折れて書くのも投稿するのもやめるだろうな・・・などと苦笑いしたくなる。

    どこまでリアリティがあるのかはわからないけれど、単行本から文庫化するにあたっての初版部数の会議など、実際ありそうだなー、いろいろ事情あるんだろうなー、と興味深く読んだ。

  • 出版界に腹に据えかねる人間が実際にいるんだろうな。中山七里版の「重版出来」みたいな感じ。本作はライトな文体、犬養刑事もライトな雰囲気。作品毎で文体を重厚にも軽くするのも自由自在。凄い作家さん。

  • 元刑事、現作家の毒島は、あの犬養からも毛嫌いされているが、「文壇」に関する事件は彼に意見を聞くのがいいと言われて、渋々助言をききにいった女性刑事。彼の「毒」は予想を超えるもので……。いやー、黒い黒い。

  • 「中山七転八倒」を読み、本作を読んでいなかったことに気づき早速拝読。姉妹本ともいえる内容で、作家と出版業界、書店経営、図書館の功罪等々の問題点を、いつもの中山流ブラックユーモアでばっさばっさと切りまくる。痛快でありながら考えさせる内容。現代の売文職業作家の面目躍如。

  • ブラックユーモア系。東野圭吾の笑シリーズみたいな。

  • 毒島、癖がありすぎる。けど、そこが個性なんだろな。
    誰に遠慮するでもなく独走中って感じがいいな。

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著者プロフィール

中山 七里 (なかやま しちり)
1961年生まれ、岐阜県出身。男性。幼少の頃から読書が趣味で、高校時代から執筆を開始。花園大学文学部国文学科在学中に江戸川乱歩賞に応募したこともあった。
就職後は執筆から離れていたが、島田荘司を生で見た体験から執筆活動を再開。2009年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞で『さよならドビュッシー』と『災厄の季節』の2作が最終選考にダブルエントリーされ、前者で大賞を獲得して48歳で小説家デビュー。後者も、「読みたい!」との声が続出したため、『連続殺人鬼カエル男』と改題し、2011年に文庫本として出版される事となった。
代表作に『さよならドビュッシー』などの「岬洋介シリーズ」、『贖罪の奏鳴曲』にはじまる「御子柴礼司シリーズ」。多くの作品が映画・テレビドラマ化されている。

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