脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030657

感想・レビュー・書評

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  • 自分はHSPだというのを自覚できた本でした。
    自分はなんで、神経質なんだろう、感受性が強いのだろうち、わたしは、、わたしは、、というのがあり自分を責めていたけど、この本を読んで心が軽くなりました。
    手元に置いておきたい本でした

  • 長年の経験に基づいて書かれているので、納得できる部分が多かった。HSPの思いがちな傾向がわかったので、今後の考え方の参考になると思う。
    特に「自責」と「他責」については、身の回りで起こっていることと照らしてみると、思い当たることがいくつもあり、こういうことなのか…と、よりよく理解できた。

  • 著者自身がHSP(敏感すぎる人)であり、長年苦しんできたことや、その苦しみを軽くし付き合っていくため方法を紹介したものである。
    HSPはうつ病などの病気ではなく、気質であるので変えようがないものと定義している。
    著者の具体的な症状が非常に自分に似ているため、自分にもHSPの傾向があると共感した。

    ・ある同僚などは、「僕は他人の言葉は2割しか信じないが、君は10割どころか100割信じている」と私を評していました。なぜ、これほどまでに人の言葉を信じ込んでしまうのか、ずいぶん自問自答を繰り返したものです。そうして行き着いた答えが、人との境界が極端に薄いからではないかということです。他人の考えを聞くと、それが自分の考えであるかのように思えてしまうのです。
    ・些細なことでも忘れられずに自分を責めていました。自分にばかり矛先が向いて、相手に怒りをぶつけるとしたことがないので、自分の中に悩みは蓄積きれるばかりの日々だつたのです。
    ・誰かと話している最中に、この人は今嫌な思いをしていないだろうかと不安になったり、別れた後も、不快な思いをさせなかっただろうかと心配になるということを繰り返してきました。いわf、私は常に相手の顔色をうかがって生きてきたのです。
    ・仕事の依頼や何かの誘いを断るのが苦手だというのも、超過敏の人の特徴といえるでしょう。私の場合、人に嫌われたくない、頼れる人だと思われたいというよりは、いい人でいたいという思いが強かつたのだと思います。断ることは悪いことだと心のどこかで信じ込んでいたのです。
    ・人付き合いが苦手ということが多い超過敏な人。しかし、お互いの役割がはっきりしている付き合いや、今後会わないとわかつている相手と話すのは苦手ではなーむしろ得意だという人が少なくないのも特徴的だといえるでしよう。超過敏の人は共感力にすぐれ、些細なことでも心が動かされやすいので、映画や小説、あるいは音楽や絵画などに感動しゃすいという特徴があります。
    ・超過敏の人は、そうでない人たちが「これくらいなら平気だろう」と感じることでも大きなストレスを受け、回復により時間がかかり、しかも、許容できる量が少ない人々です。ですから、そうでない人より早い段階で、具体的な症状が出てさます。
    ・超過敏の人は、とかくそうでない人たちの基準に自分も合わせようとします。本当はストレスが溜まっているのに、他の人たちはこれくらいでストレスとま、わないから、自分の我慢が足りないだけと孝えがちです。その結果、体調不良の原因がストレスであることに思い至らず、あるいはストレスのはずがないと決めっけてしまい、不調が長引くことになります。
    ・ストレス耐性は人によって違います。ストレスを受け続け、我慢し続ければ耐性がつくと、うことば決してありません。ある種のストレスは考え方を変えることで受け流せるようになるでしょうが、自分を取り巻く人間関係や、物音、匂いなどは、孝え方でどうにかなるものではありませんし、自分だけの力で変えることが非常に難しいものです。こうしたストレスを受けているときの最善の方法は、ストレスから逃げることです。
    ・私は、周囲の人々から、「細かいことまで気にする人」と評されてきました。しかし、それは間違いです。確かに、昔のことを思い出してはくよくよしたり、人の気持ちを考えすぎたりするということはあります。し、し、たとえば研究のことやお金のことなどは全く気にならないのです。むしろ、大ざっぱといってもししくらいです。
    ・私がうつ状態になったとき、その原因は、肩書きや学歴ではない自分自身を見つめようとしたこと、そして、必要以上に自分を低く評価し、ダメな人間だと思込んでしまったことにありました。そして、精神的に不調になってから、やっと今の考え方は自分を破滅に追いやるだけだと気づいたのです。それ以来、自分を低く評価し、何も才能のない人間だと思うのをやめました。肩書きも学歴も立派な財産であり、努力の証しだと認め、なにかうまくできないことがあっても、他にできることがめると考えるよう努めました。その結果、うつ状態から抜け出せたのですから、この考え方は正しかったのでしよう。
    ・超過敏は決して病気ではありません。病気ではないので「治る」ということもありません。歳を重ねて敏感ざが弱くなっていくことはあつたとしても、一生付き合っていくことになるでしょう。今、生きづらいと感じていても、あなたが敏感さに対する考え方を変えれば、敏感であるということはあなたの強い味方、武器になり得ます。そう信じて、敏感さはあなた自身を構成する大切な一部と受け入れ、上手に付き合っていってほしいのです。
    ・超過敏と特に混同されやすいのが、うつ病です。うつ病の症状として挙げられる不眠や疲労、自尊心の低下といった症状と超過敏の特徴とがよく似ているからです。HSPという概念を知る前は、私も自分がうつ病だと考えていました。最も大きな違いは、専門的にいえば、「病前の機能が変化を起こしている」かどうかです。うつ病は、それまでは好奇心旺盛で活発だった人が、突然気分が沈んで何にも興味を持てなくなったり、モーレツ社員のような働き方をしていた人が、仕事に行くことができなくなったりと、病気になる前と明らかに状態が異なります。それに対して超過敏は、大きく状態が変わるということはありません。物心ついたときからずっと、同じような悩みを抱えているのです。
    ・日記は自分を知るヒント。言葉で整理し、冷静に見つめなおすことで、今までの靄がかかっていた自分自身のことや悩みの本質がクリアに見えてくる。
    ・超過敏の人は、周囲の人々の感情がどう動いているかということばかりに意識を向けていますから、自分のことは二の次三の次にしてしまいがちです。そのせいで知らず知らずのうちにストレスを溜め込み、気づけば心身に不調をきたしていたと、、つことも少なくありません。そうならないためにも、自分の心と体の素直な気持ちに耳を傾けることが大切です。超過敏の直観力は、自分に対しても働きます。最近睡眠の質が悪くなった、つくり休みたい、甘いものが食べたいといった心と体の声を大切にし、できるだけ状況を改善できるように努めましょう。
    ・人が受けるストレスは大きく2つに分けられます。ひとつは、さまざまなことを我慢し、抑圧きれることによって起こる「静のストレス」。もうひとつは、たくさんの物事を抱えたり一度に多くの人と会ったりと、刺激を受けすぎることによって起こる「動のストレス」です。「静のストレス」を解消するには、カラオケやスポーツといった活動や、大声を出すなど、「ストレスを発散」するために体を活発に動かす行為が有効です。反対に「動のストレス」の場合は、ひとりになってゆっくりお風呂につかったり、眠ったりするなど、「ストレスを鎮める」ことがストレスの解消になります。ストレスによって逆の対応をすると、ストレスを増幅させるので注意が必要。
    ・自分の「敏感さ」を知ることば大切ですが、それを意識しすぎないことも同様に大切です。自分は人より敏感だとあまりに意識していると、「敏感だから生きづらいんだ」とどこか諦め気分になってしまい、生きづらさを解消するために考え方や生活を変えることが難しくなります。また、いつも「敏感さ」を意識していると今までなんともなかったことにまで敏感に反応してしまうなど、自己成就的に自分の「敏感さ」を強めてしまうこともありますし、自分を守りすぎてかえって刺激に弱くなることもあります。
    ・敏感すぎる人は、友人が少ないことを気に病むケースが少なくありません。他人にどう思われるか気にしすぎたり、他人の感情に共感しすぎたりしていて、人付き合いに疲れてしまうのです。浅い関係はえてして切れるのも早いもので、超過敏の人はそのたびに「何か悪いことをしただろうか」と思い悩むことになりかねません。人付き合いが苦手なのに広く浅く友人をつくるのは、そうした苦痛を自らつくり出すことと同じです。
    ・超過敏の人に限らず、何かに焦ったり悩んでいたりするときは、呼吸が浅く、速くなりがちです。すると酸素が脳にうまく行き渡らず、ますます考えはまとまらなくなっていきます。そんなときに効果を発揮するのが呼吸法です。
    ・何かが起こったとき、それを「困ったこと」と感じるかどうかは人の心しだいで、困ったと思わなければ、それは「困ったこと」ではなくなるというのです。「困った、どうしよう」と頭を抱えてしまいそうなときには、それは本当に「困ったこと」なのかを考えてみてください。んなに深刻に思い悩む必要があるの、そんなに重大なことなのかと問題を見直すと、どうしてそれほど悩んでいたのかと拍子抜けすることは案外多いものです。はじめは半信半疑でも、「困ったことは起こらない」と唱えていると、少しずつではありますが、前向きに物事を捉えられるように心持ちが変わってきます。心持ちが変われば行動が変わります。その結果、実際に悩みにぶつかることが減っていきます。
    ・多くの人が集まる場で一番苦痛なのは、人の輪に入れずひとりまっちでいるような気分になることです。「自分が入ると場がしらけてしまうのではないか?・」「自分が入ったら邪魔になるのではないか?」と孝えてしまうと、気分はどんどん塞いでいきます。ここで大事なのは話の輪に入るきっかけをつかむことです。最も簡単な方法は、あらかじめ話す内容を決めておくことです。天気の話でも、最近、世間を騒がせているような話題でもいいでしょう。できるだけ、多くの人と共通の話題になるようなものを、2つ、3つ用意しておくのです。話の輪に入れたら、あとは無理に話そうとせず、聞き役に回りましよう。他人の気持ちを敏感に察する超過敏には、聞き上手が多くいます。相手の話にじっくり耳を傾け、相槌を打っていれば、相手は気持ちよく話が出来ます。

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著者プロフィール

1935年、静岡県生まれ。慶應義塾大学医学部卒、同大学院修了。医学博士。ニューヨーク州立大学助教授、浜松医科大学教授を経て、同大名誉教授。専攻は生理学。日本生理学会、日本臨床血液学会などの評議員も勤める。
89年、中国科学院より国際凝固線溶シンポジウム特別賞を受賞。
91年、ポーランドのビアリストク医科大学より名誉博士号を受ける。
血液学と生理学の分野で国際的な活躍をする一方、最新科学の成果を実生活に生かす具体的な方法を説いて幅広い読者をもつ。
著書には「40歳を過ぎても記憶力は伸ばせる」(講談社)「ウツな気分が消える本」(光文社)など多数。

「2004年 『定年後は「いきいき脳」を鍛えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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