サイレント・ブレス

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 249
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344029996

感想・レビュー・書評

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  • ーサイレント・ブレスー
     静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎える事をイメージする言葉。

    新宿医大の総合診療科の医師・水戸倫子37歳。
    総診に入局して十年目のタイミングで大河内教授にいきなり異動を言い渡された。
    「むさし訪問クリニック」…これは左遷だ。いや、それ以下だ…。
    そこは在宅で「最期」を迎える患者専門のクリニックだった。
    倫子はそこで死を待つだけの患者と向き合う事で、いくつもの死と、
    そこに秘められた切な過ぎる〝謎〟を通して、人生の最後の日々を
    穏やかに送る手助けをする医療の大切さに気付く。
    そして、脳こうそくの後遺症でもう意志の疎通がはかれない父の最後について
    静かな決断を下す…。

    倫子は左遷されたと思い込んでる女医。
    そこで出会った患者や家族との触れ合いを描いた6篇の連作短編集。
    死を前にした時の医療に対する姿勢を深く考えさせられた。
    出来るだけ延命治療をしてもらうのか、それとも一切の延命治療を拒否するのか?
    そして、どこからが延命治療になるんだろう?
    家族としては、一日でも長く生きて欲しいって願っていたしけれども、
    果たして、それは患者の為になっているのか?
    苦痛を与えているだけではないのか…?患者の気持ちとは…?
    自己満足なんじゃないか…?
    元気な時に軽くじゃなくって深く深く家族で話し合うって大切だと思った。
    でも心が乱れ、冷静な判断が出来ない時にどこまで守れるのだろう。

    一人一人の生き方や生き様が違う様に死も違っていて、死生観も違う。
    しかし、人生の最後であるからこそ生きる事を楽しんで欲しい。
    いつか巡りくる死をどんなものにしたいか考えて欲しい。
    漠然と思う自分の命の最後…。
    もう助からないとわかったら、積極的な延命治療はして欲しくない。
    出来るだけ痛みや苦しみが無く、安らかに眠る様に死にたいなぁ。
    人によって異なると思うけど、多くの人がそう思っているのでは…。
    そんな事を考えさせられました。
    主人公の倫子を始め、大河内教授・コースケ・亀ちゃん…登場人物がとっても良かったです。
    続編が描かれると良いなあ♪
    とっても素晴らしい、考えさせられた本でした(*´∇`*)

  • 自分の最期を考えてしまうな。
    延命はごめんだな、どうせ人はみんな死ぬのだから、最期くらい好きにいかせてほしいもんだ。
    自分のことならそう思えるけど、これが親、兄弟、夫婦、子供のことになるとそうも言ってられないのかも。
    この人が生きているだけ、それだけでいいの
    とか思ってしまいそう。
    どこかに意思表示しておかなければいけないな。

  • 大学病院から、在宅医療専門のクリニックに移動となった女医倫子。
    終末期医療の現場で、彼女が見、考えたことは。

    極近しい身内に、病気などで終末期を迎える人がいない現在でも、自分のこれからを考えさせられました。

    自分が患者の立場だったら、あそこまで強くなれるのか。
    自分が患者家族の立場だったら、患者の気持ちに添うことが出来るのか。

    両両親が現在の今、今後のためにも、自分だけでなく、夫と共に終末期医療について考えていかないといけないのかもしれないと思いました。

    素晴らしい本でした。

  •   サイレント・ブレス
     静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎えることをイメージする言葉です。
     多くの死を見届けてきた私は、患者や家族に寄り添う医療とは何か、自分が受けたい医療とはどんなものかを考え続けてきました。
     人生の最終章を大切にするために医療は、ひとりひとりのサイレント・ブレスを守る医療だと思うのです。
                           筆者
    と本の前書きにありますが、「穏やかな終末期」を本当に考えさせられる内容でした。

  • 訪問医療とそれに伴う終末医療現場の担当医の奮闘…というより、もう少し静かに考え理解していく物語と感じました。

    巻頭にあった
    サイレント・ブレス:
    静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎えることをイメージする言葉…
    というのが心に残りましたね。

    どんな最期が「理想」とは決められないけど、個人的には自分の最期を自覚して受け入れる状況であったらありがたいなぁって。

    看護士のコースケをはじめ、訪問医療スタッフたちの和やかさのおかげで、重くなりがちなストーリーを一気に読み進めるめることできたかも。

    でも今後も考えていきたいテーマです。

  • 家で最期を看取る」ということの大切さと困難さ。そしてその意義が深く深く心の刺さりました。
    身内が治癒困難な状態になったとしても、多分どんなことをしてでもその命を長らえさせたいと思うでしょう。一日でも一分でも一秒でも長く生きていて欲しい、と。
    けれど「、それってだれのため?看取る側のエゴじゃないの?
    もちろん最善の手を尽くす必要はあるけれど、本人が望まない延命は家族の自己満足であるだけで、本人にとっては苦痛でしかない場合もある。
    じゃぁ、どこで線を引くのか。どの時点で諦めるのか。難しい選択だと思う。多分、正解なんてない。
    「患者の意思に沿わない医療は不遜である」穏やかで安らぎに満ちたサイレントブレスを守る医療、患者の思いに愚直に寄り添う医療、それを求め続ける倫子たちの姿にきっとそう遠くない将来自分も直面するんだろうと思うと、不安と共に哀しみも覚えます。
    けれど、見送るものとしてそのときに患者本人の意思を尊重してよりよき最期を迎えさせなければ、そう強く思いました

  • 看取りのプロに必要な素質は何なのか。
    命を繋ぐことに必死になるあまり、私達が失ってきたものはあまりにも多過ぎるのではないか。
    倫子の姿の向こう側にいる多くの患者を見つめながら、「死にゆくこと」に想いを馳せる。
    自分の最期は「生き続けるため」ではなく「死ぬため」に費やしたい。

  • 訪問クリニック…在宅介護には欠かせない分野なのだろう、病院で迎える死よりも、そりゃあいいに決まってる。
    でも、それに携わる医師、看護師、スタッフたちの知識や技術以上に求められる咄嗟の時の機転、判断が命の鍵を握ってる、コースケや水戸先生の働きぶりを見ていて(読んでいて)痛感した。
    (年齢によっては)治療をしない選択にも考えさせられたし、”食べられなくなったら動物は死ぬんだ”って言葉にも
    はっとした。
    でもエピソード2の筋ジストロフィーの息子を放って出奔する母親って人間じゃない。

  • 終末期医療専門病院の内科医だった著者によるデビュー作。自身の病院勤務や介護の体験をもとに、患者の死を看取りながら成長する女医を描いた小説。人はこんなふうに死んでいくのかと理解した。誰にでも訪れる死をどのように迎えるかを考えるにはよい本。電車の中で読んでいて、涙ぐんでしまった。 

  • 2018.6 サイレントブレス 、か。最後の章は電車の中で思わず涙が出そうになりました。いつかは行く道、送る道。

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