国家とハイエナ

  • 幻冬舎 (2016年10月27日発売)
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本 ・本 (532ページ) / ISBN・EAN: 9784344030176

感想・レビュー・書評

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  • ソブリンとNGO、ハイエナファンドの三つ巴の闘い。

    随所にみられる沢木容子氏に対する筆者の敬意と、パンゲア・カンパニーの効果的な背景説明が、いかにも黒木氏らしい。
    リスクとリターンで成り立つ金融の世界において、誰かがリスクを取らねばカネは回らない。だからといって、ジェイコブスのような存在を無制限に認めるのは道義的な疑問が残る。
    最近の言葉でいえば”グローバルサウス”の指導者が、とてもリアリティあふれる形で描かれており、そこも見どころ。
    個人的にNGOのタフネスには敬意を表しつつ、何かを絶対悪と定めて声を上げる手法は、それはそれで危ういのだろうとも再確認。

    取り残されるのは、いつも大多数の声なき声である。

    近々開催される黒木亮ファンの集いのため、再々読。
    黒木氏の作品は大体拝読したが、この作品より後、日本の企業に焦点を当てた作品が多くなった印象(『アパレル興亡』、『島のエアライン』)。どちらかといえば、国際金融場裏を舞台とした物語が私にとっては好みであり、その意味でも『国家とハイエナ』はとてもとても興奮させられる一冊。

  • 面白かったんだけど、読み切るのが大変だった。
    一応ハイエナファンドとアルゼンチンの和解で決着したという話だけれども、よくある小説のように特にオチがあるわけでもなく、いくらで合意に達したかという感じだった。専門用語も多いので全部理解しながら読むのが難しい。

  • 経済破綻した国家の債権を買いたたき、法廷闘争により回収し莫大な利益を上げる

  • なんとか読みきったけど、訴訟中心のストーリーで、期待したハラハラドキドキ感やダイナミックな展開はなかった。

  • 1

  • 破綻した国家の債権をタダ同然の安値で手に入れ、額面に金利や遅延損害金を含めた全額を払えと米国や英国の裁判所で訴訟を起こし、投資額の十倍、二十倍のリターンを上げる『ハイエナ・ファンド』をテーマにしたノンフィクション。彼らは、債権を回収するためにフランスの大手銀行を米組織犯罪規制法で法廷に引きずり出したり、債務国の原油を積んだタンカーを差し押さえたりもする。

  • 2018.10.26
    黒木亮さんの本だからともみ始めたけれど難しいわ。
    でも刺激は最高!^_^

  • 破綻国家の債務を二束三文で手に入れ、欧米で債務国相手に訴訟を起こし、投資額の10倍、20倍のリターンをむしり取る「ハイエナ・ファンド」、事実に基づいた小説。『ヴェニスの商人』のシャイロックも真っ青だ!

  • 相変わらず勉強になる経済小説。
    本書のようにソブリン債務を安価で購入し、法廷闘争を用いて多額な利益を得るスキームもあるのかと感心させられた。

    一見すると強欲の塊のような人間も、別の側面から見ると進歩的な人であったりする。人間というのは複雑なものだなと思う。

  • 【作品紹介】
    破綻国家の国債を二束三文で買い叩き、欧米で債務国相手に訴訟を起こし、勝訴判決を受けるやタンカーや人工衛星を差し押さえ、投資額の10倍、20倍のリターンをむしり取る「ハイエナ・ファンド」。
    狙われた国家は、その強奪的金融手法に対して徹底抗戦しようとするが、権力者たちの既得権益に群がる腐敗体質が手枷足枷となり、なかなか光明を見出せない。
    そうしたヘッジファンドのやり口と破綻国家の汚職を防止しようと、国際NGOが動き出した。しかし、肝心のNGOの中からも金に窮してヘッジファンドへ転職するメンバーが出現。
    正義と欲望の狭間で、三者はいつしか三つ巴の熾烈な金融バトルを繰り広げ始める。
    最後に笑うのは、果たして誰なのか?

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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