- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344029767
作品紹介・あらすじ
殺人事件解決のアドバイスを仰ごうと神保町の書斎を訪れた刑事・明日香を迎えたのは、流行作家の毒島。捜査過程で浮かび上がってきたのは、巨匠病にかかった新人作家、手段を選ばずヒット作を連発する編集者、ストーカーまがいの熱狂的な読者。ついには毒島本人が容疑者に!?出版業界激震必至の本格ミステリー!
感想・レビュー・書評
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検挙率一、ニを争う犬養や、麻生班長までが、恐れ嫌っている、毒島刑事。
作家の傍ら捜査に協力するが、嬉しそうに相手の痛いところを突き、不快になる相手を見て喜ぶ。
コンビを組むのは、高千穂明日香刑事。
五作の短編。
たった323ページなのに、一週間もかかった。
中山七里氏の作品にしては、面白くなかったなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作家の世界の殺人事件を扱った連作短編集で、解決するのは元刑事で、今は警察アドヴァイザーの売れっ子作家毒島。名は体を表すの言葉通り、毒舌炸裂の毒島だ。あの高千穂明日香刑事の視点で小説は進んでいくが、時々顔を出す犬養隼人ともども狂言回しに過ぎない。ほとんど毒島の独壇場だ。作家や作家予備軍、編集者、テレビドラマプロデューサーなどみんな禄でもない奴らばかりで、高千穂も犬養もうんざりして、苦虫を噛みつぶしたような顔になるのが想像できて笑っちゃうって感じだ。事件自体の方は大したことはないねえ。簡単に殺人を犯してしまうのもどうも短絡的すぎるしなあ。毒島の毒舌と高千穂刑事のことがちょっと分かるのが売りか。犬養がなんだか冴えない感じだね。
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犬養シリーズの番外編?
作家兼刑事の毒島と明日香が少し…。
いや、かなり癖のある困った方々と対峙しながら犯人を追う物語。
事件を追う段階で見える出版業界の様々な側面。
そして様々な意味でやばい方々。
なかなかコミカルな作品で、かなり面白かったです。
犬養シリーズの登場人物も多く絡んできて読んでいて楽しい作品でした。
普段の中山さんの鬱憤も込められているんだろうか(笑)
毒舌批評と図書館本というフレーズを見る度「辛口オトメ」を思い出しそう(笑) -
人間心理、承認欲求と拗らせ。幼稚性と他罰性という、人間の持つ感覚で起きる事件と、それを追い詰める毒島。娯楽性と、作家の裏側とを描いていて娯楽性あり。
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毒島、すごいキャラを作ったもんです。小気味いいのは最初だけ。彼の正に「毒」に当てられて途中からしんどくなってくる程。面白いと思うし、胸のすくような言葉もあるんだけど、こうも毒が多いと疲れます。さすが毒島…。書評を投稿する辛口オトメの下りはイタタ…の一言。レビュー投稿サイトを利用する人は必読でしょう。ただ、図書館利用者に対して「デパ地下で試食して悪口言ってるようなもの」は異論あり。この出版界やメディアに携わる人たちへの辛辣な言葉は中山さん自身が毒島に代弁させてるのかしら?辛抱さんの最後が悲しすぎました。
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「毒島」シリーズの第1弾。
1.ワナビの心理試験 / 2.編集者は偏執者 / 3.賞を獲ってはみたものの / 4.愛瀆者 / 5.原作とドラマの間には深くて暗い川がある の5編。
出版業界はこんな人物が本当に多いのであったら大変だし精神的にもダメージが大きそうだな、と思いました。
毒島さんの毒舌結構好きでした。続編も読みます! -
本当は単に出版業界の悪口を書きたかったのではと思ってしまいそう。
ここまで割り切っていると気持ちが良いです。
そう感じるのは自分だけかな。 -
濃いキャラの毒島さん。作家刑事という設定がおもしろかったです。さまざまな殺人事件がおきて、おなじみの犬養さん・高千穂さんも出てきました。かのくにや書店とか反省堂とかいろいろリアルを想像させる出版社や書店が出る中、幻冬舎だけは実名。その担当編集さんの名が「辛坊」さんとは意味ありげでおかしい。五編の各短編はさほど複雑ではないけど、毒島の言いぐさがいちいち嫌味でそのくせ読んでてスカッとする。奥付もよみましょう!吹き出しちゃいました。
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中山七里の作品ではおなじみの犬養刑事が登場するミステリーだが、今回はブラックユーモアたっぷりな番外編的内容になっている。
出版界や文壇を舞台にした殺人事件を、一度は刑事を退職しながら有能なため指導官として警察に戻り、かつ、人気作家として活躍もしている毒島が飄々と解決する連作短編集となっている。
トリックや謎解きよりも、出版業界まわりに生息する変人たちの生態をデフォルメして面白おかしく皮肉たっぷりに描くのが主軸になった一冊だ。
うーん、人気作家の中山七里が「デビューできない作家志望者」や「続きが鳴かず飛ばずの新人賞受賞者」をこき下ろしながら書いているのに、大丈夫なんだろうか、嫌味にとられないか、などと心配になってしまった。
相当デフォルメして書かれているんだろうけれど、モデルっているんだろうか。だとしたら、作家業界はこんな変人の巣窟なのか・・・とか、これを読んだら、生半可な作家志望者は心が折れて書くのも投稿するのもやめるだろうな・・・などと苦笑いしたくなる。
どこまでリアリティがあるのかはわからないけれど、単行本から文庫化するにあたっての初版部数の会議など、実際ありそうだなー、いろいろ事情あるんだろうなー、と興味深く読んだ。 -
性格の悪い毒島さんが事件をサラサラ解決するのが愉快。
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市立中央図書館より。
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これはまた毛色の違ったお話。
一話完結の連作短編五話からなるが、最後の話には「スタート!」の曽根プロデューサーが登場。殺害されてしまふが、「スタート!」の時のエピソードが違和感なく語られてゐるのに感心した。
まあ、毒島の毒舌にも感心するが、よくこんなことを考へられるものだ。
面白かった。 -
う~ん、面白い!!
本当に思ったことだって、迂闊に口に出したら
たちまち『不謹慎狩り』にあってしまう今の世の中
作家さんにはこの手がある!
自意識炸裂の作家志望者に対する嫌悪感とか、
本を図書館から借りてばかりのくせに(・・・ごめんよ)
やたら作品の悪口を執拗に書評サイトに書き込むムカツクやつのこととか
主人公の口を借りて、全部言わせてしまえばいいのである。
筋金入りの毒舌家である主人公の毒島のセリフは
もう最高に爽快で思わずこちらまで
『ぐふふ・・・』と笑ってしまうほど。
ふと、物語を読み終わった後に見た本の奥付。
そこにはお決まりの
『この物語はフィクションです』の言葉が。
そしてその後に更に続く言葉にゾゾゾ・・・と背筋を寒くし
本を閉じたのでした。 -
流行作家でもあり、刑事技能指導員でもある毒島が、毒を吐きまくりながら、出版業界で起きる殺人事件を解決していく短編集。一応、犬養も登場するが、「犬養シリーズ」とは別扱いらしい。殺人事件を解決していく毒島の手腕も面白いが、出版業界を取り巻く世界の裏側を描いているところも面白い。小説家になりたい人や、私のように図書館で借りて、読むことが多かったり、ネットにコメントを残している人間には、少し心が痛くなる場面も…でも、これだけ毒を吐かれても、この作品に出てくる人は皆、小説や本が好きなんだと言うこともちゃんと伝わるといいなぁ。御子柴より、毒もきついけど、軽い感じで読みやすいので、こちらもぜひシリーズ化してもらいたい。
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出版や映像に関わる人たちのあくどい部分を凝縮したような…。特に作家志望の人たちのとんでもないレベルのひとりよがりが怖いです。
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毒島のキャラが面白かった
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毒舌毒島、気に入った。
犬養さんも出てきて嬉しかった。 -
『中山七転八倒』の流れで読んでみたけど、ストレートすぎて、爽快感がまったくない。
こんな感想を書くと「図書館ヤクザ」と罵られるのだろうか。 -
「作家刑事毒島」
冴え渡る名刑事ぶり。
作家と刑事の組み合わせ。読んだこと無し。何やら興味をそそられていた。
毒島真理。彼が主人公。刑事でありながら、ある事件を機に依願退職。その後、職場復帰。但し、売れっ子作家の顔を持って。この毒島、頭は切れるが、口も切れる。毒は毒を持って制す。その毒は毒島の笑顔と共に相手に刷り込む。うふふ、うふふ、と笑いながらこれでもかと。
随所に出版業界の実状を毒島や幻冬舎の辛坊が色々と教えてくれる。特に、毒島は事実を語っているだけだが、新人作家や売れない作家をボコボコにする。とは言え、出てくる作家達が常軌を逸した様なヤバめな奴なので、毒島でなくても言いたくなるってもんだが。
この毒島の言い分は多分間違ってないんだろう。小説家は甘いもんじゃないし、普通の仕事と変わらない。ゼロからイチを生み出すから偉い訳でもなく、出版社や編集者はボランティアで新人を育てる訳じゃない。SNSは作家と読者を近づけ過ぎる面があり、匿名だから作家と対等な立場になったと思い込む。だから、ポジティブよりはネガティブな批判ばかりをする。
最後のテレビプロデューサーが殺される事件は、読者が頷く部分が多い気がする。現実社会を風刺している様に見えちゃうから。
プロデューサーは、小狡い手段で毒島原作の小説の映像化を実現する。原作を大幅に改変する。この小狡さが、毒島/辛坊の原作サイドとのトラブルの原因になる。このトラブルを受けて毒島は笑いながらこんなことを言う。
「オリジナル脚本で勝負したいのに企画が通らない。だから過去の成功例から漫画だろうが小説だろうが当たりをとった原作に手を伸ばす。原作ファンを取り込めるから視聴率も見込めると熱く語る訳だ。にも関わらず、妙なオリジナリティーを出そうとしたり、演技が絶望的なジャニタレを起用したりするから、原作ファンの怒りを買う。で、結果酷評されて打ち切りになったり、興行収益で大赤字を出したりする。原作者と版元に支払ったのは高い高い授業料なのに、これにこりもせず何度も同じ失敗を繰り返す。こんなの知能が低い証拠だ。諭した所で理解できるわけ無い」と。これが一番の皮肉に思える。
登場してくるのは、とにかく変な奴が多い。容疑者はデビュー済の小説家や小説志望者が多いのだが、これまたクセが強すぎる。こんな奴が書き手な本は間違いなく読まない。
さて、毒島の奇怪なキャラクターであるが、ドラマ化するならば、小日向文世さんにやって貰いたい。表紙は完全にピーコさんなんだけど、ファッションの方ですから演技は無理。だとしたら、うふふが違和感なく笑いながら言えて、ニコニコな笑顔は意味深に見えて、刑事もいける、となると、やはり小日向さんです。
ドラマの脚本次第だが、ちゃんと原作を壊さずにすれば、作者もGOを出してくれるに違いない。きっとそのプロデューサーは殺されない。 -
毒島さんのキャラが濃すぎて圧倒されてしまった。捜査一課の面々の腰が引けるのも頷ける。犬養刑事と毒島さんが同じ世界にいるのがすごいな。
文芸界のあれこれがなんだか強烈で、著者が実際に体験したこと?と思ってしまう。
図書館でたくさん借りているし、ブクログも書いているけど、、ダメでしょうか?若干の後ろめたさ、、、
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中山七転八倒を経てからたどり着いた本なので、毒島さんて中山さんがモデルなんじゃ、と読んでしまう。図書館ヤクザや作家志望者の勘違いへの面罵。
これは毒島を通した中山さんの本音かな…!? -
図書館で借りました。さらにブクログに感想を書きます。……別に良いよね!?しかもドラマ→原作の順だから余計に複雑な気持ちになる…。
事件の解決というよりは、毒島の毒を楽しむ話。その毒を面白いと思うか、それとも胸焼けするか、、個人的にはもっとミステリが読みたかったので少し物足りなかった。でも毒島は面白いキャラだから、がっつり長編で活躍しているところを見たいなぁ。 -
2時間ドラマ化すると聞いて、手に取ってみました。
作者さんが唯一映像化を望まなかった、という話の理由が、最終章でよくよく分かって、うっかりニヤけてしまいました。
連作短編ですが、一章から最終章への布石が敷かれていたのかなと思い、またニヤけ。
主人公が笑うシーンが頻繁に出てくるせいか、
読んでいるこちらもニヤニヤしてしまう、そんな作品でした。 -
ザ・エンターテイメント!
分かりやすい展開、犯人もわりとすぐ予想できる。
それより、出版界などのあるあるというかがたくさん散りばめられていて、いかにもこの出版社さんや作家さんや編集者さんがノリノリで作った一冊という感じ。 -
毒島刑事。
いいですね。振り切った見事なキャラ。
短編が5つ。どれも前半に複数の容疑者が描かれ、後半に高千穂明日香と毒島真理が事件解決に携わるという構成。
わかりやすく読みやすく、殺人者なのに軽く気楽に読めます。もっぱら毒島のキャラを楽しむための本でした。
5つ目のお話が、中山七里さんらしく感じて面白かったです。 -
毒島先生のキャラが立川志らくさんで脳内再現された。
1話毎の話も軽快で読みやすいが、ちゃんと最後の話でネタを回収しているのもおぉ〜となった。 -
2017/12/9 桜図書館返却期限が来たので3分の2読んで返却。辛辣な業界批判もあり。面白くはある。3の上
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今回はあの犬養刑事の指導担当だった、現在流行作家の毒島が主人公。女刑事明日香が、事件解決のヒントをもらうために彼を訪ね、彼が見事に事件を紐解くことで話が進みます。事件は出版業界や作家に関わるもので、業界の裏側や新人作家さんたちって一体…と読んでいて現実の暗い部分を見たくもないのに見せられた感じで悲しくなってきました。しかも現実はもっと、って…。といいつつも毒島の濃いキャラのおかげかどんどん読み進めてしまい、続編が出たらきっと手に取ってしまうでしょうから、作者の筆力に脱帽だったりするのです。
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犬養シリーズのスピンオフというか、犬養刑事の師匠が高千穂明日香とコンビを組む。これオモシロイ。ネタ的に続編は望めないかなぁ。
それにしても文壇の描き方が偏執的でいいねぇ。中山先生からすれば「現実はもっと滑稽で悲惨です」って言うんだから、もう笑うしかない。さらに作家先生の図書館に対する憎しみもよく分かる。これには申し訳ないとしか言いようがないけど。