- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344031203
作品紹介・あらすじ
縛られていたものを捨てたとき、悲しみや切なさは消え、執着から解放される。『死ぬときに後悔すること25』の著者がたどりついた、本当に幸せな生き方。
感想・レビュー・書評
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人生において「自由になること」の大切さが書かれている本。患者さんの死を前にして語る言葉はどれも共感でき、深く考えさせられた。
私自身も仕事の失敗が頭から離れなかったり、恋人がいないことや友人との関係を悩んだりすることがある。しかし、いざ死ぬ寸前になったらそれらに囚われていたこと、より自由な気持ちで生きなかったことを後悔すると思う。
人生は思うようにいかないことも多いが、何か特定のものに囚われすぎず(悩みすぎず)、大切な人やものに愛情や感謝の気持ちを持ちながら、自由に楽しむことを意識していきたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
目次を見るだけで内容がわかる自己啓発本のようなもの。極めてオーソドックスであり、ある意味「普遍的」と言えるのかもしれない。
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小林麻央さんが若くして亡くなられた事に悲しみが深くこの本を読んでみたいと思いました。
著者である大津秀一(おおつ しゅういち)さんは終末期がんの患者さん2千人に寄り添ったお医者様と言う事です。
全205ページで活字も大きく33の項目で構成され、難しい用語なども一切ないので、とても読みやすかったです。
33の項目ですが大きく分けて
・社会編 13項目
・思考編 12項目
・人間関係編 8項目
この3つに分類されています。
「何も残さなくていい」「SNSの呪縛から逃れる」
「メディアと距離を置く」「別れの悲しみをふりきる」
「お金だけを求めない」「家にしがみつかない」
「比較をやめる」「死の恐怖を消す」
「子供を遠くから眺める」「嫌われることを恐れない」
など最初に目次を見ただけで自分の気になる事柄がたくさんありました。
実際、死を間近にした33人の本当の声や気持ちが書かれているので
時に切なく時に悲しみを感じながら読み進めて行きました。
33人の方々は年齢も性別も様々、家庭環境や職業、家族構成も色々で
もし自分がこの方の立場だったらどう思うだろう、そしてどう行動するだろうと考えてしまいました。
死を目前にした方達の最後が描かれていますが、想像していたよりは淡々と描かれています。
全編を通して感じた事は、死が間近になった時、日々縛られていた日常の執着を捨て
解き放された穏やかな気持ちで生活する事、生きて行く上でのアドバイスを頂きました。 -
【目的】
最期に後悔しないために
【まとめ(1P)】
結局最期はひとり、「自由」に生きてよい
【ポイント(What)】
・人間関係や役割に縛られて生きていたことを後悔
・人生に意味は必要なく単なる暇つぶし、自分なりに自由に生きる機会がたまたま与えられた
・成熟した夫婦愛は人間愛に近い普遍的なものへと進化(波打ち際→地球を包摂する海)
【アウトプット(How)】
・小さな子供への伝え方:死ぬことは決して子供のせいではない、死はうつらない、今後誰が自分の役割をするか
【その他】
・サクラダ・ファミリアのガウディ:細かな設計図を遺さずとも、彼の思いを受け継いだ建築家が「彼ならこうつくる」との思いで
・一緒に死ぬわけではないのに、誰かの考えに左右されて生きるのは自由でない -
人はいつか死ぬ。そのときに何を思うのか。現場からの声は、何よりも深く、示唆的だと思う。
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内容的にすごくいい本だと思います。
人の死に際を見続けてきた著者である医師の方の経験は、大変、貴重なものだと。
ただ個人的な好みではあるのですが、できれば第三者の視点でのドキュメンタリーとして読みたかったかなと思います。
医師と患者のやりとりを取材という形で。
当人である医師の方の視点での著述という形式では、感情の移入が、やや私には難しかったです。 -
考えさせられる部分も多くあり、たまに読み返したいとも思ったが、自分的には読む前の期待を超える本ではなかった。改めて人生を、今を大切にしたいと感じた。
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33とは33人のエピソードがあるという意味でした。
心に残ったのは人生は大木であるという言葉です。自分は何を残せるだろう、いや残すなんて大それたことを言わなくても、ただ生きているだけで意味はあるのではないかと感じました。
人生の最後なので色々な感情があるでしょうし、その中でも良いところを中心に書いてあるような気もしますが、エピソードを通じて自分を振り返るきっかけになりました。 -
堀ちえみさんの舌がんのニュース、とても心が痛むし、「病気というやつは人を選ばずランダムにやって来るもんだな」ということを改めて感じさせられた。
そんな時にこの本を読んだので余計に心に残った。
緩和ケアセンターで数々の患者さんを看取ってきた著者が、人は死の直前にどんなことを思うのか、ということを綴った本。様々な患者さんのエピソードが紹介されている。
たくさんの死に直面してきた人だからこそ言える、「正直、人生はうまくいかないのがデフォルトである」「私たちにできるのは、運が支配するこの世界の馬鹿馬鹿しさを受け止めること」などという言葉たちがとても重い。
最も強く心に残ったのは二つ。
「世の中には、不運のくじがあります。誰かが悪いわけでは決してありません。しかし、そのくじに当たってしまうことがあるのです。それを私たちは意識しないだけで、誰かは当たって大変な経験をされているのです。当事者にならないと、張り付くような苦しさはなかなかわかりようがありません。けれども、そんな苦難と対峙している人が、この世界の至る所にいるのは事実なのです。たまたま自分や家族が当たっていないというだけで。」
という箇所と、
「私たちは、普通に明日が来ることを信じて疑いません。しかし、誰かには明日は来ません。また、誰かにも一年後は来ません。それがわからないので、私たちはこの世に〝仮の永遠〟を信じて生きます。今日の義務や忙しい日々の生活をこなす中で、やろうとしている仕事や事柄が終わるよりも前に最後が来てしまう人もいるのが事実です。」
という箇所。
自分の妻ががんになった時も似たようなことを思ったので、この二箇所はとてもよくわかる。
月並みだけど、死ぬ間際になって後悔することがないように生きたいものだ、と思った。そのためには、目の前の「今、この時」を大事にすること。思っていてもつい忘れてしまうんだけど。 -
研修医として、死を間近に迫った患者の声をまとめた本。
どの患者にも過去の人生に対して悔いや思いを引きずっており、
「あの時、あーしてたら」
「どうしてこうなったのか」
という本音と共に、人生においてこういう生き方をして欲しい旨の内容。
人は誰もが後悔を抱くが、それはその人が全力で生きたからであって、結果論でしかない。
どんな行動にも後悔は付き物なので、本作の患者らは無駄な人生を過ごしたとは決してない。
本作を一言で表すと、これからを生きる人に送る先に旅立った方々が送る人生の指南書、と言おうか。