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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784344030640
感想・レビュー・書評
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【おすすめの人】
親が介護を必要とする年齢の人
自分自身がもうすぐ高齢者に入るなと思う人
【感想】
認知症やリハビリなど
親の介護のリアルを描きながらも
なぜか面白く思えてしまう
なぜか最後は前向きになってしまう
そんな素敵な短編たちでした!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
群ようこさんは、小説やエッセイなどに時々ご家族のことを書かれるので、これもそういう本なのだろうと思ったら、短篇集だった。
主人公はそれぞれ女性で、彼女たちの介護の時が「ついに、来た?」という瞬間を切り取る。
パターンがそれぞれ違うので、「あ、うちはコレ!」と当てはまる人も多いだろうと思う。
暗さのない文章なので、まあ、ゆるく頑張りましょうよ、と前向きな気持ちに気分転換できそうだ。
そして、「介護小説」というのも、ジャンルとして確立されつつある気がする。
『母、出戻る?』
サチ、独身会社員。
昔、男と出ていった母が出戻ってきた。
『義父、探す?』
マリ、専業主婦。
元教師の義父が「食べていない」
PTAの役員も断れなかったし、夫は文句ばかりで何も手伝わない。
『母、歌う?』
マドカ、会社の係長、夫は塾の講師。
母子家庭だった実家の母が…
夫はとても良い人!
『長兄、威張る?』
ユキ、子供のいない共働き夫婦。
夫は男ばかり5人兄弟の末っ子。
或る日、長兄から兄弟夫婦全員が呼びつけられる。
母親の介護を手伝うか、施設に入れる金を出せ!
『母、危うし?』
ヤヨイ、拝金主義の祖父母が大嫌いで、家を出て堅実に働くお一人様。
祖父母と父他界後、ひとり暮らしとなった母の元を訪れると、見知らぬ女が応対する。
『伯母たち、仲よく?』
マツミ、わけあって失業中。
腰を痛めた母の代わりに、認知症の伯母が二人で暮らす、母の実家におかずを届ける。
エキセントリックな会話が飛び交う。
『母、見える?』
ハルカ、真面目な男と結婚したつもりが…
息子は絶賛反抗期、母は幻覚、そして夫はちゃらちゃら。
『父、行きつ戻りつ?』
アキとナツキの姉妹。
工務店を経営する父親がおかしい。
一番弟子のサトルさんが気付くが…
正常な日も多いのだ。
正常と思いたい姉妹だが… -
認知症の本人はさほど困らないのかもしれないけれど、周囲、特に子供は途端に身動きできなくなりそう。
こんな日がいつか来るのだろうか?
ついに、来た、という日がやってくるのだろうな。
近くにいないと様子を見に行くことも簡単にできないのだろうしね〜。今から考えておかないとね。 -
高齢家族の痴呆症に翻弄される家族達の短編集。
実父母、義父母が揃って70代半ば、かなり切実な話でした。
ただ、悲壮感が少なく、著者ならではの雰囲気で、淡々と書かれていることに救いを感じました。
各章の主人公の女性がおおらかで素敵。
遠くない未来に自分にも来ること、ここに出てくる人達のようにおおらかに老いた親たちに対していけたらいいな、いかなければならないなと思います。
昨今の介護事情も理解できました。
もしかしたらバイブルになりかねない本、とも思いながら読み終えました。 -
家族が認知症になる話。
職業柄、認知症の方やその家族と接することが多い為とても現実味があった。 -
群さんらしいハナシ笑笑
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全部で8話の短編集で、どの話も身内が認知症になるという話。
悲観的な場面も含まれるけどどの話にも希望があり明るく前向きにとらえている点は読みやすかったです。
現実味のある話ばかりで、いずれこういう日がくるのかなぁと考えながら読みました。 -
身近な人の「老い」の話。
最近義父が夏風邪で元気がなく、年齢的にもそう先の話でないなぁ、群ようこさんだと「老い」も楽しく読めるのかなぁと思って選択。
物語としては楽しく読めたけど、
自分の身に起こった時に、こんなに懐深く対応できるかな、実母と義母では対応も心の持ちようも違うのかな、とぼんやり考えた。
今は子育てでバタバタして、どちらの両親共元気でいてくれているので、今から少しずつお互い話をしたいと思う。 -
どこの家庭にもやって来る親の老化。その時時の問題はリアル
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避けては通れない老い、両親の介護、介護問題 8話
ともすれば暗くなる内容を明るくユーモアで綴っている。いずれは我が身かと考えながら読んだ。 -
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どの話も、認知症になってしまった親の話で、いつもはスイスイと読みたくなる群さんの本も、今回は少し気が重くなった。
その中でも「義父探す?」や「長兄威張る?」は、介護が必要となる本人たちがもともといい人という設定で、こちら側もやってあげようという気持ちになると言う話。しかし、そんな設定では今度は周辺人物として、夫(義父の実の息子)だの長兄(弟たちに介護を分担させたいがヘルパーは自宅に入れないと言う)だのとアクの強い家族が出てきて、主人公の気持ちになってため息が出てしまう。
辻褄の合わない老人の話を聞くのと、頭のしっかりした頑固者にガミガミ言われるのと、どっちがマシだろうか…何はともあれ自分は何としてもボケたくないなあ、ボケたとしても周りに優しくしてもらえるような善行を積んでおかなくてはなあと、あれこれ考えます。 -
実の親や義理の親が、ついに介護が必要になったことへの「ついに、来た?」でした。
私も親も、もうそろそろその年齢に差し掛かる頃なので他人事ではない感じがしました。
まあ、私は自分の親は助けたい気持ちはあるけど、今年の正月に義父に「嫌いだ」と言われたので、そっちの親の面倒は一切見る気はありませんが(笑)
向こうも嫌いな人間にみてもらいたくもないでしょうしねえ。オホホ。 -
親が元気でも歳をとったら誰でも直面する問題。ひとりひとりが人任せにせず、自分の問題として取り組みたい。
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親、親族に痴呆症状が出始める…というテーマの短編集。
テーマは重いものの、群さんの淡々とした文章と短い小説だから、読む側につらさがなくて良い。
親族会議の「義兄、威張る?」は義兄が話通じなすぎて嫌だったー。 -
これと言ってどの章もはっきりとした答えが出ずに終わっています。でもそれが現実なんだろうなぁと妙にほっとする読後感。
実際は十人十色の介護だとは思うけれど、思うようには行かないし、いらだちも困惑も解消されることはないんだろうなぁ。と腹を括るしかない。
しかし、先立つものは介護される方もする方も必要ですね。 -
2014~2016年の雑誌連載時には読んでいなかった。当時の私は親の介護は老々まかせでした。
今回は、談話室のしりとりゲームに触発されて、手に取りました。軽めな本が読みたい気分にどんぴしゃりでした。
悪い先行きばかり考えても、今の状況も、人の気持ちもどうにも変えようがないという真理。相手に寄り添うための考え方のこつ。お話の中に登場する10代の少年は既に体得してました。偉いなあ。 -
作者 群ようこ氏の本である。
題名だけでは、 群氏が、よくご家族の方の話も掲載されるので、ご自身の事かと、、、、
いつも ユーモラス豊かに描かれるので、そのような話と、思っていたのだが、、、、
何と8話からなる短編集であり、どれも、老いた両親の認知症についてである。
年老いて来ると、度忘れもあり、置いた場所を忘れる事も多々ある。
財布が無い!、家の鍵が無い!、ハンコが無い!・・・・と、、、ただの度忘れでは、なくなって来た時に、やっと気づくのでは、遅すぎるのであり、、、、
そうなった親を 誰が介護し、見守るのか?
今の人手不足に加え、人生100年で、老々介護へとなって行くのだろう。
笑って読める本かと、思ったのだが、色々、覚悟して行かないと、いけないし、自分自身 子供達への負担をなくすには、どのように老後の時間を過ごせば良いのかを考えさせられる本であった。 -
介護・・・正解も不正解もない
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老い、誰もが確実に、、、
でもせつなくもおかしくテンポよく書かれていたので、暗くとらえずに済む。
いつか誰かの介護をするのか、自分が介護される日がくるのか、とりあえず保留。 -
自分が歳を重ねれば、親たちも老いていく。
あれ?お父さんの様子がおかしい。
でも、簡単には認めたくない。
どう向き合い、どう付き合っていくのか。
全8編。ユーモアがあり、暗くないところがいい。
(あー、分かるな)ということが多く、味方を得た感じ。
著者プロフィール
群ようこの作品
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