蜜蜂と遠雷

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030039

作品紹介・あらすじ

私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ恩田陸さんの作品でした。映画を先に観ましたが、題名の蜜蜂の意味、そして映画ではとても印象に残ったヌッとした黒い馬の意味が全く分からず、原作に解を求めました。手にしてパラパラと開いた時、あまりの分量に挫折しそうになりましたが、読み始めてビックリ。演奏している舞台が目に見えるような描写の連続、そして、4人のそれぞれの演奏の特徴が文章で見事に描き分けられているのにも驚きました。映画の場面が補足され、後から映画にも説得力が増しました。ただ、印象が大きく違ったのは亜夜とマサルの最終結果です。映画では、あの演出をしたからには亜夜が一位でないとおかしい、でもマサルが一位という消化不良感が残った一方で、原作では、マサルの一位に納得感がありました。
    それにしても本を読んで、いい音楽を聴いたかのような感覚になれるとは思いませんでした。素晴らしい作品に出会えて嬉しいです。
    また、もう一つ個人的にこの作品と出会えたことでの収穫は今までほぼ聞くことのなかったプロコフィエフの作品群を聴くきっかけとなったことです。ピアノ協奏曲第2番、第3番にはすっかり魅せられました。

    • かなさん
      さてさてさん、こんにちは。初めまして。
      「蜜蜂と遠雷」とても良い作品ですよね!
      頭の中でピアノコンクールの臨場感がひしひしと伝わってくる...
      さてさてさん、こんにちは。初めまして。
      「蜜蜂と遠雷」とても良い作品ですよね!
      頭の中でピアノコンクールの臨場感がひしひしと伝わってくる…
      今度読み返すときには、ピアノ曲を聴きながら読みたいと思ってます。

      さてさてさんの本棚をのぞかせていただきました。
      沢山の読書家さんから慕われていらっしゃいますね…!
      私もこれから読みたい作品のレビューも
      沢山残されているのがわかったので
      フォローさせて頂きます。よろしくお願いします。
      2022/08/30
    • さてさてさん
      かなさん、はじめまして!
      私にとってこの作品は読書の原点なんです。たまたま映画館でこの作品を見て、気に入って本を買って読み始めたら、文字を...
      かなさん、はじめまして!
      私にとってこの作品は読書の原点なんです。たまたま映画館でこの作品を見て、気に入って本を買って読み始めたら、文字を読んでいるのに頭の中で音楽が鳴り出す体験をしたことがきっかけで、その先に続く読書&レビューの日々がスタートしました。
      かなさんも書いていらっしゃる通り、ピアニストになったような感覚にもなる、そんな読書がこの作品では味わえますね。
      ちなみに、私のアイコンはこの作品のイメージを作ってみたものです。
      フォローいただきありがとうございます。かなさん、私も読みたいと思っている川上美映子さんの作品など気になる作品多々お読みなんですね。
      私もフォローさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします!
      2022/08/30
  • 文句なしの星5です!いやーまさか、自分もこのボリュームの本を一気読みするとは思いませんでした。正直、「もう、この作品を読み切らずに明日会社で働くとかありえない!」というのめり込み具合でした。笑

    本作はピアノコンクールに出場する4人の物語。その4人は独自の背景があり、並々ならぬ想いで本コンクールに参加するというお話。

    本作品ではコンクールに向けた練習等の描写は少なめで主に、予選会の様子がメインで描かれております。それでも、それぞれのコンクールにかける想いが伝わってくる素晴らしい作品です!

    まず、私は開始25ページで本作の世界に引き摺り込まれました。物語の序章では、自身の出自や、家庭環境に左右されやすい音楽業界で未知なる才能が突如出現し、コンサートに波紋を呼ぶという展開で、本作への期待値がすごく高まります。

    そしてその勢いのまま、本作を読み進めると、作者の豊かな表現力にも魅了されることとなりました。なんといっても、演奏中の描写は圧巻ですね。視覚情報や情景描写を駆使するとともに、登場人物たちの視点を変えて演奏を評価することで、演奏を多角的に表現し、読者の聴覚に訴えかけてくる感覚は素晴らしいです。そして、登場人物たちの心理描写も細かくて、感情移入しやすいのも本作の魅力かと思います!

    僕の推しはやっぱり明石君ですかね。同世代なこともあって、心から応援できましたし、実直さが伝わってきて好青年なところにも惹かれました。

    スピンオフも出てるようですので、そっちも是非読みたいです!

  • 2017年直木賞と本屋大賞のダブル受賞
    第5回ブクログ小説部門大賞受賞

    あるピアノ国際コンクールの予選から本選までを丸々描いた作品

    これまで殆どクラシック音楽とかピアノ演奏とかに触れて来なかった自分を少し残念に思った
    それでも、文字表現でその世界を想像体験させてくれたので、読んでいてたのしかった

    曲と演奏、映画館で観たかった!

    続編も続けて読みたい
    (図書本)

  • 久しぶりに、恩田陸先生の作品を読んで、感動した!時間を忘れて没頭してしまった。

    そして、何より、音楽の世界の広がりと厚みを文章で伝えることができる恩田陸先生の知識に羨望し、憧れる。絶対、音楽をしている人でないと、書けない作品だとわかる。
    また、そのことが逆に自分の音楽的センスと知識の欠落を認めざる得ない作品だとも思った。

    自分が多少なりとも知識がある作品を読んだとき、例えば、絵画や陶芸であれば、描写されている記述に、「知ってる」とその記載に同意したり、時には「それは何故だから」とかその関連知識を考えたり、「それは違う」反論したりすることができる。が、今回は「へー、そうなんだ」と、ただ、ただ感心することばかりで、その「そうなんだ」の数の多さに自分の無知さを認めてしまった。

    そう思った理由に、かつてピアノを習って真剣に取り組んでいたことがある過去の歴史があるからであろう。

    とにかく感動は、この物語で出てきているショパン、リスト、ドビュッシー、ラフマニノフ、シューベルト、メンデルスゾーン、ショパン、ブラームス、フランク、フォーレ、ストラヴィンスキー、シューマン、モーツァルトは、読みながらメロディーが流れてくるところだ。活字を目で追いながら、頭の中で常に音楽が流れている状態で、とても迫力があり、コンクール会場にいるような臨場感にみまわれる作品であった。

    本作は、ピアノコンクールという舞台に3人の天才が引き寄せられる話である。天才の一人は養蜂家の父と各地を転々として自宅にピアノがないという16歳の風間塵、二人目の天才は、かつて天才少女と称されていたのに13歳の母の死以来ピアノから離れていた20歳の栄伝亜夜、そして三人目は、ペルーの日系3世の母を持ち名門音楽院生の19歳マサル・C・レヴィ・アナトール。
    音楽の神様に愛されている彼らが芳ヶ江国際ピアノコンクールで共鳴する。
    そして同じくこのコンクールには秀才の高島明石も参加していた。
    三人の天才の素晴らしい演奏は、凡人には理解しがたい夢の世界の出来事のように感じるのを、この高島明石の登場により読者目線に下がる。(と、言ってもそれでもまだまだ上の方のレベル過ぎるのだが)

    コンクール受賞結果には、少々不満も残るが、それぞれの受賞者が、未来に向けて活躍していく姿を想像し、同時に受賞者たち挑戦と期待、そして喜びを共感できた気持ちを味わえた。

    • kurumicookiesさん
      難しい…

      では、有川浩さんの「植物図鑑」、「旅猫リポート」あたりはいかがでしょうか?

      あとは、個人的には柳広司さんの「風神雷神」が好きで...
      難しい…

      では、有川浩さんの「植物図鑑」、「旅猫リポート」あたりはいかがでしょうか?

      あとは、個人的には柳広司さんの「風神雷神」が好きです。これは私が日本画が好きだからかもしれません。
      2021/07/08
    • kurumicookiesさん
      蜜海さん、こんにちは。

      稚拙な感想にコメントいただき恐縮です。しばらくあっさりした本を読んでいて、久しぶりの恩田先生の本に興奮しておりまし...
      蜜海さん、こんにちは。

      稚拙な感想にコメントいただき恐縮です。しばらくあっさりした本を読んでいて、久しぶりの恩田先生の本に興奮しておりました。
      少し前に読んだのですが、それでも読後のドキドキは今も覚えております。
      CDまで購入されたのですか!でも、その気持ち、本当にわかります!!
      音楽を聴くと、これをどのように演奏したのだろう?とか、フィクションではないとわかりながらも、コンクールで彼らが演奏を想像してしまいますよね!

      蜜海さんとコメントが感動が共有できて、とても嬉しい気持ちになりました!

      今後ともよろしくお願いいたします。
      2021/07/11
    • kurumicookiesさん
      蜜海様、

      コメントありがとうございます。
      偏りがある読書で、まだ、まだ、この人のこんな言い回しや表現が好きというのが、まだ安定しておらず、...
      蜜海様、

      コメントありがとうございます。
      偏りがある読書で、まだ、まだ、この人のこんな言い回しや表現が好きというのが、まだ安定しておらず、とにかく色々読んでいる段階です。
      徐々にでも、学生の頃とは違った目で日本文学というジャンルにも広がればいいなぁと考えております!
      2021/07/12
  • 読んでいる最中は、あぁ感想を書きたいと、読んで感じたことを文章にしたくてたまらなかったのに。
    いざ画面を開くのももどかしく真っ白なノートを目の前にしたら。

    何から書き始めればいいだろう。
    良かった。月並みな言葉だけれどとても良かった。

    読んでいる間、ずっとスピーカーで「蜜蜂と遠雷」のアルバムを流していたんです。物語の中で曲が始まると同時に同じ曲を再生して。
    普段は音楽やテレビは騒々しく感じるのに、この物語を読んでる時にはピアノの音が全然気にならなかった。


    自分がページをめくっていることも、目で文字を追っていることも忘れていた。そうだ、本を読むってこういうことだったんだ。
    心が物語を追体験すること。


    江國香織さんの「日のあたる白い壁」という絵にまつわるエッセイ集を読んだ時のことを思い出した。
    私は絵そのものに勝る文章はないし、音楽だって同じだと思っていた。
    でも江國さんの文章は絵そのものに負けていない。
    恩田さんの文章もそう。こんな風に、物語を通して音楽を体験できるし、それは実際に聴くのに劣らない。



    ふっと集中が切れたときに、窓の外を見やったら薄青い空が続いていて。柔らかな日光をカーテンが受け止めていた。
    ピアノの音色を聴きながら、あぁ生きてるなと。この時代に日本の小さな町の小さなアパートの1室でこうして過ごせていることが嬉しい。



    クラシックは気取っていて、それを好む人が自分達だけに分かることを誇っているように感じていたけれど。

    19世紀、あるいはもっと前の作曲家たちも、例えば晴れた日の空や風の気持ちよさを、音楽で表現していたのかも。
    新しいものも良いけど、古いものの中に自分に通ずるものを見つけることで、自分を俯瞰できる。自分もこれからも続くであろう歴史の中の1人に過ぎないこと。こんな風に音楽や物語を通じて既に亡くなった人と共感できること。

    クラシックの良いところを発見できた。


    ***********
    読んでいる最中やたら何か食べたくなって(お腹は空いてない)、休憩がてらちょこちょこ何かつまんでました。

    映画「蜜蜂と遠雷」のアルバムの中で、ラヴェルの水の戯れと高島明石(福間洸太朗)ver.の春と修羅が気に入った。
    映画も映画館で見たかったな。再上映しないかな。

  • たいへん遅くなりましたが、
    直木賞受賞、おめでとうございます!
    『夜のピクニック』で出会って以来、ずっと追いかけて来た作家さん。
    うれしい。本当に。
    この作品で受賞するために、今までノミネートのみで終わっていたのかもしれませんね。

    「努力は天才に勝つ」それが通用しない世界があること、
    天賦の才を持つ人間ゆえの苦しみに、圧倒されました。

    悲しいかな、音感も無く、とくにクラシックには全くといっていいくらい疎い。
    それでも、たっぷりとこの素晴らしい音楽の世界を堪能させてもらえました。
    たとえへたでも、鍵盤にもう一度触れたくなる。
    自分の”音”を奏でたくなる。

    夢中で読みました。
    そして、ふと気付いたら「ピアノ」や「音」の文字を、
    「小説」や「言葉」に変換して読んでいました。

    本書より少し引用させてください。
    ちっぽけな短い人生のあいだにあたしはピアノに出会って。ピアノに人生の少なからぬ時間を費やし、こうして人に聴いてもらっている。
    そのこと自体がいったいどれくらい奇跡なのだろう。この一瞬一瞬、音の一粒一粒が、今たまたま同じ時代、今この場に居合わせた人々に届くとしたら、それはどれほどの奇跡なのか。そう考えると、あまりにも空恐ろしくなってきて、全身が震えてくる。

    この文章には、恩田さんの小説家としての想いもあるのではないかと感じました。
    同じ時代にたまたま居られたこと、届けてもらえたことに感謝です。

    <追記>
    これを書いているとき、「本屋大賞」受賞のニュースが!
    おめでとうございます!!

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      読んだんだね〜 凄いなぁ。
      私はたぶん読めないからうさちゃんの感想で堪能させてもらったわ。
      私もクラシッ...
      こんばんは(^-^)/

      読んだんだね〜 凄いなぁ。
      私はたぶん読めないからうさちゃんの感想で堪能させてもらったわ。
      私もクラシックは全然ダメだしきっとイメージに時間がかかって読めないと思うわ。
      本屋大賞、嬉しいなヾ(≧∪≦*)ノ〃

      うさちゃんは体調どうですか?無理しないでね。
      私は今保険に入るために色々考えて頭がプスプスしています。
      2017/04/13
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんにゃ~♪

      お返事遅くなってしまってごめんね。

      もうね~良かったよ~♪
      本屋大賞も、嬉しいね!!
      本当はゆ...
      けいちゃん、こんばんにゃ~♪

      お返事遅くなってしまってごめんね。

      もうね~良かったよ~♪
      本屋大賞も、嬉しいね!!
      本当はゆっくりぼちぼち読もうと思ってたんだけど、グイグイ引き込まれてしまってね。
      クラシックに詳しければ、もっと感動できただろうなぁと、それが残念で…。
      いつか作中の曲をBGMにして、再読しようと思ってるの。
      そんなぁ、私のこんな感想で満足してはいかん!(笑)

      いつも気遣ってくれて、本当にありがとう~!
      体調はもうだいぶ落ち着いたの。
      でも、ちょっと調子よくなるとすぐ無茶するからね。自重しないと。

      保険で頭がプスプス(笑)わかる!
      私も昨年だったかな、医療保険に入ったの。
      ずっとあきらめてたけど、最近は持病があっても入れる保険が増えたからね。
      数社のパンフレット相手に格闘したわ~
      もう何が何だかわけわからなくて、保険に入るために、ぐったりするというね。(笑)

      私は基本、通院や入院保障が充実してればいいけど、
      けいちゃんは愛娘ちゃんのことも考えてあげたいしね。
      悩むよね~。

      私は今、映画の「ねこあつめ」を観に行きたくてウズウズです♪
      2017/04/16
    • koshoujiさん
      うさこさん。こんにちは。今フェリーの中です。またまた名古屋往復0泊3日8,300円の旅に出て、仙台に帰る途中です。
      ブログは河北が閉鎖にな...
      うさこさん。こんにちは。今フェリーの中です。またまた名古屋往復0泊3日8,300円の旅に出て、仙台に帰る途中です。
      ブログは河北が閉鎖になったので、あらためてヤフーに戻して時折書いています。河北の分を戻しましたが、文章は移行できましたが、画像がリンクされず、画像だけ載ってないのは多々ありますが。
      https://blogs.yahoo.co.jp/koshouji
      「蜂蜜と遠雷」文庫になりましたよね。読んでみようかと。
      本は殆ど読めていません。特に小説は読めない。吉田健一の軽いエッセイは図書館から借りて来て今回の船旅にも持ち込みました。
      ※今回の船旅でもやらかしました。名古屋の一人カラオケに行き、結構良いのが収録できたと喜んだのに、常に持ち歩いている録音用CDが何故か名古屋のカラオケ館では録音できず失敗し、新しいCDを交わされる羽目になり、帰りのフェリーに遅れそうになって名古屋駅を全速力で走り回ったり、バスターミナルにぎりぎり到着し、慌てて買ったお弁当に箸がなく、手で食べるわけにも行かず、船内のレストランのお姉さんに懇願し、割り箸をもらったり、今、持って行ったバスタオルがないことに気づき、フロントに確認したら行きのフェリーに忘れてあったので名古屋港で降ろされ、それを戻してもらうには受取人払いで送ってもらうしかなく、送料が高くつくのでバスタオルは諦めたりと。
      何故に旅行に出る度にこんなハプニングが毎度起こるのでしょうね、不思議です。
      天気だけは行き返りとも青空ですこぶる良いのですが。
      ではまた。<(_ _)>
      2018/02/05
  • 本書に登場する曲を聴きながら時間をかけて読みました。
    日本音楽コンクール・ドキュメトのピアノ部門を鑑賞してから読むのもいいと思う。
    音楽は本能。リズムは快感。
    本書では、コンテスタントがライバル達の演奏に素直に感動している姿が清々しい。
    クラシックを聴いていると、テンポ、強弱、わずかな間の取り方の違いなどで好きな演奏が決まる。
    しかし同じ演奏者だから、どの作品も良いと感じるわけではない。
    音楽は正解のない世界。コンクールの審査結果の順位付けはあくまで参考だ。
    甲乙つけがたいものに優劣を付けるから、いろんな物語が生まれるのだけれど、、、
    この物語では、順位は重要視していない。
    優勝者でない亜夜と塵の演奏、どんな風に弾いたのか、どのように感じるのか、無性に聴いてみたい。

  • 言葉の力で美しい音を伝える。
    音と言葉の芸術である。
    言霊とはこう言う事か。
    音楽と文学のコラボ。

    何度も鳥肌出た。

  • 2020/10/11読了
    #恩田陸作品

    最高に美しい作品に感動した。
    国際ピアノコンクールの
    予選から本線に臨む若きピアニストたちの
    葛藤や成長を描く。
    規格外の異端な天才少年に審査員も試される。

  • こんなに夢中で本を読んだの久しぶり。
    文句なしに面白かった。
    恩田さんに最初に出会ったころは運命の人かと思うくらい夢中になって、付き合いが長くなってくると裏切られることも数知れず・・・。
    そんな恩田さんと私の付き合いだけど、やっぱりついて来て良かった。
    ありがとう、そして直木賞おめでとう。

    「音楽を広いところに連れ出す」
    これがこの本の大きなテーマ。
    でもね、この本を読みながら恩田さんは私を私の狭い世界から広い世界へと連れ出してくれた。
    500ページの上下段組み。
    あまりの長さに最初はひるんだけど、最後はもう終わっちゃうの?って淋しくなっちゃった。
    もっともっとこの世界に浸っていたかった。

    最後に☆5つつけたのもう1年以上前の話。
    読んでも読んでもこれだ!って言う本に出会えなくて。
    最近は本を読むことも億劫になっていたけれど。
    この本を読んでいる最中は、まるで亜夜がピアノ演奏中に感じるような多幸感に包まれた気分になった。
    やっぱり読書はいいね!改めて再認識です。

    • 円軌道の外さん
      vilureefさん、ご無沙汰してすいません!
      お元気でいらっしゃいますか?

      久方ぶりにこちらの本棚見させてもらって、
      vilur...
      vilureefさん、ご無沙汰してすいません!
      お元気でいらっしゃいますか?

      久方ぶりにこちらの本棚見させてもらって、
      vilureefさんの、
      誠実で真摯で、ときに鋭いツッコミが入る(笑)良質なレビューの数々に
      ゲリラ的にいいねポチ押しまくってしまいました!
      (懐かしかったのです!ホンマ驚かせてすいません!)


      実は、プロボクサーを引退して教える側に回ったのと、
      新しい仕事が多忙だったのと、
      あとなぜか突然にしてレビューが書けなくなったことの三重苦で(笑)、
      気づけばな、な、なんと
      約2年もの間、ブクログを休んでおりました(汗)
      (そんなに休んでたとは、自分でもビックリでした!)

      この本、僕も読みました!
      vilureefさんがレビューでも書かれてるように、
      僕も恩田作品にはかなり裏切られてきたので(笑)
      不安な気持ちで読んだのですが、
      いやぁ~、ホンマ今回ばかりは良かったです!(笑)

      音楽で得られる特殊な感覚ほど、
      言葉にするのが難しいものはないと
      常々僕は思っているので、
      様々な比喩を巧みに使った美しい文章で、
      読む者に音楽が人にもたらすモノを提示していく恩田さんの書きっぷりには、
      もうホンマ脱帽でした(笑)

      読み終えたときはスランプの真っ只中だったので、
      この感動をレビューに真空パックすることができなくて
      ホンマ悔しかったッス!(>_<)

      また落ち着いたら再度読み返して
      レビュー書いてみたいなって思ってます。


      とまぁ、そんな感じで(笑)、
      まだ完全復帰とはいかないですが、
      まぁ、ボチボチやっていきたいと思います。
      こんなアホウですが、またよろしくお願いします!
      2018/01/20
    • vilureefさん
      Welcome back!
      お帰りなさい(*^_^*)
      古参のブク友さんの復活、本当にうれしいです♪
      思わず他のフォロアーさん達はどん...
      Welcome back!
      お帰りなさい(*^_^*)
      古参のブク友さんの復活、本当にうれしいです♪
      思わず他のフォロアーさん達はどんな反応しているんだろうってコメントのぞきまくっていました(笑)
      みなさん、大歓迎ですね。円軌道の外さん、愛されてるわー。

      お休みされている間も、ボクシングどうされてるのかなとか、まだ東京で頑張ってるのかなとか、円軌道の外さんに思いを馳せることもしばしばありましたよ(笑)

      私も長いこと休んでいたり、復活しても読書がままならなかったり・・・。
      ずいぶんペースは落ちました。
      でもふらっと帰ってきてもあたたかく迎えてくれるのがブクログの良いところ。

      お互い無理せずぼちぼちやって行きましょう!
      こちらことよろしくお願いします。

      あ、この作品、本当にいい作品でしたね。
      円軌道の外さんのレビューも是非読みたいです。
      のんびりお待ちしております♪
      2018/01/30
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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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