蜜蜂と遠雷

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 1365
  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030039

感想・レビュー・書評

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  • すごいものを読んだ。
    本は音を出さないはずなのに、知らない曲までも音楽が聴こえてくる感覚になって、演奏に感動させられて、それがどんどんクレッシェンドしてぐいぐい引き込まれて、一気に読んでしまった。
    でも後半になると終わってしまうのが寂しくてページをめくるのをためらう、そんな感じだった。
    特に明石さんの「春と修羅」は本当に感動して泣きそうになった。

    サントラ買ってもう一度読みたい。

  • 「蜜蜂と遠雷」
    音楽が鳴り響く。


    天才と言われた十代に表舞台から消えた少女、家族共に帰ってきたベテラン、既にプロとして活躍する少女、稀代の才能と風貌を持つ少年、そして音楽の巨人の弟子と言われる経歴不明なジン。


    様々なバックボーンを持つ音楽家たちが紡ぐ物語。音楽好きな読者はもちろんドストライクだろうし、そうでない人には熱き音楽家たちの挑戦に胸を打たれるだろうし、音楽をやることの難しさや厳しさ、楽しさに触れることになる。


    音を表現する文章が巧みであるから、音楽を奏でている姿をイメージしやすい。演奏者達の苦悩やコンサートにかける意気込み等の表現も良い。躍動感と緊張感も直ぐにイメージでき、その中で演奏する登場人物達も鮮明に浮かび上がる。


    個人的には、久しぶりに音楽の世界に帰ってきた明石と亜夜が、印象深い。特に、明石は、コンサートにかける重みがひしひしと伝わった。年齢も近い分もあるだろうが、一番感情移入してしまった。とにかく成功して欲しい、悔いない演奏をして欲しい、と思いながらページを捲った。


    とは言え、どのキャラクターも魅力的且つ個性的である為、読者は誰かに感情移入出来ると思う。みんな好きになる小説だと思う。


    実写化されるが、演技もそうだが、演奏シーンが肝な気がする。文章でも音楽を身近に感じただけに、映像化する場合は、期待値は上がってしまう。キャストは良いだけに。個人的には、新人さん、頑張れ!である。

  • 音楽が聴こえる小説。
    国際ピアノコンクールを舞台に、4人のコンテスタントそれぞれの運命を描いた小説。

    風間塵は読者の私にとっても「ギフト」でした。

    何かに迷っている人や勇気を必要としている人におすすめです。

    直木賞と本屋大賞2017のダブル受賞作品。

  • 舞台は国際ピアノコンクール。
    風間塵、栄伝亜夜、マサル、高島明石。
    4人を中心にコンクールへかける天才たちの思い、葛藤、ほとばしる音楽への熱意が交錯しながら進む物語。

    文字から音が溢れ出る

    音を通して、見せつけられる表現力、天才たちの内面描写。
    そしてまるでその場にいるかのような臨場感に圧倒された。
    何より、演奏のたびに世界が広がり、感化させる音楽の見えない
    力を伝える描写が見事すぎて、感動。
    素晴らしき作品。
    感じることが多すぎて処理しきれないが、墓場まで持っていきたいと言える作品です。

  • 未知の世界だったピアノコンクールだが、一つのコンサートを満喫できた気になった。

  • すごい! 感動した。上下段に分かれているにもかかわらずむちゃくちゃ長い。のに引き込まれて引き込まれて仕方がなかった。読み出したら止まらない。本当にすごい。感情移入どころじゃない。
    とても壮大な映画をみていたかのようだった。また大人になったらもう一度初めから読み返そうと思う。

  • 文庫版も発売され、映画は10月公開というから今更ですが『蜜蜂と遠雷』。
    
    「文章から音楽が聴こえる」とはよくいわれますが、ネットで音源をちょこちょこ聞きながら読んだものの(本書にもありますが今はコンクールの音源なんかもネットに結構アップされてるんですね)、基本的には文章だけでどんな曲なのかをちゃんと表現しているので元曲を全然知らなくても読めてしまう。
    
    リストのピアノ・ソナタロ短調はマサルが曲に想定した十九世紀グランドロマン風物語が語られるし、演奏についても「天から音が降ってくる」とか「ビッグサンダー・マウンテンに乗ってた気分」とか実にわかりやすい。
    
    2週間にわたるコンクールがまるごと書かれているので、さすがに後半はやや飽きますが、この長丁場とか疲労感みたいのもコンクール再現なのかなと思います。
    
    音楽に詳しくない人にもするする読めてしまうので実際に音楽やってる人やクラシックファンの感想も聞いてみたいところです。
    
    「明るい野山を群れ飛ぶ無数の蜜蜂は、世界を祝福する音符であると。
    そして、世界とは、いつもなんという至上の音楽に満たされていたことだろう、と。」
    
    「聴く人がいなくても音楽家と呼べるのかしら」
    「分からない。だけど、音楽は本能だもの。鳥は世界に一羽だけだとしても、歌うでしょう。それと同じじゃない?」
    

  • 余りにも面白い。一気に読了。

    ああ、小説とはなんと素晴らしいのか!
    読みながら音楽が鳴り響く。音楽の素晴らしさよ!

    「俺は音楽家なのだ。音楽家だったのだ。何というリアル。」
    明石の魂の叫び。

    そして亜夜ちゃんがもう好きすぎる!!!
    心に残ったシーンは亜夜ちゃんが塵の演奏に、勇気をもらうシーンと、明石と2人で泣いているシーン。

    ていうか浜松やん!!!アクトやん!!!

  • 恩田さんは、たぶんこのテーマで書こうと思えば、いくらでも衒学的に耽美に書くことも全然出来たんだと思うのですが、
    でもそれを極力封印して、彩度高く透明度高く、爽やかに書いたんだと思うし、まじめに慎重に書いた…という印象もありました。

    ピアノコンクールだけを最初から最後まで書いた話ってすごいと思うし、根性貫いた小説だと思いました。正面から直球勝負みたいな構成の小説をこんなに面白く書ける作家さんは多くないと思います。
    恩田さんは、うっかりすると自分の感性に振り回されてしまいかねないくらい感性の豊かな作家さんだと思います。でも、それを言葉に整理する能力がべらぼうに高いおかげで、その感性を処理できている…みたいなイメージです。
    音楽という非言語の言語を、文字として目に見える触れられる形でエンタメしてくれる、こんな作家さんに出会えてラッキーだと思いました。

    恩田さんのエッセイとかインタビューをあんまり読んだことないので勝手な印象なのですが、恩田陸っぽさがあまりない小説というか、書きやすいことを気持ち良く書いた小説ではなくて、気持ちいいラインをぐっと堪えて書いた、という印象を受けました。
    獲りに行くというのを念頭に置いて書いたのかなぁ?と思うほど普段のちょっと陰鬱な耽美なテイストが封印されて、持ち味の透明度はそのままに書かれた小説だったと思います。
    またこんな面白い小説に出会えるかも知れないと思うだけで明日からの未来が楽しみになる、みたいな、読んで良かったと思える小説でした。

  • 音楽が文字になっている。
    文字から音楽があふれ、聴こえてくる。

    表紙も内容と完ぺきに合っている。

    クラシックやピアノにまったく興味がないし、知識もないけれど、本当におもしろかった。

    どんどん引き込まれて
    清々しい気持ちになれる、超傑作。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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