蜜蜂と遠雷

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 10846
レビュー : 1429
  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030039

感想・レビュー・書評

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  • ピアノコンクールを舞台とした若き天才達の物語。
    巨匠ホフマンの忘れ形見とも言える「ギフト」として送り込まれた純真無垢で自由な風間塵を中心に、様々なコンテスタント達がお互いに影響し合い予選を通過する度に進化していく姿は圧巻でした。
    個人的にのだめが好きなので、クラシックは詳しくはありませんが曲名なども目にしたことのあるものが多く、脳内再生しながら読み進められました。
    技術なども素人なのでさっぱりですが、きっと塵の奏でる音はよくのだめが「飛んだり跳ねたりする」と言われていたような軽やかで純粋な音なのだろうと想像し、様々な景色の元へ連れて行ってくれる彼はまさに爆弾で天使のような存在だと感じました。
    ライブハウス勤務をしていたこともありバンドの新曲は当たり前に体感していましたが、言われてみればクラシックは名だたる伝説の音楽家達が作った曲を何年も何百年もかけて理解し共感し演奏するというのはとんでもなく果てしないことだと痛感しました。
    確かに既存の難曲をより精密に解釈し技術を高めるイメージがあったので、塵のように音楽を解放する人、マサルのように新しい音楽を作る人、亜夜や明石のように共に解放し発信できる人、
    そんな音楽家がいても良いのではないかと思いつつ、まだ若い彼等が将来きっと新しい世界を創り上げているだろうなと希望の持てる物語でした。
    私達が活字を目で読み風景や音や匂いを想像するのと同じで、耳に届く音から風景や言葉を感じ取ることは
    人間が本来持って生まれた素直な感覚なんだと思うと、より純粋にクラシックを聴ける気がしました。

  • 塵の演奏は文章だけでもキラキラしているのが伝わってきたし、出場者同士が刺激し合って、それが相乗効果となってコンテスタントがいい演奏を出来るコンクールは超理想的。
    マサルが音楽を蓮の花に例えていた件は、意外だけどしっくりきた。

  • **の第*番とか言われてもピアノを習っていたわけじゃないので、さっぱりわからないのだが、文章を読んでいるだけで、いろいろな音が聞こえてくるような気がした。
    すごい表現力なんだな。文字から音が聞こえるって。
    外からは華やかに見えている世界も、その中に入れば過酷な世界なのね。ま、どの世界もそんなもんなんだろうと思う。
    それでも頑張れるって、本当に好きってことなんじゃないだろうか。

  • ピアノは二度と弾かないだろうと決意した私が
    もういちどピアノを弾きたいと思えるきっかけになった本です。
    趣味で続けていたピアノ、先生は優しくて、楽しくて、叱られても嬉しかった。
    もしかしたらこの道に進んでもいいかな…と思い、そのことを母から先生に伝えた途端に先生は態度を豹変させた。実力よりもかなり高いものを、ものすごいスピードで求めてきた。諦めさせようとしたんだと今は思う。
    「この子、頭わるいんですか?」と母に先生が言ったとき
    私(と母)は、ピアノから離れることにした。

    ピアノに限らずだが、芸術ってみんなそんな悲しみを経て技術をあげていくものなのかもしれない。天才は限りなくいる。天才のことは、見ている方は一瞬で分かる。
    コンクールに、それぞれの登場人物が人生をかけてのぞむ。この本からは、ちゃんと音楽が聞こえてくる。

  • すごい本を読んでしまった。
    興奮冷めやらない。
    他の人が言っているような、言葉で音楽が流れてくるというのは正直わたしにはなかったけれど、
    それでもイチ観客としてコンクールを楽しんでいたし何度も感激して涙が溢れた。

    恩田さんの本は初めて読んだけど、とにかく音楽の描写がすごい。音って言葉で言い表せるのか。
    途中からサントラを聴きながら読んでいたけど、「なるほどこういう風にこの人は捉えているのか」と分かるからおもしろい。
    これから読む人はぜひサントラ聴きながら読んでほしい。

    本の中なのに、各登場人物が「生きている」感じがすごくて、読み終わってネットでピアノコンサートを検索したとき、「あっあの人たちは実在しないのか」って気づいた。
    登場人物たちのピアノ演奏を聴きたい。

    そして、長編なのに途中でだらけることなくずっと読みたくなってしまう。
    最後の方はそれこそ演奏しているかのようなテンポで、どんどん音が大きくなるような感覚で読み進めていた。
    すごい本を読んだとおもう。とても好きです。

  • 音楽

  • 2016年下半期直木賞,2017年本屋大賞受賞作品。
    かつて天才少女として騒がれながらも、表舞台から姿を消していた栄伝亜夜。亜夜の幼馴染であり、アメリカの名門音楽学校に在籍するマサル。サラリーマンとして働く出場年齢制限いっぱいの高島明石。今は亡き世界的音楽家の秘蔵っ子の少年・風間塵。4人は日本で開催される国際ピアノコンクールに出場し、第1次から3次予選そして本選へと進むにつれ、互いに影響を受けながら成長していく。
    文章から音楽が奏でられてくるよう。ダイナミックに臨場感を感じさせながらも、音楽が物語を語る情景もきれいに伝わってきた。個人的には、高島明石のキャラクターに一番惹かれた。単にクラシックという枠でなく、音楽の持つ魅力を感じさせてくれる作品。

  • 「本屋大賞2017」取っちゃいましたね。
    ピアノコンクールに挑む4人の若者たちの物語。
    ドキドキするし、スカッとするし、さすがって感じです。

    但し、曲の表現と言うか、情景描写についてはピアノを知らない私には
    「そんな訳無いだろ。」と思ってします。時々挟まれるそんな描写は、私には退屈でした。

  • ずっと気になってた本
    恩田陸は夜のピクニックと図書館の海を読んだことがあったので、読んでみたかった
    お友達から借りて読み始めてから一日で読了した!
    テンポが良くて、どんどん読み進んでしまう
    ピアノコンクールに出場する栄伝亜夜、マサル・カルロス、風間塵の3人の若い天才ピアニストとコンテスト最年長の高島明石、亜夜の友人の浜崎奏それぞれの感性で演奏するピアノのメロディーが描写されると本当に音楽が聞こえてくるようだった
    読んでる途中で鳥肌が立つし、涙も出る
    読み終えてから余韻が残る小説だった

  • 登場人物のパワーに、いや、作者のパワーにかな、引き込まれた。YouTubeに『蜂蜜と遠雷』で、曲が上がっているので、時々聴きながら読んだ。

  • 音楽に祝福されているような暖かな読み味で描かれる2週間の物語。
    クラシックという歴史ある音楽の煌めき
    この宇宙の秘密などに触れるように奏でられる音楽
    数々のイメージを喚起する音楽
    それを読者は追体験する。
    圧倒的な表現力による描き分けが可能にする色彩豊かな至高の体験。

    焦がれるような期待。
    何かを共有する感覚。
    様々な要素が発光してるかのようで。

  • この本との時間は 本当に終わってほしくなかった。
    何年かに一度 そんな本に出会うから
    本とのつきあいはやめられない。

    直木賞と本屋大賞。
    当然の受賞である。
    音楽への深い理解と想像力。
    人間の可能性を見出す洞察力。
    そして圧倒的な筆力。
    音楽という形のないものを
    ここまで言葉で描くことができるとは。。。
    その才能にスタンディングオベーションである。

    栄伝亜夜 20歳
    マサル・カルロス・レヴィ・アナトール 19歳
    風間塵 16歳
    この三つの小さな星が 
    東京 NY パリから 
    芳ヶ江の地に引き寄せられ
    「三位一体」となり
    すべてを巻き込む
    大きなうねりとなっていく。
    それは
    「これが最後」のつもりで挑戦した
    28歳の高島明石にも大きな発見をもたらす。

    50年以上もピアノやクラシック音楽と
    親しんできた者にとって
    恩田陸さんが描く「音楽」と「ピアノ」には
    いちいちうなずくことが多く
    コンクールの舞台裏は非常に興味深いものであった。
    そして若きピアニストたちの
    悩み 苦しみ やがて羽化していく姿は
    強靭で純粋で とても愛おしい。

    そもそもコンサートピアニストとは
    「何百曲も暗譜」している人たちで
    それ自体が素人にとっては離れ業だ。
    その上 とことんまで
    音を聴き込み 曲を読み込み
    表現に挑み そして
    自分自身を突き詰める。
    そのたゆなき情熱と勇気は
    恩田陸さんも書いていたが
    アスリートに近い。

    楽器を奏でることは
    楽器ではなく音楽と向き合うこと。
    つまり自分と向き合うことである。
    もっと心を開き 耳を澄まして
    聴き 奏でなければいけないと思った。

    クラシック音楽やピアノに興味がない人でも
    この本を読めばちょっと知りたくなるはずだ。
    まずは 人物たちが弾く曲を
    Apple MusicかSpotifyなどで聴きながら
    読むことをおすすめしたい。
    恩田さんが書いている文字が紙面を離れ
    宙を飛び回り始めるはずだ。

    名著!!

    なお コンクール結果は
    最後のページに書いてあるので
    先に読まないように!!!

  • 音楽がテーマとは知らず、本の表紙とタイトルに惹かれて読みました。
    すごくきれいな表紙です。
    (表紙装画はイラストレーター杉山巧さん(34)=焼津市出身=)
    表紙をめくって見返しも手触りのいい紙で上品です。
    本の装丁全体に品があって好きです。

    ストーリーは音楽にあふれた1冊。
    音は聞こえないのに、文字の描写で音が描かれ、聴いていたかのよう。音が溢れていました。

    第6回芳ヶ江国際ピアノコンクール、コンテスタントたちの立場と想い。それぞれの関係とそれぞれの音楽。

    本文は上下段組でページも多いので読むのに時間がかかるかと思いましたが、どこをとってもおもしろくて惹き込まれ、土日で一気に読み終わりました。
    ものすごく読後感の良いきらきらした1冊。

    これは絶対に通勤時間に読む本じゃなかったと思うので、土曜日に読みはじめて良かった…。


    ー以下、幻冬舎HPよりー

    156回直木三十五賞を恩田陸『蜜蜂と遠雷』が受賞  2017.01.19
    恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎刊)が、第156回直木三十五賞を受賞しました。

    本日(19日)17時より築地・新喜楽で始まった選考会。決定の報は19時10分すぎに届きました。今回が6度目の直木賞ノミネートとなる恩田さん。構想から12年、取材11年、執筆7年という渾身の作品での受賞となりました。

  • 本を読んでるのに音楽が聴こえてきて、その音の創り出す色や景色が見えて、景色の匂いが鼻をついて、メロディーではないその景色の音が聴こえてくるスゴ本、、

  • この作品ほど、音楽を鮮やかに描き出した小説を他に知らない。
    この作品ほど、読者を世界に引き込み続けてしまう小説を他に知らない。
    ページをめくるたびに音楽が溢れ出す。
    演奏されている曲を知らなくても、天上から至福が降ってくるような多幸感。
    綴られるコンテスタントの葛藤、苦悩、覚醒。
    その一つ一つが丁寧に描かれ、更に音に広がりと深みを加えてくれる。
    これは凄い。

  • 音楽を文字で文章で表現する凄まじさに圧倒される。
    その表現により映像が浮かんだり物語があったり音さえ聞こえてくるような気がする。
    ピアノコンクールの緊張や楽しさ、音楽の素晴らしさ、コンテスタントの人生をも楽しませてもらった。
    良かった~。なんか感謝!

  • 凄いなぁ!と唸ってしまうような本というのが正直な感想。

    音を文章で伝えるのはとても難しいことだと思う。様々な個性の人がピアノを弾いている。普通に書いたらそれだけのことなのに、多くの語彙を駆使し、豊かな表現力で登場人物の個性が伝わってくる。
    圧倒される文章力。文句なしの直木賞ではないかなぁ。

    あれだけのボリューム。
    本ならミステリ派の私にはかなり冗長に感じられてしまったので★★★★。

  • 私の中で恩田さんの作品はいつも当たり外れがあり、特にこの本は1頁上下の2段、500頁超えは買うのを躊躇うのに充分だった。
    だけどそんな懸念は一遍に吹き飛んでしまった。
    「音楽」、どれだけ楽しいものか、そしてそれに伴ってどれだけ苦しいものか。
    4人それぞれの音楽性。
    塵が持って来たホフマンの推薦状の意味。
    審査員、ステージマネージャー、調律師等々からの目線。
    このコンテストは自分を見つめるきっかけにしか過ぎなかった。
    ここからこの4人はどう音楽を過ごして行くのか?向かい合っていくのか?
    4人の「その後」を読んでみたいと純粋に思った。

  •  直木賞なんかには、もったいない。
     審査員が、きちんと読めるとは思えない。
     この作品自体が、ギフトなんだろう。

    • シャルロットさん
      本当にそう思います。ただ、六回目の直木賞ノミネートなので、とってほしい気持ちが強いです。
      本当にそう思います。ただ、六回目の直木賞ノミネートなので、とってほしい気持ちが強いです。
      2017/01/02
  • 胸がいっぱい!
    楽曲のCDとセットで欲しい。私にとって、今年1番贅沢で豊かな一冊だった。止まらなかった。

    さて、チョコレートコスモスを読み返したくなったぞ。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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